痛風は“遺伝子変異”で発症リスク10倍にも (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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痛風は“遺伝子変異”で発症リスク10倍にも

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週刊朝日#健康
暴飲暴食は禁物(※イメージ)

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「風が吹くだけで痛い」と表現される痛風の患者数は100万人近くいるといわれる。最近、遺伝子変異との関わりを踏まえた上での予防治療もおこなわれている。

 埼玉県在住の会社員、斉藤学さん(仮名・46歳)は体重86キロ。肥満度を示す体格指数(BMI)は、標準値22を上回る29だった。

 知人の紹介で所沢市の「わかさクリニック」を受診。同クリニックに非常勤で勤務する防衛医科大学校分子生体制御学講座の松尾洋孝医師が担当した。当時の斉藤さんについて話す。

「尿酸値は9.1mg/dlで、今後、痛風発作を起こすリスクが高い痛風予備軍の状態でした。医師によっては薬物治療の検討をするかもしれませんが、私はまず、ある遺伝子の変異を調べる『ABCG2遺伝子多型解析』を受けてもらいました」

 松尾医師は東京薬科大学や東京大学の研究者らとともに、遺伝子と痛風の関係を研究している。男性705人の痛風患者を調べたところ、4人に3人の割合で尿酸の排泄にかかわる「ABCG2」という遺伝子に特定の変異があることを突き止めていた。

 さらに、遺伝子変異にはさまざまなタイプがあり、そのうち「Q126X」が尿酸を排泄する機能をほぼゼロに、「Q141K」が半分に下げることも明らかにした。これらの遺伝子変異があると、尿酸が正常に排泄されなくなる。

 この遺伝子は、父と母から一つずつ受け継がれる。どれくらい尿酸排泄機能が落ちるかは、「Q126X=尿酸排泄機能がゼロ」「Q141K=尿酸排泄機能の働きが半分」「変異なし=尿酸排泄機能がフルで働く」の組み合わせで決まる。たとえば「変異なし」と「変異なし」の組み合わせでは尿酸排泄機能は100%。一方、「Q126X」と「Q141K」との組み合わせでは、尿酸排泄機能は25%になる。尿酸排泄機能は、100%、75%、50%、25%の4段階に分かれることになる。

 尿酸排泄機能が低いほど痛風発症リスクは高くなる。Q126XとQ141Kの遺伝子変異を一つずつ持っている人は、遺伝子変異がない人に比べ、痛風発症リスクは10倍にもなる。Q126Xを一つだけ持っていれば5倍、Q141Kを一つだけ持っていれば3倍だ。


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