ハンディがあっても走れる! 視覚障がい者と伴走者の研修会 (2/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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ハンディがあっても走れる! 視覚障がい者と伴走者の研修会

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柳川悠二AERA
研修会の実技講習。視覚障がい者と伴走者の信頼関係が重要。2人をつなぐロープは“きづな”と呼ぶ (撮影/石野明子)

研修会の実技講習。視覚障がい者と伴走者の信頼関係が重要。2人をつなぐロープは“きづな”と呼ぶ (撮影/石野明子)

競技者と伴走者は一本のロープでつながる (撮影/石野明子)

競技者と伴走者は一本のロープでつながる (撮影/石野明子)

●手の動きもシンクロ

 1泊2日の研修会では、まず座学で伴走理論や、トレーニング方法などを学ぶ。その後、外へ出て実技講習に。白杖を持った視覚障がい者への介助の仕方など、基本的な実技指導から始まり、次に具体的なランニング指導に移っていった。

 視覚障がい者と伴走者によるランニングの基本は、まさに二人三脚だ。ふたりは一本のロープでつながり、内側の足、外側の足をそれぞれ一緒に踏み出していき、手の動きもシンクロさせていく。伴走者はランニングをしながら言葉を切らさないように心がけ、前方にある段差や障害物などをランナーに伝える。

 平松礼子さん(58)は、伴走者歴約1年のランナーだ。昨年の研修会で前出の高澤さんと出会い、今年は一緒に参加した。

「伴走者として視覚障がい者の方のサポートができないかと考えていた時に、点字の仕事をしている友人にこの研修会のことを聞きました。毎月第1日曜日朝9時半から、日本盲人マラソン協会が代々木公園で開催している練習会にも参加しています」

 東京や大阪などの大都市には、伴走経験のあるランナーも多い。しかし、地方都市に暮らすランナーは、伴走者を探すだけでもひと苦労だ。

●広告会社担当者も参加

 北陸の石川県から初参加した寺本重和さん(66)は、視覚障がい者をサポートするための同好会を立ち上げたばかり。

「石川で暮らす盲人ランナーは個人のつながりだけで伴走者を探している状況です。そういった方々を組織的にサポートできないか、探っています」

 静岡県内の中学校に勤務する村松祐輔さんも初参加。

「僕はランニングの経験も少ないし、フルマラソンを走ったこともないんですけど、それでも大丈夫だと協会の方にお聞きして参加しました。ずっとボランティアの活動をしてきて、次はランニングで何か人の支援ができないかと考えていたところ、この研修会のことを知りました」

 4年後の東京パラリンピックに関わる広告会社担当者なども参加していた。

 8年前の北京大会以降、NHKは回を追うごとにパラリンピックを大きく報道し、障がい者スポーツに対する国民の期待も高まっている。しかし、盲人マラソンは世界的に競技人口が少なく、東京パラリンピックでの開催も危ぶまれている状況だ。

 まずは国内の関心を集め、競技者および伴走者を増やすことが、東京での開催につながっていく。そのためにも研修会のような草の根運動は重要である。(ノンフィクションライター・柳川悠二)

AERA 2016年10月17日増大号


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