禁断の果実の味を知ってしまったチビは、それから興奮して、パピコ片手に部屋をトコトコと歩き回った。

 1センチほどチビがパピコを舐めたところで、夫はパピコを取り上げて、今度はすかさずうどんを差し出す!

 お皿に乗ったうどんを掴んで、チビは自分で食べる!

 冷たいパピコで喉の痛みも抑えられたのか、ここからチビは勢いづいて、モリモリうどんを食べたそうだ。

 すごい。

 我が夫ながら、さすがとしか言いようがない。

 パピコというチョイスからの、そのパピコを呼び水にしてうどんに繋げるとは。

 そこから食欲も戻り、熱を出してから3日目、チビは元気に保育園に登園することができた。

 そして元気になっていくチビに反比例して、私と夫はウイルスにやられて弱っていった。

 でも、自分の風邪なんかよりも、チビが元気になってくれることの嬉しさで気持ちが晴れる。

 チビを保育園に送り出してから、

「今度は自分のウイルスをまたチビにうつしちゃ大変だ」

 と病院に駆け込む。

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いつの間にか、私も夫も…