2006年。亜細亜大が初優勝を飾った。1967年、駒澤大とともに初出場したが、このとき亜細亜大は11位、駒澤大は13位だった。その後、両校はなかなか上位に食い込めず、シード権当落線上の争いを繰り返した。両校は、1968年に初出場した大東文化大に先を越されてしまう。大東文化大は初出場から7年後の1975年に初優勝した。駒澤大の初優勝は20世紀最後の年、2000年まで待たなければならず、初出場から33年かかった。亜細亜大にいたっては、39年かけての箱根制覇であるが、この間、本大会に出られない年があった。そして、現在、2011年から箱根を走っていない。復活が待たれる。

 2011年。早稲田大が80回目の出場、13回目の優勝を果たした。また、出雲駅伝、全日本大学駅伝を制して3冠を達成している。このとき活躍したのが、大物ルーキーと呼ばれた佐久長聖高校出身の大迫傑である。1区を走り2位に1分近い差をつけて、早稲田優勝の原動力となった。5区で東洋大の柏原竜二に抜かれるが、6区で抜き返し、その後、東洋大の猛追をかわしてトップでゴールに駆け込んだ。大迫は、2018年10月のシカゴマラソンで3位、2時間5分50秒の日本新記録を樹立し、褒賞金1億円を手にしている。

 2016年。青山学院大が2度目の優勝。2位東洋大、3位駒澤大、4位早稲田大と2010年代の駅伝強豪校が並ぶが、青山学院大は往路1区から復路10区まで1位で走り続け、2位に7分以上の差をつけての「完全優勝」を果たした。原晋監督は「ハッピー大作戦」と名付け、テレビでの露出が増え、さらに有望な高校生が入ってくるという好循環を生み、2018年まで4連覇を飾った。

 そして、2019年、東海大が初優勝を飾った。2020年の優勝候補として東海大、青山学院大、東洋大、駒澤大、そして、2019年に学生三大駅伝の一つ、出雲駅伝で優勝した国学院大の名前が挙がっている。21世紀に入って駒澤大、青山学院大は4連覇を果たしているが、いま、両校にそのときほどの絶対的な強さは見られない。案外、上記以外の大学がダークホースとして現れ、箱根の山を制覇するかもしれない。前年10位以内だった帝京大、法政大、順天堂大、拓殖大あたりが優勝をねらえれば、箱根駅伝はおもしろくなる。

(文/教育ジャーナリスト・小林哲夫)<文中敬称略>

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