ただし、前述のようにぼく個人は添加物入りの日本のビールも美味しいと思う。アルコールを添加した本醸造酒にも美味しいものがあるように。 

 ビールには下面発酵ビールと上面発酵ビールがある。

 日本でよく見られるピルスナータイプのビールは下面発酵だ。ちなみに、日本でよく聞くラガービールとは下面発酵で作られるビールの総称だ。ラガー(Lager)はドイツ語だが、もとは「貯蔵」という意味だ。ドイツのバイエルン地方で作ったビールが洞窟の中で「貯蔵して」造ったことから来ているようだ。

 ピルスナーとほぼ同義語である。ちなみに、ピルスナーはチェコのピルゼン地方原産のものを指す呼称だったのがこの名称のもとになっている。

 この下面発酵の理解を高めたのはデンマークの微生物学者、エミル・クリスチャン・ハンセン(1842-1909)だ。

 ハンセンはデンマークの有名なビール会社、カールスバーグで働いており、そのビール酵母をSaccharomyces carlsbergensisと名付けた。そのまんまのネーミングだ。ただし、この菌は現在、S. pastorianusと呼ばれている。

 まあ、パスツール関係ないんだけど。この菌の命名はマックス・リースというドイツ人が行なったが、パスツールの栄誉をたたえてこのような命名となったという。また、パンやワインを作るS. cerevisiaeは軽いので発酵中液面上に浮かぶ。だから「上面発酵ビール」となる。エールなどの濃いビールはこの上面発酵ビールだ。

■ウイスキーとバーボン、ラム酒は原料が違う

 ビール同様、大麦(麦芽)などの穀物を材料としたのがウイスキーだ。スコッチウイスキーやアイリッシュウイスキーは大麦を、バーボンはトウモロコシを材料として蒸留する。カナディアンウイスキーはライ麦やトウモロコシが原料だ。

 ウイスキーは日本でも造られており、その質が高いことで評価が高まっている。NHKの朝のドラマ「マッサン」でも紹介されて有名になった(ぼくは見ていないけど)。

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