10番・SO田村優(撮影/写真部・東川哲也)
10番・SO田村優(撮影/写真部・東川哲也)
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記念撮影に応じる日本代表の選手たち(撮影/写真部・東川哲也)
記念撮影に応じる日本代表の選手たち(撮影/写真部・東川哲也)

 ラグビーワールドカップ2019で史上初のベスト8以上を目指すプールAの日本(世界ランク9位)は、28日に静岡県の小笠山総合運動公園エコパスタジアムでアイルランド(同2位)と対戦、後半18分にウイング福岡堅樹(パナソニックワイルドナイツ)のトライで逆転し、19-12で今大会の優勝候補を下した。

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 スタンドオフ田村優(キヤノンイーグルス)は1コンバージョン、4ペナルティーゴール(PG)を決めて14得点。日本は2連勝(勝ち点9)でプールAの首位に立ち、各プール2位までの計8チームが進む決勝トーナメント進出に大きく前進した。また、この日の勝利で日本は過去最高位の世界ランク8位に上昇することになった。

 日本が4年前大会の南アフリカ戦に続いて、ワールドカップでティア1と呼ばれる世界上位10チームの一角を破る大金星を挙げた。アイルランドは大会開幕時点では世界ランク1位で、今大会の優勝候補の一つ。大会初戦だった22日のスコットランド戦では、ボーナス点の対象となる4トライを挙げる一方で相手にはトライを許さず、27−3で快勝していた。

 前半、アイルランドが先行した。13分、20分とバックスが続けざまに2トライを挙げる。一方、日本は田村が17分、33分、さらに前半終了間際にもPGを決めて、9-12と僅差に迫って折り返した。

 この試合、日本は防御で主導権をたぐり寄せた。速い出足で相手選手のプレー選択の幅を狭める。さらにボールを持った相手に2人がかりでタックルする「ダブルタックル」で、確実に相手を倒して前に進む勢いを止めるとともに、ボールにも働きかけることで、アイルランドに攻撃のリズムを作らせなかった。

 チームの総タックル数は176で、アイルランドの171を上回る。成功率は93%で、こちらもアイルランド(90%)を上回った。

 攻撃の記録を見ると、ボール保持率や地域獲得率はほぼ互角。ボールキャリーの回数は日本157対してアイルランド133、ボールを持って前進した総距離は日本が503メートル、アイルランドは318メートルと、日本の方がボールを持って攻撃している場面が多かったことを示している。

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「信念を貫いた」勝利