アスリートの夢の祭典「リオデジャネイロ・オリンピック」まで、1カ月を切った。選手も観客もあとは体調を整えるのみ、と言いたいところだが、最近不安なニュースが相次いでいる。
テニスの日本代表の筆頭、錦織圭(日清食品)。今月あったウィンブルドン選手権では、4回戦で途中棄権となった。左脇腹の痛みをおしての出場だったが、無念のギブアップだ。
一部報道によると「あんまり出たくなくなった」ともこぼしているという。様子をマネジメント会社に尋ねてみると「診断は左腹斜筋の筋膜炎で、現在治療中です。次の大会(トロント)まで時間があるので、しっかり治して臨めます。もちろん五輪にも出場します」(IMGジャパン)。
女子バレーボールのエース、「さおりん」こと木村沙織(東レ)も万全ではない。5月の五輪最終予選で右手小指を負傷。その後も出場を続けたが、眞鍋政義監督も五輪初戦(韓国戦)に「あまりいい状態ではない。間に合うかどうか……」と心配のようだ。
それでも7月3日に国立代々木競技場であった「日本選手団壮行会」では、観客たちとハイタッチ。最後は目に涙を浮かべて「本当にたくさんの皆さんの勇気を今ここでもらって……。一緒に戦ってくれたらうれしい」と活躍を誓っていた。
オーバーワークが心配される選手もいる。
5月のハーフマラソンの出場後に疲労骨折の疑いもあった女子マラソン代表の福士加代子(ワコール)は右足薬指の炎症と判明。幸い痛みは消えているようだ。ロンドン五輪で「金メダルなし」に終わった男子柔道でも、看板を背負う100キロ超級の原沢久喜(JRA)が一時調子を崩した。
4月初めの全日本選抜体重別までは国際大会を含めて連戦連勝で、破竹の勢いだった。しかし、同月末の全日本選手権で、別人のような動きで敗退した。
「体が動いておらず、初めて見る姿だった。知らぬ間に少しオーバーワークになったのでは」と母校の山口県の早鞆高校柔道部の中村充也監督。JRA監督で日本代表の賀持道明コーチも「ぎっくり腰も出ていたが、復調中。本番まで時間はあり十分間に合います」。