「通算戦績はいい勝負です」(同)
進学実績もいい勝負だ。教育ジャーナリストの小林哲夫さんはこう話す。
「公表されているデータを集計すると、49年からの東大合格者数の累計は前橋714人、高崎705人。勝敗は前橋の30勝29敗7引き分けと拮抗しています」
両校ともに首相経験者が学んだ。福田赳夫と中曽根康弘氏は旧制高崎中学の卒業生。鈴木貫太郎は旧制前橋中学に在籍した。
高崎では、スーパーサイエンスハイスクールに指定された後、2004年から、希望者を対象に2年の夏休みにアメリカ研修を実施している。
「初年度はNASAを見学しました。現在はボストンでの語学研修、ボストンメディカルセンターでの講義の受講やNASAでの体験学習などを実施し、理系だけでなく、文系の生徒も参加しています」(森泉教頭)
前橋は、今年3月から1、2年の希望者を対象に「Oxbridge研修」を始めた。イギリスのオックスフォード大学の学生とのワークショップを体験し、ケンブリッジ大学に第一線の研究者が集まる「サイエンス・フェスティバル」の研究発表を見学した。
今年の東大合格者数はやや前橋がリード。国公立大医学部の合格者数は、医師の子弟が多く、例年、医学部志向が強い生徒が多い前橋に軍配があがる。
「ほぼ毎年、北関東の公立高校では国公立大医学部の合格者がいちばん多いです」(竹澤教頭)
前橋市と高崎市の人口はほぼ同じ。両校の規模も8クラス320人で同じ。両校は永遠のライバルであり続けるだろう。
(庄村敦子)
※週刊朝日 2015年4月17日号より抜粋