チーズは牛、羊、ヤギなどの動物の乳を原料とする。厳密には発酵なしで凝乳酵素(レンネット)を使って直接作るものもチーズと呼ばれるのでチーズ=発酵食品とは限らないが、基本的にはチーズは発酵食品といってよいだろう。ワインも多様だが、チーズも多様だ。日本ではチーズプロフェッショナル協会というところが、チーズを以下の7種類に分類しているそうだ。
1.フレッシュ
2.セミハード
3.ハード
4.白カビ
5.青カビ
6.シェーブル
7.ウォッシュ
加熱したチーズはプロセスチーズ、それ以外の全てはナチュラルチーズというのだった。プロセスチーズは微生物を殺してしまっているため熟成は進まないが、そのかわり保存がきく。
ナチュラルチーズは1のフレッシュチーズとそうでない熟成チーズ(2~7)にわけられる。フレッシュチーズは発酵時間が短い。モッツァレラやカッテージ、クリームチーズなどがここに入る。熟成チーズで、乳酸菌のみを用いた発酵を行うものは2と3のセミハード、ハードチーズに分類される。乳酸菌と白カビを使えば4(カマンベールなど)、乳酸菌と青カビを使えば5だ(ロックフォールやゴルゴンゾーラなど)。
シェーブルはヤギの乳を使ったチーズ(バランセなど)。ウォッシュは表皮を塩水やアルコール飲料で洗ったものだ(リバロなど)。
ここでいう「乳酸菌」とはもちろん、乳酸を作る一連の微生物の総称だ。チーズ作りの場合、Leuconostoc、Lactococcus、Lactobacillusといった複数の「乳酸菌」を単独で、あるいは複数ブレンドさせて発酵させるようだ。菌の組み合わせによってチーズの味や香りも変わってくるのだという。乳酸菌は乳内のブドウ糖を乳酸にする。その乳酸はチーズのpHを下げて雑菌の増殖を防ぎ、乳たんぱくや乳脂肪分を分解したり、乳の凝固を促進させたりする。
pHの下がったチーズを固形物にするのはキモシンのような酵素である。酵素は動物由来のもの(レンネット)、植物由来のもの、微生物由来のもの、遺伝子工学的に作成したものといろんな種類がある。なお、ハードチーズは加熱したもので、セミハードは非加熱である。「硬さの違い」ではない。不思議ですね。ハードで有名なのがチェダーチーズ、セミハードで有名なのは、ゴーダチーズだ。