本来のしょうゆは大豆と小麦と食塩を原料とし、長期間発酵熟成をさせる。安部さんはしょうゆを選ぶ場合、「混合醸造」と表示された商品は避け、「本醸造」の表示を薦める。農水省によると、流通している約85%は本醸造だという。

 育ちざかりの子どもが日常的に即席麺を食べることにも警鐘を鳴らす。かつて「体に良くないから」と母親から即席麺を没収された子どもが、耐え切れずに万引きに走ったケースがあったという。添加物の摂取だけでなく、添加物が招くこうした依存性の高さも問題になると、安部さんは指摘する。

 即席麺に含まれる塩分量も無視できない。「通常の即席麺は海水と同じ塩分濃度で、1食あたり6~10グラム入っています」(同)

 さらに気になるのは油だろう。安部さんに教えてもらい、油こってりの即席麺のゆで汁を別容器に移し、冷蔵庫に入れる実験をした。即席麺は常温で固形の油で揚げているため、20度以下で元の塊に戻る。たしかにすぐに液体の表面と容器の底に油の塊がついた。食器用洗剤で洗ってもなかなかべたつきが落ちなかった。この油の塊を「おいしい」と言って飲み干していたのかと思うとぞっとする。

 とはいえ、もはや国民食の代表と言って譲らない人たちもいる。どうしても食べたいときはどうすればいいのだろう。

「麺をゆでた湯を捨てる。そうすると油の7割ぐらいはカットできます」(同)

『40代から食べるなら、どっち!?』(サンクチュアリ出版)の著者で、科学ジャーナリストの渡辺雄二さんは、危険な添加物の中でも、着色料の「タール色素」、発色剤の「亜硝酸ナトリウム」、「イマザリル」や「TBZ」などの防カビ剤にとくに注意が必要だと話す。防カビ剤は輸入かんきつ類に利用されることがある。ガムや微糖の缶コーヒー飲料などに含まれる合成甘味料「アセスルファムK」や「スクラロース」も要注意だという。

「高齢者らが肥満や高血糖の予防として、良かれと思って飲んでいる合成甘味料入りのドリンクが、脳卒中や認知症を起こしやすくするという研究データがある」(渡辺さん)

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