「ケチャップが とんだ」「さようならの おじぎで ランドセルの なかみが ぜんぶ でた」……。4月に発売された『大ピンチずかん3』でも身近にある大ピンチの数々を紹介。大ヒット中の「大ピンチずかん」シリーズの生みの親、絵本作家・鈴木のりたけさんにお話を聞きました。小中学生向けのニュース誌「ジュニアエラ2025年6月号」(朝日新聞出版)から紹介します。
【写真】大ピンチレベル“79”のピンチはこちら(『大ピンチずかん3』から)『大ピンチずかん3』の新たな見どころは?
――誰にでも起こりうる身近なピンチの瞬間を切り取った「大ピンチずかん」シリーズ。3作目の見どころを教えてください。
『大ピンチずかん3』で新たに見てほしいところは三つあります。一つ目は、これまで通り、「大ピンチ」をレベルの小さい順に紹介しつつ、1作目の「なりやすさ」、2作目の「大ピンチグラフ」に代わって、3作目は「うっかりメーター」が大ピンチの分析の新機軸となっている点です。
「うっかりメーター」の特徴は、自分のうっかり度合いによって、大ピンチが引き出されたかというもの。「うっかりメーター」を判断基準にしながら、次はどれぐらい気をつければピンチを切り抜けられるか、考えることができます。

二つ目は、「大ピンチちょうさ」を二つほど入れたことです。ひとつは「わりばしが うまく われない」のページです。わりばしがうまく割れない割合を、わりばしを100本割って調べています。実際に僕が調査したのですが、調査中は、すごく気持ちが盛り上がって面白かったうえに、どんな条件のものがうまく割れないのかという発見も。「大ピンチちょうさ」を通して、どうしてそうなるのかを考えてみたり、実験してみたりして、新しい発見をするといった楽しみ方を紹介しています。
三つ目は、学校生活ならではの大ピンチも集めたことです。いままでの大ピンチのネタは、僕が自分の子どもを見てメモしたことや、公園や学校を訪れたときに見聞きしたことなどがもとになっています。『大ピンチずかん3』では、それに加えて、ある小学校の図書室の司書さんからもらったネタを取り入れています。「うちの学校の大ピンチを集計しました」と児童たちの大ピンチをまとめて送ってくれたんです。
次のページへページごとに大ピンチをじっくり検証