すでにヤクルトが1位指名候補に入れていると一部で報道された。しかし、小関、片岡両氏は「巨人」が最有力との見方を示す。
「内海哲也、杉内俊哉といった左投手が絶不調で、山口鉄也も31歳と若くはない。巨人は一大転換期を迎えていて、ここで来年、再来年に活躍できる即戦力に近い若手を取りに行かないといけない。小笠原は狙い目でしょう」(片岡氏)
原辰徳監督は、東海大相模高OB。さらに同校野球部の門馬敬治監督は、原監督の父の故・原貢氏の愛弟子という縁も気になるところだ。
この夏、甲子園を最も沸かせたオコエ瑠偉(関東一高)にも複数の球団が熱視線を送っている。50メートル5秒96の足で単打を二塁打にしたり、届きそうにない大飛球を走ってスーパーキャッチしたりと、とにかく身体能力が高い。昨秋からオコエに注目し取材をしてきた小関氏は言う。
「足の速さと守備は、プロと比べてもトップレベル。今ドラフトの中で、イチロー、青木宣親らメジャー級の超一流選手になれるとしたらオコエですね」
小関氏は、これまで多くの選手の一塁から二塁への盗塁のタイムを計ってきた。オコエは群を抜くスピードだと驚愕する。
「3.08秒。これまで計ってきた中で最高でした」
元プロ野球選手の江本孟紀氏もこう評価する。
「メディアの注目度といい、ダイナミックな動きといい、スター性も群を抜く。あまり見たことがないタイプだけど、最盛期の新庄剛志、森本稀哲が近いのかな」
1位候補ともっぱら噂されているものの、ドラフトでは投手が優先されやすいうえ、「活躍できるか未知数で、1位指名は怖い」(日野氏)。専門家たちは「いくつかの球団は、1位指名が他球団と重なり獲得できなかったときに指名する『外れ1位』で狙ってくるのでは」と見ている。小関氏はこう話す。
「個人的におすすめするのは、ヤクルトか西武。高校生野手の抜擢が早く、外野の若い選手が少ないので、すぐに実戦に出て活躍できる余地がある」
※週刊朝日 2015年10月23日号より抜粋