16年春に出場した秀岳館(本)の九鬼隆平(現ソフトバンク)も好選手。強肩、強打の大型捕手で、チームを春夏連続4強へとけん引した。

【内野手部門】
<一塁手>智弁学園(奈良)の岡本和真(現巨人)。高校通算73本塁打を記録した、平成を代表する長距離砲。14年春の初戦・三重戦ではバックスクリーンへの特大アーチを含む1試合2本塁打を放ち、規格外の能力を見せつけた。チームの上位進出はかなわなかったが、U18アジア野球選手権大会の日本代表に選ばれた。

<二塁手>常葉菊川(静岡)の町田友潤。07年春優勝、08年夏準優勝に貢献。軽快な身のこなし、グラブさばきでファインプレーを連発。守備で観衆を魅了した。高校野球ファンからは「甲子園史上最高の二塁手」「消えた天才」などとたたえられ、今も語り継がれる“知る人ぞ知る”名選手。

<遊撃手>大阪桐蔭の根尾昂(現中日)。17年春、18年春、18年夏に全国制覇。遊撃手だけでなく投手、外野手もこなすユーティリティープレーヤー。甲子園でも登板し、17、18年春に2年連続で胴上げ投手を経験した。岐阜県飛騨市出身で、スキーは中学2年の時に全国中学校大会の回転で優勝するほどの腕前。

<三塁手>明豊(大分)の今宮健太(現ソフトバンク)。野球選手としては小柄だが身体能力がずば抜けて高く、才能あふれるプレーで攻守に活躍。2年生の08年春はエースナンバー1を背負いながら1番打者として初出場。09年春は背番号5となり3番打者・三塁手兼投手として出場。2回戦で菊池雄星を擁する花巻東に敗退した。ちなみにその夏、再戦となった準々決勝・花巻東戦の九回に150キロ超の直球を連発してピンチをしのいだシーンは、今宮の潜在能力が覚醒した“伝説の10球”として広く知られている。

 このほか、05年春に2本塁打を放って愛工大名電(愛知)の初優勝に貢献した堂上直倫(現中日)や、快足ぶりを発揮して07年春に熊本工が4強入りする原動力となった藤村大介(元巨人)なども好選手として記憶に新しい。

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