「B判定は、体が傷みかけているというサイン。健康なときは少しぐらい無理しても体は持ちこたえられますが、不摂生が続いたり、加齢などの影響が加わったりすると、無理がきかなくなり、体が正常な状態に戻る力が失われてきます。そのターニングポイントにあたるのが、B判定なんです」(津下さん)

 その時点でメンテナンス(生活習慣の改善)を始めれば、年をとっても元気でいられる可能性が高まる。特定健診ではB判定の人でも事後指導を受けたり、結果説明会に参加したりすることが可能だ。

■生かし方(6)健診の直前対策は×。いつもどおりも×

 健診を受ける人の中には、事前に飲酒量や食事量を減らしたり、運動を始めたりと、“直前対策”をする人もいるだろう。

「気持ちはわかりますが、健診は合格発表の場ではなく、あくまでもモニタリング。むしろ通常の生活のなかで受けるべきでしょう。何より、血糖をみるヘモグロビンA1cは1~2カ月間の数字なので、付け焼き刃的なことをしても結果に結びつきません」(同)

 検査時間前の10時間以上は食事、飲酒をしない、それ以前も食事や飲酒は控え気味にする、当日の朝食は抜くという基本ルールは守りたい。

「守らないと本来は問題がなくても、とくに血糖や中性脂肪などで検査結果が異常値になりやすい。水分補給については、検査当日の朝、200ミリリットルほど水を飲みましょう。血液がちょうどよい状態となり、正しい結果が出やすくなります」(前出・渡辺さん)

■生かし方(7)持病があっても健診は受けるべき

 高血圧や糖尿病など持病の治療で検査を受けているから健診は不要。そう思っていないだろうか。

「治療と健康管理とは、目的がまったく異なります。治療のときの検査は、持病についての検査か、副作用が出ていないかを調べるのが主な目的です。トータルで健康状態をチェックするには、健診を受けることが大事です」(津下さん)

週刊朝日2017年4月21日号より抜粋