このほど、お酒をこよなく愛する女性には気がかりな研究結果が公表された。

「女性の大量飲酒は脳卒中発症の危険性を高める」と、国立がん研究センターと大阪大学などの合同研究チームが明らかにした。

 米国の権威ある予防医学の医学誌「Preventive Medicine」に掲載されたこの研究(JPHC研究)は、新潟や沖縄など、国内9地域の女性約4万7千人を、1990年から2009年まで追跡調査したものだ。

 追跡期間中に1864人の女性が脳卒中を発症した。飲酒との関連を調べた結果、「1日にビール大瓶2本以上、日本酒なら2合以上」の大量飲酒をする女性は、「ときどき」飲酒する女性に比べて、脳出血を発症する危険性が2.85倍、脳梗塞では2.03倍、脳卒中全体では2.3倍高かった。

 男性を対象にした調査は9年前に同研究チームが報告しており、「1日にビール大瓶3本以上、日本酒なら3合以上飲む」の大量飲酒をする人は、「ときどき飲む」人より約1.6倍脳卒中になりやすいことがわかっている。女性のほうが少ない飲酒量にもかかわらず、脳卒中のリスクが高いとの結果になった。

 研究をとりまとめた大阪大学医学系研究科公衆衛生学教授の磯博康氏は、「この調査は生活習慣病に関する世界でも最大級の追跡調査で、とくに女性を対象とした大規模な調査は、欧米でも限られています。大量飲酒は乳がんの危険性を高めることもすでにわかっていますので、男性だけでなく、女性も節度ある飲酒を心がけてほしい」と呼びかける。

 脳卒中治療に詳しい東京都済生会中央病院院長(神経内科医)の高木誠医師も、この研究を評価する。

「女性が社会で活躍するようになり、飲酒をする機会が増えました。ストレス社会であることもあり、女性の飲酒量自体も増えています。これまではただ『お酒は控えめに』と言っていたところを、これからは『1日1合程度まで』と、具体的に数字を出しながら指導することができます」

 高木医師によると、アルコールは血圧の上昇をもたらし、脳卒中、とくに脳出血の危険性を高めるという。

「今回の調査ではさらに、高血圧でない人でも飲酒で脳卒中の危険性が高まるとわかりました」(高木医師)

 年末に向け、酒席が増える。飲酒はほどほどにしておくにこしたことはない。

週刊朝日 2013年11月8日号