

動物写真家・岩合光昭さんが見つけた“いい猫(こ)”を紹介する「今週の猫」。今回は、イタリアのエルバ島の「猫(にゃ)ポレオン」です。
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エルバ島は、1814年に退位を余儀なくされたナポレオンが、政権復帰までの299日間を過ごした島。といっても、ムリーニ小宮殿と呼ばれる邸宅のほか、夏の別荘も持ち、意外に優雅に暮らしていたのだという。
Nのイニシャルが刻まれたその別荘を訪れると、一匹の猫が迎えてくれた。野良なのだが、島の猫ボランティアの人たちにとても大事にされていて、仕草までもがかわいらしい。「余の辞書に不可能の文字はニャい」という言葉さえ似合いそうな、とびきりの美猫(びじん)さんだった。
※週刊朝日 2017年6月9日号