うつ病を克服し、偏差値29から東大に合格。ベストセラー『偏差値29から東大に合格した私の超独学勉強法』の著者・杉山奈津子さんが、今や5歳児母。日々子育てに奮闘する中で見えてきた“なっちゃん流教育論”をお届けします。
この連載が本になりました。タイトルは『東大ママのラク&サボでも「できる子」になる育児法』です。杉山さん自身が心理カウンセラーとして学んできた学術的根拠も交えつつ語る「私の育児論」を、ぜひご覧ください。
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私は、子どもの頃からあまり体力がありませんでした。
今までは、「まあ、それでもいいか」で済ませてきましたが、息子の体重が重くなっていくにつれ、抱っこをするたびに腰に違和感を覚えるようになり……ついに自分の虚弱さに向き合わなくてはいけない時期がきてしまったのです。
■少しのトレーニングをするかしないかで、人間は変化する
10キロのお米を2袋持ちながら日々階段を上がったりドアを開け閉めしたりしているようなものですから、ダメージが蓄積されないわけがありません。そこで、毎晩、寝る前に軽く腹筋と背筋のトレーニングをしてみたのです。
すると、トレーニングを始めて1週間くらいから、子どもを抱き上げた後に出てくる腰痛が、スッとなくなりました。たった1週間で痛みがなくなるのなら、もっと早くからやっておけばよかったと後悔したほどです。
人間は、ほんの少しトレーニングするかしないかで、かなり変化するようです。そしてそれは、肉体だけではなく、脳も同じとのこと。
育児において、自分を制御することはかなり頻繁に使うスキルです。我慢しすぎてイライラがセーブできなくなり、大したイタズラをしたわけではないのに子どもを怒鳴る、手を出してしまうなどの衝動的な行動をとってしまい、その後、「私はダメな親だ」と後悔した経験がある人も多いと思います。
なかには、こうした衝動と後悔を何度も何度も繰り返して困っている人もいるのではないでしょうか。その状態を放置して日常になってしまうと、虐待につながりかねません。
ただ、そういう人たちは、頭で「こうしよう」と考える前に勝手に動いてしまう習慣が身についてしまっているだけで、実は、少しトレーニングすれば直せるものなのだそうです。
アメリカのノースウェスタン大学で、すぐに怒鳴ってしまう癖がある人を対象に行われた実験があります。2週間の間、Aグループは「利き手ではないほうの手を使う」、Bグル―プは「丁寧な言葉をつかう」、Cグループは対照実験として「普段どおり過ごす」ように指示をされました。