写真はイメージです
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股関節が原因で起きる症状 (週刊朝日2018年11月9日号から)
股関節が原因で起きる症状 (週刊朝日2018年11月9日号から)

 股関節と首・腰の手術を検討する際、その病院を選ぶことは難しいといわれる。いずれも専門性が高いため、手術実績のある病院を選ぶことが重要だ。現役医師にどれくらい実績数があれば安心か、ほかにどんな情報を確認すればいいのか聞いた。

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「最近、靴下がはきにくい」「足のつめが切りにくい」「片方の足だけあぐらがかきにくい」などの症状に心当たりはないだろうか。その原因は「股関節」にあるかもしれない。痛みの場所が、太ももの外側、おしり、腰などの場合も、股関節が原因の可能性がある。

 神奈川県在住の山根良子さん(仮名・65歳)は、足のつけ根の痛みと歩きにくさを感じ、座間総合病院人工関節・リウマチセンターを受診した。最初は「歩くときになんとなく痛い」程度だったが、介護職についており、仕事で動いているときに痛むようになり、勤務時間が長くなるとつらく感じることが増えた。休日は友人とハイキングや旅行によく出かけたが、近年は、長く歩くと痛むため、周りに迷惑をかけたくないと遠慮することが増えたという。

 同センター長の近藤宰司医師は、問診や触診、X線検査などにより、痛みの原因を「股関節の変形が進んでいるため」と診断。「どうしてこんなところが痛いのだろう、歩きにくいのだろう」と疑問に感じていた山根さんは、そこで初めて股関節が悪いことに気づいた。

 股関節は、左右の足のつけ根にあり、骨盤と大腿骨(太ももの骨)をつないでいる。ひざや足の関節とともに体重を支えており、歩行時には体重の約4倍もの負荷がかかるといわれる。そのため、関節は加齢とともにすり減っていき、そのせいで足が開きにくくなったり、炎症が起こって痛みが生じたりするようになる。このような病気を「変形性股関節症」という。ひざの関節でも同様に起き、それは「変形性膝関節症」という。

 変形性股関節症は、股関節の痛みの原因として最も多い病気で、とくに中高年の女性に多い傾向がある。症状の訴えは人により異なり、山根さんのように、受診して初めて股関節の病気とわかる人も多い。

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