21世紀箱根駅伝最強校ランキング。各大会1位10点、2位9点…10位1点とし、そのスコアを集計したもの(データ協力/河嶌太郎)
21世紀箱根駅伝最強校ランキング。各大会1位10点、2位9点…10位1点とし、そのスコアを集計したもの(データ協力/河嶌太郎)
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2001年、2006年の箱根駅伝の上位10校
2001年、2006年の箱根駅伝の上位10校
2011年、2016年の箱根駅伝の上位10校
2011年、2016年の箱根駅伝の上位10校

 21世紀に入ってまもなく20年が経とうとする。箱根駅伝上位校はどのように移り変わっただろうか。

【図表】01年、06年の箱根駅伝の上位10校はこちら

 (1)21世紀(2001~2019年)の上位校ランキング、(2)2001年、2006年、2011年、2016年の5年ごとの上位校から、21世紀の箱根駅伝戦国時代の様相をふり返ってみよう。

 まずは、(1)21世紀(2001~2019年)の上位校ランキングから。各大会の1位10点、2位9点…10位1点とし、合計スコアでランキング化した。

 1位の駒澤大は優勝5回、2位5回、3位3回など。2000年代はじめに優勝を重ねたことが大きい。これは大八木弘明監督の指導力が大きい。大八木は24歳で駒澤大に入学し、箱根駅伝を経験している。1995年、陸上競技部のコーチに就任。その後、助監督を経て2004年に監督となった。駒澤大は2002~2005年に4連覇を果たし、「常勝軍団」と呼ばれた。だが、苦しい経験もしている。2008年に優勝したが、2009年にはまさかの13位でシード権(10位以内)を失う。前年優勝校が10位以内に入れないのは、途中棄権を除けば初めてのことだった。

 2位の東洋大は、2009年から2019年まですべて3位以内に入っている。2009年は1年生の柏原竜二が山登りで見せた8人抜きなどによって初優勝。2010年も優勝し、その勢いは2011年に続くかと思われたが、早稲田大に逆転されてしまう。その差は21秒だった。3連覇を逃した東洋大は、10人のメンバーが1人2秒以上速く走れば勝っていたことを胸に刻み、「その1秒を削り出せ」を合い言葉に雪辱に燃える。2012年で区間賞を連発して、2位以下を大差で離すぶっちぎりの優勝を果たした。

 3位の早稲田大は、21世紀に入ってからの優勝は2011年の1回のみ。一方で、シード権が取れなかったのは6回。駅伝は、本番で毎年優れた選手10人がみな力を発揮するとは限らない。長距離走で好記録を持っていても脱水症状を起こしてペースダウンしたり棄権したりすることがある。その点、早稲田大の戦力は毎年、安定している。4~5年に一度、高校記録保持者など突出した選手が現れ、チームを上位に導くことがある。2008、2009年は2年連続2位だったが、このときの立役者が竹澤健介だった。竹澤は2008年、北京オリンピックの5000メートル、10000メートル代表となっている。

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小林哲夫

小林哲夫

1995年より『大学ランキング』の編集者。『筑駒の研究』(河出新書)、『学校制服とは何か その歴史と思想』 (朝日新書)、『女子学生はどう闘ってきたのか』(サイゾー)、『旧制第一中学の面目』(NHK出版新書)、『東大合格高校盛衰史』(光文社新書)、『早慶MARCH大激変 「大学序列」の最前線』(朝日新書)など、教育・社会問題についての著書多数。

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