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合成麻薬MDMAを所持したとして、警視庁組織犯罪対策部第5課に麻薬取締法違反の疑いで逮捕された女優・沢尻エリカ容疑者。収録が進んでいた来年1月放送予定のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」は撮り直しの方針と報じられている。薬物の摘発や依存症治療の現場を取材したことがある、お笑い芸人のカンニング竹山さんは「現実を見せるために、あえて放送する方法もあると思う」と主張する。
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まだ捜査中だからわからないことがたくさんあるけど、普通に考えれば葉っぱ(大麻)をやっていて、仲間にもらってMDMAを使ったとか、そういう流れなんだと思う。MDMAってマジックマッシュルームと同じように、その昔はどういうものかわからず、法律で規制されていない時期もありました。元素記号がちゃんとある覚醒剤とは違って、ちゃんぽんした酒みたいに何が入っているかわからない。依存性を高めるために何か入れられているかもしれないし、命を落とすこともある。
田代まさし容疑者の5度目の逮捕について、先週のコラムで言ったことと同じなんですが、もちろん普通に生きていたら薬物なんか使う必要ないし、法治国家だから罰を受けないといけない。でも、依存しちゃっているなら、どうやって治していくかを考えないといけないわけです。でも、それがわからない人がまだまだいっぱいいるなと感じます。
特に僕らより上の世代は「覚せい剤やめますか? それとも人間やめますか?」って教えられてきたから、その先のことがイメージできないわけです。「やったほうが悪い」「なんでそんなのやるの?」、悪いことをしたから刑務所に入れろ、社会から排除しろ……で、終わってしまう。
でもそれだと、原発ゴミみたいに溜まっていく一方でしょ。そういう人たちを税金で一生面倒みるわけにはいかないんだから、どうにか社会に戻さなきゃいけない。ようは昔の教育は「ゴミにしちゃえ」だったけど、今は“ゴミ”として社会から消すだけじゃダメなんです。