第1211回 うっとりするようなフォルムに心底ぞっこん
娘が結婚して夫婦2人だけの生活になった今、私の癒やしのもとは柴犬の「てつ」(写真、雄、8歳)である。 わが家の犬としては2代目で、先代の四国犬の「しんご」が天に召されてから半年もすると、あのフワフワの温かい頭をナデナデしたくてたまらなくなった。 トイプードルなどの小型犬がいいなあと思っていたのだが、娘がどうしても柴犬と言うので、また日本犬を飼うことになった。 先代のしんごは、母犬のそばにずっといたのを生後2カ月でもらった。そのため、夜になるとクーンクーンと鳴き、1週間ほど寝不足に悩まされた。 一方てつは、ペットショップで購入したため、母犬から離されて何日かたっていたのか、1日目から夜鳴きしなかった。お利口といえばお利口だけれど、ちょっと切ない気もした。 てつは甘噛みがひどくて子育てならぬ子犬育てに悩んだりもしたが、成長した今では、噂にたがわぬ柴犬の賢さに感心させられる。 柴犬って、本当に頭がいいと思う。無駄吠えしないし、人間の言葉もよく理解する。茶色と白のツートンカラーの具合といい、愛らしいクリクリした黒い目といい、人気があるのもうなずける。 ただ、シャンプーが嫌いなのと、思ったより抜け毛が多くて換毛期は大変だ。 甘えてベタベタしてこないのでちょっと物足りなく思うこともあるけれど、見ているだけでうっとりするようなそのフォルムに、私は心の底からぞっこん。可愛くて可愛くてたまらない。 散歩に行くとき、私の前をヒョコヒョコと歩く姿を見ていると、“相棒”という言葉が浮かんでくる。いつの間にか8年もたったけれど、これから先も元気で、少しでも長くそばにいてほしいと思っている。
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