聴衆の若者から色紙にサインを求められると、得意の一句を詠んだ。

<春清し心のさざなみいかにすらむ>

 一方、大坂12区から去った安倍首相は、本誌の既報通り、大阪・なんばグランド花月(NGK)で行われた吉本新喜劇の公演に飛び入り出演した。
 
 現職首相が吉本新喜劇に出演するのはもちろん初めてで、座長のすっちー、ベテランの池乃めだからと一緒に安倍首相が舞台に立つと、場内はザワめいた。

 「安倍晋三です」と自己紹介すると、「ホンモノですか」と突っ込まれた安倍首相は「ほんまにホンモノ」と笑いを取ったという。

「沖縄3区で負け、大阪12区も落すと、間違いなく党内政局がぼっ発する。安倍首相とともに麻生副総理や甘利選対委員長も一緒に大阪に入ったことでもその危機感がわかる。“令和”解散で衆参ダブル選挙もあるかもしれない」(前出自民党の国会議員)

 籠池劇場から吉本新喜劇と話題作りに余念がない安倍首相だが、この難局を乗り切れるのか。(今西憲之)

※週刊朝日オンライン限定記事

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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