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42歳での電撃結婚。そして伝説の高齢出産から2年。母として、女優として、ますますパワーアップした水野美紀さんの連載「子育て女優の繁忙記『続・余力ゼロで生きてます』」。今回はAbemaTVで放送されたドラマ「奪い愛、夏」の舞台裏をお届けする。背中の筋を痛めながら走り抜けた水野さんの夏とは?
【このドラマの面白さはチビには伝わらない? イラストはこちら】
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「奪い愛、夏」の撮影が終わって、少しのんびりしている。
後半にいけばいくほど、クライマックスに次ぐクライマックスで、暴れても暴れても、まだ暴れるシーンがやってくる。
オフィスで暴れ、海で暴れ、畑で暴れ、屋上で暴れ。
とにかく暴れた2019年夏。
背中の筋を痛めたりしながら走り抜けた。
鈴木おさむさんはAbemaTV用に今回のオリジナル脚本を書き上げた。そこには、ネットドラマだからこその仕掛けと計算が盛り込まれている。
ターゲットである視聴者の気持ちを読んで、一番楽しんでもらう方法を仕掛けているのだ。
地上波で観るドラマと大きく違うのはCMを挟まずに一気に観るという部分や、リアルタイムでコメントを付けたり読んだりしながら「みんなで楽しむ」という感覚で観られるところなどがあると思う。
常々、放送作家や、作家という職業の方々は、時代の風を読むことに長けた人だという特性があると思うのだが、そんなおさむさんがネットドラマというツールを把握し、今のニーズを肌で感じ取りながら勢いよく書き上げた脚本。それは、いわゆる「普通」の脚本の前提をどんどん裏切って、シーンシーンで起きる「現象」を楽しむ事に特化した、見た事もない脚本だ。
むちゃくちゃ展開が早い。
人物相関図はとってもシンプル。
主要キャストほぼ全員「愛」に狂っている。
ビックリマークがたくさん並ぶ。
面白い、という言葉ってすごくざっくりとしていて、笑いの面白さ、ホラーの面白さ、ドラマの面白さ、心揺さぶるありとあらゆるものを統括しているので分かりにくいよなと思うのだけれど、この「奪い愛」シリーズの面白さって、例えるならば、葬式でお坊さんの頭にハエがとまる系というか。