薬の作用に身体をならすため、50ミリグラムから服用を開始し、2日以上間隔をあけて150ミリグラム、300ミリグラムと増量していく。主な副作用には血糖値の上昇があり、糖尿病患者には慎重に投与する。また、眠気の副作用があるため就寝前に服用し、車の運転は避ける。

 双極性障害の薬物療法の基本は、リチウム、ラモトリギンなどの気分安定薬を服用し、気分が大きく変動するのを抑えて再発を防ぐことにある。ビプレッソも、気分安定薬を服用したうえでうつ症状が改善しない場合の選択肢となる。

 NTT東日本関東病院の秋山剛医師は、「双極性障害は再発予防のための治療法が確立しつつあり、症状のコントロールや普通の社会生活を送ること、復職(リワーク)は十分に可能です」という。そのためには、社会リズム療法(SRT)の考えかたに基づき、活動記録表に毎日の起床時間、食事時間、服薬時間、活動内容と時間帯、その時々の気分、就寝時間などを記録することが大切だ。

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