スーパーや売店に行けば、それらを含む食品は普通に棚に並んでいる。アセスルファムKの入っていないガムを探すほうが難しいかもしれない。記者がいつもかんでいるガムの表示を見ると、やはり入っている。砂糖控えめ(合成甘味料入り)の缶コーヒーを毎日飲んでいるオジサマは体に気を使っているのだろうが、肝臓や免疫などにダメージを与えている可能性もあると聞けば、ゾッとするかもしれない。そもそも砂糖の約200~600倍の甘みを疑っていいのかもしれない。

 オジサマの悩みといえば「痛風」だが、その原因とされるプリン体よりも添加物のほうが問題だと渡辺さんは言う。「アルコールを大量に飲みすぎるのはよくないが、プリン体はうまみ成分であり、プリン体が入っていないビールには添加物が入っていて、そちらのほうが危険です」(同)

 食品のプリン体のほとんどが腸管内で分解されるという研究発表もあるといい、乳酸菌とともに摂取すれば血中尿酸値の上昇を抑制する効果も指摘されている。

 今や多くの人が認識する「加工肉と結腸・直腸がんのリスクの関連性」は、「ハムやベーコンなどに添加される発色剤の亜硝酸ナトリウムが、原料の豚肉に含まれるアミンという物質と化学反応を起こし、ニトロソアミン類という発がん性のある物質に変化するのが原因」(同)だという。ハムやウィンナーソーセージには、リン酸塩が添加されているものもある。「リン酸塩を摂りすぎると、カルシウムの吸収が悪くなり骨がもろくなる心配がある」(同)

 もし加工肉が食べたいのならば、「無塩せき」と表示されている発色剤無添加のものを選ぶのが良いと、渡辺さんは話す。

 このほか、めんたいこやたらこ、塩辛、練りウニも、食べすぎてしまうと胃がんになりやすいという研究データがある。

「練りウニには着色のためにタール色素が使われている。現在国内では、12品目のタール色素が添加物として使用を認められているが、いずれも動物実験やその化学構造から発がん性の疑いがもたれている」(同)

 いずれも食卓によく並ぶものばかりだが「たまに食べる分にはそれほど問題ない」(同)。

 また、市販の納豆パックについているタレやカラシには添加物が入っているという。タレなどがついていないタイプを購入して、無添加のしょうゆを使えば安心できる。(本誌・大崎百紀)

週刊朝日 2018年2月16日号