「こんなはずじゃなかった」と怒る患者も… 乳がん手術後の乳房再建の現状 (2/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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「こんなはずじゃなかった」と怒る患者も… 乳がん手術後の乳房再建の現状

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伊波達也週刊朝日#ヘルス
ブレストサージャリークリニック院長・岩平佳子医師(本人提供)

ブレストサージャリークリニック院長・岩平佳子医師(本人提供)

乳房再建術(週刊朝日ムック『乳がんと診断されました』から)

乳房再建術(週刊朝日ムック『乳がんと診断されました』から)

 保険適用後からインプラントによる再建術を実施している病院では、乳腺外科医、形成外科医の考え方、双方の協力体制など、乳房再建術に対しての温度差があり、施設間の技術格差もあるようだ。

「自家組織再建は難しく、人工乳房再建は平易と思われがちなのですが、むしろ既製品しかないインプラントを患者さん個々の胸に合わせて入れるのは自由度が制限される分、難しいのです」(岩平医師)

 現在、シリコンインプラントは205種類あるが、米国製ということもあり日本の女性の胸に合うものを選ぶのが難しいケースが多々ある。乳輪や乳頭を残す場合には、さらに難度が上がるという。岩平医師のもとへは、他院で受けた手術の整容性に不満を持って訪れる患者が多く、その修正手術に追われている。

「“こんなはずじゃなかった”と怒りを持って訪れる患者さんも多いです。“インプラントはこんなものですよ”とインプラントのせいにする医師もいるようですが、そんなことはありません。ご自分でおかしいと思ったら諦めずに質問をして、担当医から納得のいく説明や答えを得られなかったらセカンドオピニオンを取るなど対応されるべきです」

 再建がうまくいって満足している人の体験談を聞いたり、患者会に問い合わせたり、自分で情報を集めることも大切だと岩平医師は話す。起こりうる合併症や日常のセルフケアについての説明をきちんとしてくれ、長期間フォローをしてくれる医師を選ぶことも大切だ。

「人工乳房の耐用年数は10年と言われていますが、これも個人差があります。インプラントを取り換えるかどうかは、定期的に1年に1度、見てもらって決めるべきです。いずれインプラントを覆う被膜が縮まる被膜拘縮が進んでインプラントが変形してしまうと、取り換える時期が来たということ。しっかり観察してもらってください」

■再建手術の前に決断を要する

 乳腺外科医と形成外科医のディスカッションの場として、「日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会」がある。岩平医師も同学会の理事を務めていた。


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