この記事の写真をすべて見る
MXテレビ「5時に夢中!」という番組内で、作家の岩井志麻子さんからもたびたびネタにされているが、あちらが「日本一のエロババア」の異名をとるのに対し、私は「21世紀処女」。まことに不名誉な称号である。「世紀をまたいで性器をまたがず」がキャッチコピー。はい、文字通り、トウチャンとは東西南北どこから見ても立派な「セックスレスカップル」デシタよ。最初のうち(2002、3年くらい)は、ただのジョークとしてみなさん笑ってくださっていたのだが、21世紀で干支がぐるりと一周したあたりから洒落にならなくなり、こちらも今更やりましたともいえず(実際やってないし)、時は流れ、もはや、やり方すら覚えてないレベルに至った。
「あんなにテレビで下ネタバンバン言ってるのに、嘘だよね?」と疑問も頂くが、違うんです。むしろ現役時代のほうが恥ずかしくて人前、ましてや公共の電波を通じて「ち●ぽ」なんて口にするキャラではなかったのだが、いまや、局から「チンベル」なるものを貸し出されるくらいにその使用頻度は高まっている。そう、もはや「ち●ぽ」は私の中で、想像上の産物、くらいの立ち位置になった。だからこそ、まるでいきものの名前を呼ぶくらいの気持ちで軽々と発声できるのだ。
とはいえ、トウチャンとは肉体的接触は普通のカップルより多かったくらい、毎朝毎晩のキス&ハグ、四六時中くっついていたし、外出時にも手をつないだり、肩を抱いたり、まさに「欧米か!」と突っ込まれるくらいのチャーミーグリーンぶりだったのだ。
トウチャンはよく「わしはプロのインポやから……本因坊(ほんいんぼう)って呼んでくれ」が口癖だった。あるとき、それを躁病のときの北杜夫さんに話したら、ご自宅に呼び出され、「ペコ、これでご主人様に刺激を与えてあげなさい」と100円ショップで買った化粧用のハケをプレゼントされたのだが、残念ながらくすぐったがるばかりで効果はなかった。トウチャンに同情した野坂昭如氏からは外国の怪しい精力剤を渡されたり……。
担当の大作家にまで我々のどうでもいいセックスレス問題でご心配をおかけして、この結果だ。