■夫の不倫に嫉妬も こじらせ妻の執念

 夫の不倫で悩む妻たちは、生活費を補えない金銭的な事情から離婚を踏みとどまる事例が多いようだが、嫉妬から生じる腹いせで、「絶対に離婚はしない」と、こじらせてしまう妻もいる。

 湯川洋子さん(仮名・49歳)は、子供たちが大学や高校に進学して、ほっとひと息ついたところだった。在宅ワーカーとして働きだしたときに、夫が中学の同窓会の幹事を務めた女性と、数年前から不倫をしていることが発覚した。

「同窓会の打ち合わせと言っては帰宅が遅くなったり、土日も出かけたり。おかしいなと思ってスマホをのぞいたら、私たちの結婚式に出席したあの女とのツーショット写真を見つけたんです」

 相手はバツイチのキャリアウーマン。湯川さん夫婦の結婚式に夫の同窓生の一人として出席した当時は専業主婦だった。その後、離婚し、音楽関係の会社に就職すると出世街道を歩み、夫と同窓会で再会すると、やがて男女の関係になったという。

「夫はあっさりと不倫を認めました。家を私名義にして渡すから、子供たちが成人したら別れてくれ、と。でも私は絶対に離婚しません。仕事をすることをあきらめて、家庭のため、子供のために頑張ってきたんです。それなのに、やりたい仕事をしながら自由に不倫する女と夫が再婚するなんて、許せない。これまでの自分の人生を否定されているようなものです」

 別れない理由は、嫉妬だけではない。家族の思い出を離婚という形で失いたくないからだ。

■家系を守る結婚 不倫で埋め合わせ

 退屈な人生に彩りを与えたいがために、不倫を続ける裕福な妻にも、絶対に離婚しない理由がある。

 小泉加奈子さん(仮名・48歳)は、年収が5千万円を下らない外資系役員の夫を持つセレブ妻だ。大学生の息子は海外留学中。ヨーロッパブランドと豪華な宝飾品を身につける小泉さんは、暇を持て余している。それを解消しようと開催しているのが、不倫目的の合コンだ。

 東京都港区にある隠れ家レストランや都内の一流ホテルの個室には、大人の情事を楽しむ男女が集まる。小泉さんは独身と偽るが、不倫相手がいるときは、友人に紹介する男性をチョイスする。合コンが終わるとホテルに直行という流れだ。

「スポーツクラブや高級飲食店で不倫願望のある男女は、一目でわかりますから、お誘いします」

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