昨季、クライマックスシリーズでも活躍した巨人の丸佳浩(C)朝日新聞社
昨季、クライマックスシリーズでも活躍した巨人の丸佳浩(C)朝日新聞社

 開幕9連戦を終えて6勝2敗1分で首位快走とリーグ2連覇に向けて好スタートを切った巨人だが、心配なのは打撃不振の丸佳浩だ。9試合で打率1割4分3厘、0本塁打。調子が上がらず、6月26、28日のヤクルト戦(神宮)では定位置の3番から坂本勇人と入れ替わって2番に入った。

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 丸は広島で2017、18年とリーグ最優秀選手(MVP)に輝き、巨人にフリーエージェント(FA)移籍した1年目の昨季も全試合出場で打率2割9分2厘、27本塁打、89打点をマークして5年ぶりのリーグ優勝に大きく貢献した。

 実はシーズン中の好不調の波が激しいことで知られる。巨人担当記者は、

「まだシーズンは始まったばかり。丸の様子を見ても明るいし、これからどんどん調子を上げていくでしょう」

 と問題がないことを強調するが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大でシーズンが120試合と例年より試合数が少なく、6連戦の過密日程が続く。1試合の勝敗がペナントレースの行方を大きく左右するので、個々の選手のスランプが長引けば復調を待っていられない。他球団を見渡しても中日・平田良介が打撃不振のため開幕5試合目で早くもスタメン落ちしている。丸も決して安泰というわけではないのだ。

 丸とは対照的に他の外野手は好調ぶりが目立つ。16年12月に巨人にFA移籍した後、不本意な成績が続いていた陽岱鋼が打率3割4分8厘、1本塁打と状態の良さをアピール。重信慎之介も開幕からスタメン出場はないが、代打で出場した26日のヤクルト戦では守護神・石山泰稚のスライダーを右翼席に運ぶ値千金の逆転2ランで一気に評価を上げた。

 スポーツ紙デスクは、こう分析する。

「丸をスタメンから外すのはよっぽどのこと。ただ、開幕6試合目から4試合連続途中交代をしています。5月中旬に右足親指を痛めた影響もあって慎重を期しているのかもしれないが、巨人は選手層が厚い。不調が長引くようだと一度スタメンを外してリフレッシュさせる可能性もあると思います」

 もちろん、丸の復調なしでリーグ2連覇は望めない。28日のヤクルト戦では、左腕・山田大樹から二回2死満塁の好機で右前にはじき返す2点適時打を放った。このまま上昇気流に乗れるか。(梅宮昌宗)

※週刊朝日オンライン限定記事