安倍晋三元首相銃撃事件をきっかけに、自民党と旧統一教会の関係が取りざたされている。 議員は関連団体のイベントに出席するなどしてきた。しかし、関係を問われると口の重い議員が少なくない。AERA 2022年8月8日号の記事から紹介する。
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銃撃で殺害された安倍晋三元首相の実弟・岸信夫防衛相が7月26日の記者会見で、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と自身の関係について淡々と明かした。
「旧統一教会の方と付き合いもあるし、選挙の際にも手伝ってもらっている」
「支援者を多く集めることは必要なこと」
岸氏の祖父・岸信介元首相以来とされる、自民党と旧統一教会の長い付き合い。つぼや印鑑などを高額で買わせる「霊感商法」が社会問題となった旧統一教会を長年取材してきた前参院議員でジャーナリストの有田芳生さんも、こう指摘する。
「自民党と旧統一教会はズブズブです。特に、岸(信介)さん、(安倍元首相の父で元外相の)安倍晋太郎さん、晋三さんの流れをくむ清和会(安倍派)の議員が親しい関係を築いています」
実際、朝日新聞によると、安倍氏の元首相秘書官だった井上義行参院議員は旧統一教会の「賛同会員」。清和会前会長の細田博之衆院議長は関連団体のイベントであいさつをする動画が報じられ、本誌の取材に「答えは差し控える」(事務所)とするにとどまった。
■元首相もメッセージを
昨年は安倍元首相が関連団体にビデオメッセージを送り、これが山上徹也容疑者=殺人容疑で送検=の動機に関係していると見られる。山上容疑者の母親は旧統一教会信者で、1億円以上の献金で家庭が崩壊したとされる。
また、自民党の青山繁晴参院議員(無派閥)は自身のブログで、ある派閥の長が「各業界団体の票だけでは足りない議員については、(旧)統一教会が認めてくれれば、その票を割り振ることがある」と話したと記している。