双極性障害のうつに効果が期待される新薬が登場(※写真はイメージ)
双極性障害のうつに効果が期待される新薬が登場(※写真はイメージ)

 躁とうつを繰り返す双極性障害(躁うつ病)は治療が困難とされてきた。その理由の一つは、うつのときに抗うつ薬を飲んでも満足に効かないことだ。しかし、今年10月、双極性障害のうつに効果が期待される新薬が登場した。

 双極性障害は、以前から「躁うつ病」という病名で知られていたが、最近では二つの極を揺れ動くという意味でこう呼ばれている。躁状態が顕著で激しい双極I型障害(I型)と軽躁状態しかない双極II型障害(II型)に分類される。一生のうちに罹患する割合はI型、II型合わせて1%弱とみられ、大きな男女差はない。

 原因はいまなお不明だが、理化学研究所の加藤忠史医師らは、2006年に脳の活動に必要なエネルギーをつくりだすミトコンドリアの機能障害と関連する可能性があると報告した。こうした遺伝的要因にストレス、生活リズムの乱れなどが加わると発症しやすくなると考えられている。加藤医師はいう。

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