日々の生活のなかでちょっと気になる出来事やニュースを、女性医師が医療や健康の面から解説するコラム「ちょっとだけ医見手帖」。「各国の低用量ピル事情」について、NPO法人医療ガバナンス研究所の内科医・山本佳奈医師が「医見」します。
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3月8日は「国際女性デー」でした。世界的な新型コロナウイルスの感染拡大を受け、アジアを中心に、国際女性デーに合わせた行事が中止となった一方、パリやブラジル、タイやインドネシアなど世界各地で女性の権利を求める運動や集会が行われました。
3月8日を「国際女性デー」と呼ぶようになったきっかけをご存知でしょうか。それは1904年3月8日にニューヨークで行われた参政権を求めた女性のデモでした。そして、6年後の1910年にデンマークで行なわれた国際社会主義者会議において、「女性の政治的自由と平等のためにたたかう記念の日」として正式に制定されたことから始まり、1975年に国連によって「国際婦人デー」と定められ、現在「国際女性デー」と呼ばれるようになったのです。
つまり、「国際女性デー」とは、女性の権利や政治的・経済的分野への参加など、女性が達成してきた成果を認識する記念日の一つであり、根深く残る女性差別に対する抗議や、女性の権利を求めるための運動が行われる日でもあるのです。
日本は、ご存知の通りジェンダー格差が大きい国の一つです。世界経済フォーラム(WEF)が世界153カ国を対象に、各国のジェンダー不平等状況を分析した「世界ジェンダー・ギャップ報告書2020」によると、日本は121位。過去最低の記録を更新しました。