具体的には、音楽・美術教室や運動クラブ、ブロック、工作などの習い事を子どもの興味に合わせて選択してあげると効果的だという。また、「英語の早期教育」も有効だと福原さんは語る。

「正しい日本語を学ぶ前の英語教育はダメ、という人もいますが違います。思考の軸とコミュニケーションは分けて考えるべきです。日本で育てば、思考は自然と日本語になる。それとは別に、幼少期から日本語以外のコミュニケーション言語を体験することは、その後の脳の認知機能向上に寄与することが証明されています」

 今後はより増えるであろう海外からの留学生に「子どもの遊び相手」として格安でバイトしてもらえば、高い英会話教室に通わせなくても済むという。

 また、幼少期には100年人生を生き抜く上での土台となる「体づくり」も重要になる。『ライフ・シフト』でも「活力資産」として肉体的、精神的健康を維持することがいかに大切かが書かれている。

「習い事で、技術だけでなく柔軟性やメンタリティーの強さを身につけてほしいと思っている親御さんは多い。例えば、水泳や武道などは、技術や体力強化だけでなく精神力や根気、礼儀作法も学べます。小さい子どもへの『健康投資』はより進むと思われます」(第一生命経済研究所主席研究員の宮木由貴子さん)

(編集部・作田裕史)

AERA 2018年4月2日号より抜粋