AERA with Kids+ Woman MONEY aerauniversity NyAERA Books TRAVEL
検索結果3501件中 1621 1640 件を表示中

「4歳児に滑り台を逆走させるママ友が許せない」母親 公園のマナーを息子にどう教えるべき?
「4歳児に滑り台を逆走させるママ友が許せない」母親 公園のマナーを息子にどう教えるべき? 山口謠司先生 ※写真はイメージです(写真/GettyImages)  NHK大河ドラマ「青天を衝け」の主役である実業家・渋沢栄一が信奉していたことで、いまふたたび「論語」が注目されている。論語は、2500年前の思想家・孔子の教えをまとめた書物で、生き方の指針となる言葉の宝庫だ。「仁(=思いやり)」を理想の道徳とし、企業経営だけでなく、迷える現代の子育てにも役立つ言葉がたくさんちりばめられている。現代の親の悩みに対する処方箋として、「論語パパ」こと中国文献学者の山口謠司先生が、孔子の格言を選んで答える本連載。今回は、「4歳児に滑り台を逆走させるママ友が許せない」という母親へアドバイスを送る。*  *  *【相談者:4歳の息子を持つ30代の母親】 幼稚園年中の息子を持つ30代の母親です。公園でのマナーを守れないママ友にいら立ちます。彼女とは、子ども同士が同じクラスで同じグループ、降園後も一緒に遊ぶ仲です。そのママ友は、自分の子どもに滑り台を逆走させ、「いかにはやく駆け上がれるか」タイムを計って楽しそうにしています。「ほかに使っている子がいない時は構わない」というのが彼女の言い分なのですが、私はその行為を内心許せません。 私はこれまで、息子に「滑り台は滑るもの。逆走すると靴の底で滑る面を汚してしまうし、滑ってくる子とぶつかると危ないよ」と厳しく教え聞かせ、逆走したがっても我慢させてきました。たとえ誰もいない時でも守るべきルールだと思うのです。他人の教育方針に口を挟むべきではないと思いますが、彼女に対して黒い気持ちを抱えています。「お母さん、〇〇くん(ママ友の息子)は滑り台を上っているよ。ぼくもやりたいな」と言う息子。母親としてどうふるまえばいいでしょうか。【論語パパが選んだ言葉は?】・「已(や)んぬるかな。吾(わ)れ未だ能(よ)く其の過ちを見て、而(しか)も内に自ら訟(せ)むる者を見ざるなり」(公冶長第五)・「子、大廟(たいびょう)に入(い)りて、事ごとに問う。或るひと曰(い)わく、孰(たれ)か、鄒人(すうひと)の子(こ)を、礼を知ると謂(い)うや。大廟に入りて、事ごとに問う。子之(こ)れを聞きて曰わく、是(こ)れ礼なり」(八イツ第三) 【現代語訳】・「ああ、もうどうしようもない。自分でよく自分自身の悪いところを見て、内省する人を見たことがない」・「孔子が魯の君主・周公旦を祭る神社に入られた時、祭祀の次第について、いちいちそばの者にたずねたうえで行動した。それを見てある人が言った。『誰があの鄒の町の役人の子(孔子)を、礼に達した人などとほめるのだろう。あんなふうに事ごとに質問するとは、あの男はまるで何も知らないようじゃないか』。孔子はこれを伝え聞いておっしゃった。『それこそが礼なのだ』」【解説】 お答えします。 お母様の「いら立ち」、よく分かります。「ほかに使っている子がいないから」などという理由で、自分の子どもに滑り台を逆走させタイムを計って楽しむなんて!「子どもは自分たちのアイデアで自由に遊具を使うものだ」という考え方もあるかもしれませんが、親が付き添って公園へいくような幼年期は、ケガをしてからでは遅いので、公共のマナー(=礼儀)を徹底的に教えるべきだと私は思います。 そして、「礼儀をわきまえない人」に対して、いら立ちや憤りを感じたのは、孔子も同じです。「已んぬるかな、吾れ未だ能く其の過ちを見て、而も内に自ら訟むる者を見ざるなり(ああ、もうどうしようもない。自分でよく自分自身の悪いところを見て、内省する人を見たことがない)」(公冶長第五)と言っています。「訟」とは「自責」を意味します。 礼儀を知らない人が増えていると、私を含め、多くの人が感じています。電車でもエレベーターでも入り口で立ち止まって、後から乗る人降りる人の邪魔をする。道の真ん中を横に広がって歩いて、車が来てもよけようともしない。分別もしないでゴミを出す……など、言いはじめたらきりがありません。いら立ちを感じながら孔子のように「やんぬるかな」と言って、諦めるしかないのかなぁと思ってしまうのです。 ただ、同時に、振り返って、自分自身、もしかして孔子の「内に自ら訟むる者」であるかどうか、とも考えます。つまり、自分も人に迷惑を掛けるような行いをしていないかどうか。  もしも、人に迷惑を掛けるような行為を知らないうちにやっているとすれば、それはやはり、反省してそういうことをしないようにしないといけないと思います。  たとえば、それは「国」というレベルでも同じことが言えます。  日本は、石炭に依存する発電で、先進諸国のうち、二酸化炭素排出量が多い国だと何度も指摘されてきました。環境汚染大国です。世界各国から繰り返しそうした汚名を着せられているにもかかわらず、それを無視してこれまでと同じことを続けていたらどうでしょう。 「パリ協定」など、全世界で取り組まなければならない環境問題などに後れを取ってしまうと、国の尊厳が傷つくのみならず経済も立ちゆかなくなってしまうのです。  そう考えると、自分の普段の行いを自省すると同時に、人に聞いてみるということも大切なのではないかと思います。  孔子は、自分が正しいと思っていることでも、「これはどうすればいいでしょうか」と人に聞いています。とくに大きな決断をしないといけない時には、必ず周りの人に聞いたのでした。 「子、大廟に入りて、事ごとに問う」(八イツ第三)と、『論語』には記されています。  これに対して、孔子の急激な出世をそねむ人間であったと思われる「或るひと」は、孔子をバカにします。 「或るひと曰わく、孰か、鄒人の子を、礼を知ると謂うや(いったい誰があの鄒人の子を礼に達した人だと褒めるのか、あの男はまるで何も知らないようじゃないか)」  孔子の名前を口にするのをはばかって「鄒人の子」と呼んでいるのですが、事ごとに質問をする孔子を、揶揄するのです。  しかし、孔子は、この言葉を聞いて「是れ礼なり(それこそが礼なのだ)」と言います。  自分が行おうとすることが、正しいのか間違っているのか、それを人にたずねることこそが礼儀をわきまえることだと言うのです。   話を環境問題に戻しますと、環境国際会議が開かれるのは、こうしてそれぞれの国が力を合わせて社会をよりよいものにするためです。国家間の協調と明るい未来への模索は、つまるところ、一人ひとりの行動と無関係ではありません。 「滑り台の逆走」が我々の守るべき社会の規範に反するものなら、それは誰かが注意しなければならないことなのだと思います。お母様は「滑り台逆走はいけないこと」とママ友とその息子さんにも注意するべきだと思いますが、言えないのであれば、市町村の管理事務所を訪ねて、その是非を取り上げてもらうこともできるでしょう。そして、公園で楽しく遊ぶためのルールをみんなで決めてはいかがでしょうか。 社会は変わりつつあります。 これまでの日本社会は、「見て見ぬふりをする」あるいは「言わないこと」を美徳とするところがありましたが、是非を明確にする時代になったのです。孔子のように、分からないことはもちろん、分かっていることもあえて確かめるために、「尋ねる」ということはとても大切なことだと思います。子育て中の「細かいこと」も、みんなでルールを決めて、それを守ることが求められているのです。【まとめ】自分の普段の行いを自省すると同時に、人に「尋ねる」姿勢こそが、本当の「礼儀」。細かいことであっても、社会の規範に反するものがあれば、誰かが注意すべきだ山口謠司(やまぐち・ようじ)/中国文献学者。大東文化大学教授。1963年、長崎県生まれ。同大学大学院、英ケンブリッジ大学東洋学部共同研究員などを経て、現職。NHK番組「チコちゃんに叱られる!」やラジオ番組での簡潔かつユーモラスな解説が人気を集める。2017年、著書『日本語を作った男 上田万年とその時代』で第29回和辻哲郎文化賞受賞。著書や監修に『ステップアップ  0歳音読』(さくら舎)『眠れなくなるほど面白い 図解論語』(日本文芸社)など多数。母親向けの論語講座も。フランス人の妻と、大学生の息子の3人家族。
マッチョな肉体と童心のギャップ萌え?BTS、東方神起を超えた意外なK-POPグループ【人気ランキング】 
マッチョな肉体と童心のギャップ萌え?BTS、東方神起を超えた意外なK-POPグループ【人気ランキング】  BTSのメンバー(Getty Imags)  一過性のブームを超えて、定着した日本におけるK-POP人気。ニュースサイトAERAdot.では、好きなK-POPの男性グループに関するアンケートをインターネット上で実施。幅広い世代から計1万3243件の回答が寄せられた。一番好きな男性グループとして選ばれたのは一体どのグループだったのか。ランキング形式で発表! *    *  *  アンケートはインターネット上で、4月5日~4月20日の16日間で実施。好きな男性グループ、次世代で注目のグループ、歌がうまいと思う人、ダンスがうまいと思う人などを理由とともにたずねた。回答者の年齢は、40代3746件(28.3%)、50代3309件(25%)、30代2113件(16%)、20代1825件(13.8%)だった。98.7%を女性が占めた。   まずは、好きな男性グループの結果から。回答数でランキングにした。早速10位から順にファンの声とともに発表していこう。 ■    10位 SUPER JUNIOR 278票 SUPER JUNIOR(GettyImags)  韓国の大手芸能事務所SMエンターテイメント所属のグループ。エンターテイメント精神にあふれたステージで魅了している。ヒット曲も多く、例えば“出世曲”の「SORRY,SORRY」は中毒性のあるメロディとコミカルなダンスで、歌番組やサバイバル番組でよく他のグループにもカバーされている。 「バラエティ色もあり、メンバーが集まった時の絡みとトークがひときわ面白いグループ。そして若いアイドルたちに顔負けしないビジュアル」(20代女性) 「ヒット曲を出しても表彰では大賞に選ばれずに涙を流したり……。メンバーもファンも辛い思いをしてきました。そんな経験からファンが一団となって彼らのブレイクにつなげました。メンバーもよく理解しているのでファンに対する想いが強いです」(20代女性) 「コロナ禍で来日できませんがSNSなどで常にファンとコミュニケーションをとってくれるのでファンが離れるよりも、ファンをどんどん増やす魅力がある」(40代女性) ■    9位 BTS 301票 BTS(GettyImags)  もはや説明不要の世界的なボーイズグループ。2018年には国連総会でスピーチするなど、その活躍と影響力はエンタメ業界にとどまらない。スピーチで世界中の若者に"What is your name? Speak Yourself"と語りかけたことに象徴されるように、メッセージ性の強い曲も多く、歌詞や世界観に共感するファンも多い。 「悔しい思いを抱えて傷ついてきたからこそ紡ぎだせる彼らの曲に惹かれた。弱小事務所ですぐに消えると言われたのに、世界のBTSと呼ばれるようになった。奇跡だと思う」(60代女性) 「彼らがファンに伝えるLove yourselfのメッセージで、どれだけ救われたか知れません。7人それぞれの個性と人間としての魅力に、惹かれまくってしまいます。愛すべきグループです」(50代女性) 「努力家でトップアーティストになっても謙虚な姿が素晴らしいです。パフォーマンスは見事にそろっているし、ハードなダンスもキレがある。歌も音程を外さず安定した歌声です」(20代女性) ■    8位 TREASURE 453票  BIGBANGやBLACKPINKが輩出したYGエンターテイメント所属。音楽性を重視する事務所らしく、ダンスだけでなく、ボーカルの実力も群雄割拠の若手グループの中でも群を抜いている。4人の日本人メンバーにも注目。 「メンバー12人のうち4人が日本人で親近感を抱きやすいです。普段の騒がしい姿とステージ上でのかっこいい姿とのギャップが心に刺さります。メンバーが個性豊かで、私服が全身真っ赤な子やマフラーを頭に巻く子……話し方がマシュマロの子もいます(笑)」(19歳以下女性) 「厳しいオーディションを勝ち抜いてきた精鋭たち。若いながらも、しっかりとした歌唱力と高いパフォーマンス力をメンバー全員が持っている。曲も自分たちで作って発信するスキルも持っています」(30代女性) 「メインボーカルのバン・イェダムとパク・ジョンウを筆頭に実力派揃い。ダンスも12人全員の群舞が美しい。舞台裏でもいつも楽しそうに練習などに取り組んでいて、応援していて楽しいグループです」(30代女性) ■    7位 EXO 575票 EXO(GettyImags)  SMエンターテイメント所属。歌、ダンス、ビジュアルすべてそろっており、海外での人気も高く、2018年の平昌冬季オリンピック閉幕式で披露した圧巻のパフォーマンスが記憶に残っている人も多いだろう。メンバーのD.O.は、俳優としても活動。 「他には無い『未知の世界から来た新たなスター』をコンセプトに各メンバーに超能力が設定されており、MVやライブでその超能力を活かした演出があるところが見どころ。そして、何よりファンへの愛が死ぬほど重い」(20代女性) 「D.O.は歌声も演技も素晴らしい。ベッキョン(ベクヒョン)はアイドルの天才、チェンはアイドルグループと思えない程の歌唱力、カイは踊る芸術…。一人ひとりが魅力的な個性に溢れ、メンバーの仲が良く愛に溢れるグループです」(50代女性) 「ドラマ『100日の郎君様』から俳優ド・ギョンスを知り、EXO沼にハマりました。メンバーの歌声、ダンス、仲が良くてワチャワチャ感がたまらなく好き」(40代女性) ■    6位 ENHYPEN 803票 ENHYPEN(GettyImags)  BTSが所属する大手芸能事務所BigHitエンターテイメントと音楽専門チェンネルを運営するCJ ENMが共同で企画した、オーディション番組『I-LAND』を勝ち抜いた7人がデビューした。番組は日韓同時放映されたため、デビュー前から日本でもファンを獲得。レベルの高いパフォーマンスでファン層を拡大している。 「『I-LAND』の番組からのファンです。メンバー7人の息のあったパフォーマンス力は圧巻。これからブレイク間違いなしのK-POP第4世代のルーキーグループです」(40代女性) 「デビューして間もないですが、BTSの弟分でもあり、ダンスに歌にとても上手で今年大活躍すると思います!」(30代女性) 「オーディションが始まった時から目が離せない。少年から成長していく姿がめざましく、母性本能をくすぐるグループ」(40代女性) ■    5位 Stray Kids 831票 StrayKids(GettyImags)  NiziUの生みの親、J.Y. Park(パク・ジニョン)率いるJYPエンターテイメント所属。事務所の先輩の「TWICE」の弟分のような存在だ。セルフプロデュースのグループで、メンバーの個性を生かした楽曲やステージも魅力の一つ。 「リーダーであるバンチャンがメンバーを選ぶところから始まるセルフプロデュースによるグループ。音楽は主にプロデュースラインである3RACHAが製作に関わっていています」(19歳以下女性) 「何よりも供給の神。インスタはほぼ毎日更新され、セルカの大量発生でデータ容量が足りなくなる。いつも『ステイ~』(ファン名)と叫んでくれて、寂しくなく、推していてよかったと思わせてくれる最高のグループです!」(80歳上女性) 「『Stray Kids everywhere all around the world』という彼らのシグネチャーワードは、世界中に迷える人がいても、その悩みや辛さを抱える人たち全てにStray Kidsは寄り添い共に歩むという意味が込められている」(20代女性) ■    4位 NCT(127、DREAMなどすべて含む) 1028票 NCT127(GettyImags)  SMエンターテイメント所属。計23人のメンバーは派生ユニットがいくつかあり、構成が複雑だが、どのメンバーもSMらしい高いビジュアルと歌とダンスのスキルを併せ持つ。そのためMVの完成度の高さは秀逸。多国籍で、日本人メンバーも2人。中国をはじめとするアジア、欧米圏でもファンを獲得している。 「23人がレベルの高いパフォーマンスを一心同体となって披露している姿や、言語の壁を超えて楽しく過ごしている姿を見ると、『世界平和ってこういうことなのかな』と感じる。それぞれのグループの良さと垣根を越えたユニットがあることも贅沢であり最高です」(19歳以下女性) 「SMが世界中駆けずり回って集めたというだけあって、美男子しかいない脅威のグループ。新たな組み合わせのユニットを見られるところも、他のグループにはない強み。なんでもありのグループゆえ、何が出てくるか全くわからないところが飽きない」(30代女性) 「メンバーのユウタは日本人男性タレントの中でインスタフォロワー数第一位を誇る。新メンバーのショウタロウも注目度ダントツです」(20代女性) ■    3位 SHINee 1495票 SHINee(GettyImags)  東京ドームを埋めた実績を持つ人気と実力を併せ持つグループ。2017年12月にメンバーのジョンヒョンが急逝するという不幸なできごとがあったが、メンバー同士の結束が固く、ファンとの絆を大切にするグループとして知られる。最年少のテミン以外のメンバーの兵役を終えて、2月に2年半ぶりに「完全体」でカムバックした。 「他のK-POPとは違うカラー。以前よく聴いていた80~90年代洋楽のテイストを感じた。全く違う個性のメンバーがグループでまとまった時のシナジー効果。パフォーマンスの格好良さ、トークの時のわちゃわちゃした可愛さとのギャップ萌え(笑)」(50代女性) 「ベテランの域に入っているのに、フレッシュな雰囲気。あざとさが無い。パフォーマンスと語学の向上に計り知れない努力を注いでいる。悲しい出来事があったけど、よりファンとの絆が強まり、彼らからファンは離れないと思う」(50代女性) 「ライブでの全力のパフォーマンスから生まれる没入感は他の何にも変えられません。SHINeeはメンバー全員が日本語の勉強や歌詞の発音に力を入れていて、常に日本のファンと直接コミュニケーションを取ろうとしてくれて感動します」(20代女性) ■    2位 東方神起 2732票 東方神起(GettyImags)  今日までのK-POPブームをけん引してきた存在。兵役で一時活動休止しても、活動再開までファンは離れなかった。歌とダンスのレベルが高いはもちろんのこと、ステージ構成やそれを成し遂げる能力もすばらしく、「ファンでなくても一度はライブをみてほしい。損はさせません」(50代女性)という声が多い。 「まさにステージキング。ユンホのパフォーマンスは、指の先まで美しくしなやかで、チャンミンのハイトーンボイスは神の域です。トップを走り続けていながらも、謙虚さを忘れないファン思いの2人は、私たちの誇りです」(50代女性) 「デビューから18年。ずっと進化し続ける2人。大人の魅力たっぷりな東方神起のこれからが楽しみで仕方ないです」(50代女性) 「色んな新人が出てきて浮気しても、結局ここに戻ってくるという絶対的存在感」(40代女性) ■    1位 2PM 3018票 2PM(Getty Imags)  1位に輝いたのは、JYP所属の別名「野獣アイドル」。ステージ映えする鍛えた体のパワフルなパフォーマンスが魅力だが、会場の盛り上げ方も抜群にうまい。最近はメンバーの俳優としての活躍も目覚ましく、Netflixのドラマ「ヴィンチェンツォ」にテギョンが出演中。ドラマを入り口に「沼」にハマるファンも多いようだ。 「高身長と鍛え上げられたマッチョな見た目とは反対の、子供のような人懐こさと愛らしさが溢れる6人組」(50代女性) 「バラエティセンスもあり、コンサートのMCは通訳無しの日本語で笑いをとります。しかもコンサートは会場ごとにトーク内容までちゃんと変えます」(30代女性) 「妻と娘のお供でライブに何度か行きました。グループが部活の仲間のようで、和気あいあいとし、歌もダンスもうまくて、とてもいいグループ。兵役でどうなるかと思ったが、これからも一緒に楽しませてもらいます」(60代男性) 「俳優組4人の活躍がよく話題になるが、寝る間も惜しんで2PMのメイン曲を細部までこだわって作る職人のような2人がいる。互いに刺激しあい、全員が作詞作曲してソロコンサートが出来るグループに成長したのが嬉しい」(60代女性) ◇  あなたの推しは何位にランクインしただろうか。最後にK-POPに詳しい“識者”にアンケート結果を分析してもらった。 『推しがいなくなっても、ぼくはずっと現場(ここ)にいる―誰も語らなかったアイドルヲタクのリアル―』などの著書がある、あくにゃん(阿久津愼太郎)さんは、次のように見ている。 「日本では、国内でK-POPが一番盛り上がっていた時からのファンの影響が大きい。韓国だったら若手グループが上位を占めたでしょう。2PMや、東方神起、SHINeeが上位に入っている理由は、ファン同士のつながりで『投票』を呼びかけやすい環境がすでに整っている点も大きいのかなと思います」  K-POPアーティストのダンスを解説するYouTubeチャンネル「ARATA DANCE SCHOOL」を運営するARATAさんも同様の意見だ。 「東方神起や2PMは、K-POPが日本で活躍する基盤を築き上げたグループ。それを見守り続けてきた安定感のあるファンが投票を通じで応援を送った結果だと思います」  1位を獲得した2PMは韓国でも再注目されているという。 「男性から見てもかっこいいを突き詰めたのが2PM。韓国でも2PMの人気がまた出てきています。アイドルは中性的な男性が多いなか、2PMは汗光る肉体を強みにしており、改めて惹かれる人が増えているようです」(ARATAさん) 1位から20位のランキング表 >>【K-POPアンケート結果(2):世界を目指すならK-POPが常識?デビュー前に渋谷109を飾る大型新人も 次世代人気ランキング】へ続く >>【K-POPアンケート結果(3):再生回数が異常!K-POPブームを引っ張る日本人メンバーのダンスとは? アンケートに1万3243件の声】へ続く (AERAdot.編集部 岩下明日香)
“昭和の親父”化して離婚切り出された妻 女性が「大黒柱」になると夫婦関係も逆転?
“昭和の親父”化して離婚切り出された妻 女性が「大黒柱」になると夫婦関係も逆転? ※写真はイメージ(gettyimages) AERA 2021年5月3日-10日合併号より 「夫が大黒柱」が大多数のニッポンの家庭。では、その立場が夫婦で逆転したらどうなる? 自らにあるステレオタイプに気づくと自由になれる。夫婦間の関係性について取り上げた、AERA 2021年5月3日-5月10日合併号の記事を紹介する。 *  *  *  男女間の賃金格差は少しずつ改善されているとはいえ、いまだ大きな隔たりがある。男性を100とした場合、女性は74.4(厚生労働省「賃金構造基本統計調査」2020年)。この現実がある以上、稼ぎ手という意味において夫が大黒柱となる家庭はまだまだマジョリティーだ。  この役割が入れ替わると何が起きるか。田房永子さんによる漫画『大黒柱妻の日常 共働きワンオペ妻が、夫と役割交替してみたら?』は、夫と妻の立場を反転させることで、社会に根強く残る不平等を浮かび上がらせる。  漫画の主人公・ふさ子は、7年間、家事育児ワンオペ生活。その立場を脱却するために生活費を自ら稼ごうと決意する。 ■罪悪感がなくなった  作品はフィクションだがベースには田房さん自身の体験がある。初めて生活費を半分負担したときの「快適さ」を田房さんはこう振り返る。 「夫が掃除をしている横でソファに座っていられるようになったんです。それまでは夫が掃除していたら、自分も立って何かしていなきゃいけないと思っていました。その罪悪感がなくなった。衝撃でした」  田房さんは同作に、夫に対して萎縮しすぎている専業主婦の人たちへのメッセージも込めたという。「養ってもらっているから」「仕事のほうが大変だから」と不満を封じ込めてしまう専業主婦を見てきたからだ。 「私自身、仕事なしのワンオペ、仕事しながらの家事育児、仕事だけの生活、どれもやりましたが『仕事だけ担当』の日は圧倒的にラク。『仕事だけしている配偶者に遠慮しすぎなくていいんだよ』と伝えたい、と思いながら描きました」(田房さん)  念願の大黒柱妻(ふさ子の定義によれば「夫より収入が多く生活費の7割以上を負担している妻」を指す)になり、仕事に邁進するふさ子。頭の中からは子どものことが消え、習い事への送迎や保護者会の出席などをすっぽかす。「名もなき家事」をすべて負担する夫から異議申し立てを受けても「別に頼んでないし」の禁句を口走りそうになってしまう。それはかつて夫から聞くたびに腹を立ててきた一言だ。「男のズルさ」だと思っていたものを“大黒柱”になったら自分も身につけ、「昭和の親父」的な振る舞いをしてしまう。  現実世界の大黒柱妻も同じ体験をしている。  愛知県在住の30代女性も大黒柱妻を自認する。結婚当初から教師の夫より医師の妻の収入が高く、家事育児はほとんど夫任せで「長時間労働にすべての体力を使い果たしてきた」。家族や友人との時間を大切にする夫と何度も衝突したが、本気で仕事の負担を変えることはしなかった。 ■内助の功は語られない 「育児、家事の第一責任者でなくなると、次第に仕事を理由に家にすぐ帰らなくなり、子どもが困っているときに相手が何とかしてくれるのではないかと待つようになりました。自分が大黒柱だから、家のことは(夫が)やってくれて当然と無意識で思い、昭和の専業主婦のような献身を夫に期待してしまったかもしれません」  ジェンダー問題として取り上げられることの多い「夫が家事育児しない問題」だが、立場で変わる問題だと気づいたと、この女性。夫から「このままなら一緒に暮らせない」と離婚を切り出されて初めて真剣に捉え、家事と育児を分担するようになったという。  一方の大黒柱妻の夫たちは、何を思っているのだろうか。  自分にとっての救世主がまさに大黒柱妻である妻だった、と語るのは都内在住の40代男性。自分は会社で出世して家族を養ういわゆる旧態依然とした“男性”らしくは生きられないだろう、と若い頃から感じていた。 「妻がいなければ、私は自死するか、引きこもりになっていたのは間違いありません」  現在は派遣社員兼フリーライターとして働き、妻との収入差は3倍以上。買い物と食事作り、掃除は主に男性が担当し、妻の帰りを待つ。その役割に適性を見いだしたと言い、バリバリ働きたい女性には「Win-Winの関係」と自負するが、大黒柱妻の夫についてもう少し世間の認知が進んでほしいという思いもある。 「妻が異例の早さで管理職に昇進したことについて、妻の社会人としての能力の高さを周りは評価しますが、私の“内助の功”について述べられることはほとんどありません」 ■コロナの影響で変化  もちろん大黒柱妻にしてもその夫にしても、望んでなった人、望んではいないがそうならざるを得なかった人、様々だ。そしてその立場は変わりうる。  メディア関連で働く50代のフリーランスの女性は大黒柱妻歴20年超。  収入の割合から自分が多めに生活費を負担するのは仕方ないと理解しているが、子どもの学費なども妻から催促しない限り夫は積極的に払おうとしない。甘えないでよと思いつつも言うに言えず、これまでは家計の話がしづらかった。 「それぞれ納得しているつもりでも、お互いの中に『男の人が払うのが“普通”だよね、でもうちは違うよね』という思いがどこかにあるのだと思います」  お金の話になると夫が機嫌を損ねたり言い争いになったりしたことも多々ある。だから夫のプライドを傷つけないように、1週間以上考えてシナリオを作ってから細心の注意を払って切り出してきた。  それが今年、コロナの影響で仕事が大幅に減り、収入が夫とイーブンになった。 「夫も気が楽だろうし、こちらもないものはないので『半分よろしく』と心置きなく家計の話ができるようになりました」  コロナだけではない。人生100年時代、大黒柱のスイッチは誰にでも起こり得る。ライフステージによって優先事項が変わったり、学び直しの時期があったり、人生のプランは多様でいい。「我が家の最適解」は、それぞれの家庭にあるのだ。(編集部・高橋有紀) ※AERA 2021年5月3日-5月10日合併号
眞子さまと小室さんのNY生活は家賃100万円、保育料60万円? 「宮内庁は就職世話しない」
眞子さまと小室さんのNY生活は家賃100万円、保育料60万円? 「宮内庁は就職世話しない」 婚約内定会見時の眞子さまと小室圭さん(c)朝日新聞社  世間の非難をよそに秋の結婚説さえささやかれる、秋篠宮家の長女、眞子さま(29)と小室圭(29)さん。小室さんが7月のNY州の司法試験に合格したあかつきには、「NY新婚生活」は実現するのか。  小室圭さんが在籍するNYのフォーダム大学ロースクールのJ.D.コースが、この5月で終わり、卒業する。受験すると見られているNY州の司法試験は、7月27、28日に迫っている。はじめての受験における合格率は、例年7割で外国人の場合は4割だ。1年目には学費全額免除の奨学金を獲得している小室さんであれば、通過する可能性が高い。  合格発表は10月。眞子さまと小室さんの誕生日月でもある。    おまけに、先の歌会始の儀で紀子さまが「実りの秋」、眞子さまが「熟るる黄色の花梨の実」など収穫の秋を連想させる和歌を披講したばかり。世論の批判とはうらはらに、秋の「強行入籍」説もいまだ根強いのだ。  NY州の司法試験に合格しても、小室さんは日本の弁護士資格がない。どのように仕事を得て生活をしてゆくのか。  国内外の司法試験や法科大学院の受験指導を行う「法学舘」の担当職員によれば、次の3つの働き方ができるという。 (1)米国の弁護士事務所就職する。 (2)日本国内で、外資系や国際案件を扱う日本企業の法務部で働く。 (3)日本で、外国法事務弁護士として登録して働く。 「日本の弁護士資格を持たない場合は、圧倒的に帰国して企業の法務部で働く、(2)のパターンが多い。海外事業に強い金融系や商社では、外国法の知識と語学力を武器に、国際法務担当として活躍できます。(3)の外国法事務弁護士でも商社やメガバンクなどの顧問をもって渉外部門を専門として活躍できます。経験なしでも、700万円程度の収入は見込めるでしょう」(法学館職員)  小室さんの留学の生活費は、パラリーガルとして勤務していた法律事務所が貸与している。  この事務所は、外国法共同事業の届け出をしている法律事務所だ。NY州の弁護士資格を持つ小室さんが、貸与分の返済を兼ねて勤務すると見られている。  だが、宮内庁OBのひとりは、こう話す。 「金銭トラブルに端を発した世論の批判が、小室さんと眞子さまにむけられている現状では、日本で暮らすのは難しい。このまま、NY州の弁護士として現地で働く方が、お二人にとって幸せではないか」  その可能性として考えられるのは、まず、小室さんが勤務していた法律事務所のNY事務所として働く方法だ。そうして法律事務所への生活費の返済を済ませたのち、(1)のように、米国人と一緒に就職活動をして、現地の弁護士事務所やNPOへなどで働くことは可能なのだろうか。  小室さんは、米国の法律専門誌『NY Business Law Journal』で、3月に発刊された最新号も含めて2回論文が掲載されている。また、NY州の弁護士会のコンペで論文が2位に選ばれるなど、実績をあげている。学生の時点では、それなりの評価が得られていそうだが、働くとなると現実はそれほど甘くはないという。  先の法学館の職員は、ハードルが上がる、と話す。 「外国人は就職先の企業に就労ビザを発行してもらう必要があり、ネイティブより不利であることは間違いない」  米雑誌の『U.S. News Law 』が今年3月に発表した法科大学院(ロースクール)のランキング表によると、小室さんが留学したフォーダム大学ロースクールは、全米で35位。昨年より8つ順位が下がった。   外資法律事務所での執務経験を持ち、米国の弁護士事情に詳しい、永田町法律事務所・代表の長谷川裕雅 弁護士がこう解説する。 「米国は日本とは比較にならないほどの学歴社会です。フォーダム大学ロースクールは、イェールやハーバード大学のように『超一流大学』という位置づけではない。新人弁護士でも報酬1000万以上、事務所の共同経営者となるパートナー弁護士ともなれば、1億円と言われる巨大事務所も存在します。しかし、日本人が同じ待遇で 入所できるかは、別の問題です」  小室さんの英語のレベルが非ネイティブとしては仮に一定程度のものであったとしても、ネイティブではない。NY州弁護士として現地で活躍する日本人もいるが、彼らがこなす主な業務は、ビザや許可書の発行などの単純な手続業務がほとんどで、日本で言えば行政書士などに近い。 「たとえば敗訴すれば、数千万から億単位の賠償請求が課せられるような裁判の担当弁護士を選ぶとします。あなたは、英語は仮に流暢だとしても外国の弁護士と、同じくらい優秀な米国人のどちらに頼みますか?訴訟業務や最前線の弁護士業務で食べている日本人は、まったくいません」  人数が多い米国の弁護士を揶揄(やゆ)した、「アメリカの弁護士は救急車を追いかける( ambulance chaser )」という言葉がある。事故や事件が起こりそうな場所に顔を出して訴訟を起こす弁護士のことだ。 「弁護士人口の多い米国で、弁護士の収入はそれこそピンキリです」(前出の法学館職員)  年収1千万円に満たない弁護士も珍しくない。日本とは比較にならない物価高のNYで、眞子さまと一緒に暮らすだけの生活はできるのか。  夫がNY州の大学教授で2年前まで現地で暮らしていた女性が、リアルな物価と生活事情を明かす。 「年収2000万円でギリギリ。1000万円では、かなり生活は苦しい。まず家賃が高い。マンハッタンで治安のマシな地域に住もうと思えば、築100年くらいの30平米のワンルームタイプのアパートメントでも、月35万円程度。元プリンセスが一緒に住むならば、最低でも警備員が24時間ついている物件でなければ危険です。すると家賃は月100万円はくだらない。夫が大学教授になったときの1年目の年収は、600万円でした。マンハッタンから車で4時間の郊外に暮らしていましたが、何せすべてが高い」  共働きであった夫妻は、赤ちゃんを保育園に預けた。だが、3歳までは午前中の預かりのみで、保育料はなんと月20万円。4歳からは午後も預けられるが、月38万円に跳ね上がる。  日本ならば、芸能人や富裕層が通わせる高級保育園の料金だ。しかし、米国では庶民が通わせる水準の保育園だという。 「毎日、冷凍した離乳食を持参しなければいけないし、オムツ代えと食事を食べさせるだけ。まさに面倒を見るだけです。幼児教育という発想はないし、園の休みも多い。高い保育園は、月60万円にもなります。しかも、ビルの一角、という園がほとんどですね」  皆保険制度の日本と違い、米国は医療費も驚くような金額だ。 「小室さんのNY生活」といった記事も出回っているが、眞子さまとの共働きでないと、実現は難しいだろう。  小室さんは宮内庁の口利きで国連などの組織に就職するのでは、といったうわさも流れているが、宮内庁で要職を経験した人物に聞くと、きっぱりと首をふった。 「眞子内親王は結婚をすれば、皇籍から外れます。元皇族とはいっても、その夫の就職について宮内庁が世話をやくことは、ないですね。あとは民間の世界と同じです。米国は日本以上に学歴とコネ社会です。親族や周囲がツテをたどって、便宜をはかることは、あるかもしれませんが」  眞子さまが皇籍から離れる際に支給される1億5千万円の一時金など、あっという間に底をつきそうだ。眞子さまと小室さんの「夢のNY生活」、自力で実現するのは、難しそうだ。(AERAdot.編集部 永井貴子)  
【Vol.06】選手、経営者、研究者 すべての経験を生かしスポーツ振興と教育に尽力/小林 至教授
【PR】【Vol.06】選手、経営者、研究者 すべての経験を生かしスポーツ振興と教育に尽力/小林 至教授 球団経営の経験から 大学スポーツの振興めざす 畑山:今回は異色の経歴を持つ先生です。東京大学卒業後、プロ野球選手を経て、米国でMBAを取得。それから球団役員としてチームに貢献されたのち、桜美林大学に。今、スポーツ振興に力を注がれているそうですね。 小林:はい。日本のスポーツを産業として成長させる、というのが研究者としての大義です。中でも実務的に関わっているのは、「大学スポーツ協会(UNIVAS)」。経済産業省と文部科学省が主導して2019年に設立した団体です。日本の大学スポーツは産業としてはまだまだ開拓の余地がある。米国では1兆円以上の市場規模があり、大学によってはプロスポーツよりも稼いでいる。もっとも、稼ぐことだけが良いとは言いませんが、もう少し日本でも盛り上げられないか、と思うのです。 例えば「箱根駅伝」「東京六大学野球」などのように、一般に広く知られた大学スポーツはありますし、それ以外のスポーツも、やり方によっては、収益もあげられるし、大学のブランディングや、学生、教職員、卒業生のアイデンティティーの向上に大いに貢献できると思います。今、大学運動部の学生諸君の金銭負担は膨大です。米国では、スポーツ経費はすべて大学側が負担します。もう少し、日本はスポーツに関わる学生の役割を大切に考えて良いと思う。幸い、私は10年ほど球団経営に関わりましたので、経営の視点からアプローチし、微力ながら貢献できたらと考えています。 畑山:小林先生は、東大野球部だったのですね。勉強とスポーツの両立は、大変そうです。 小林:高校時代、野球部一筋だったのに、レギュラーになれませんでした。悔しさを晴らしたい。それには東大しかない。今、思えば不思議な発想ですが、1年間勉強し、偏差値40台から東大に合格したのです。それから「よくもあんなこと言えたなあ」と恥ずかしくなりますが、若さの持つエネルギーって無敵。「プロに行きます」って宣言してしまいまして……すると、当時のロッテオリオンズ監督・金田正一さんが「面白いじゃないか! そんなに入りたいなら、うちの球団テストを受けなさい」と。大学入試の際の成功体験があったので、どこか、「意思を明確にして行動すれば、道は拓ける」という思いを抱いていたようです。練習生を経て、プロ野球選手になる夢を叶えました。 しかし、結果が出せず3年でクビになってしまいました。25歳でした。どうしようか迷っていたところに、小澤一彦先生(桜美林大学リベラルアーツ学群教授)をご紹介頂いたんです。「小林君、留学が良いよ。君ならできる」「何が良いですかね?」「MBAが良いぞ」「MBAってバスケットボールですか?」「違う違う!」ということで(笑)、猛勉強しました。   アメリカ留学から ソフトバンクでの3軍制導入まで 畑山:憧れの米国に行くと、現実を知るじゃないですか。小林先生は米国のネガティブな一面も著作に記していますね。 小林:タイトルは今でも後悔しているんですが……『アメリカ人はバカなのか』(幻冬舎)。憧れて行ったぶん、ギャップは大きくて「日本に生まれて良かった」と思いました。例えばアメリカの医療費はべらぼうに高い。学費もしかり。若い人には早く留学して外の世界を知ってもらいたいと思います。 畑山:それから帰国後に、福岡ソフトバンクホークス取締役に就任された経緯は。 小林:2004年に球界再編が起きました。球団経営が社会問題化しまして、その過程で、球団経営に関する本を書いた際、読売新聞グループの総帥で、当時は読売巨人軍のオーナーも兼務していた渡辺恒雄さんへの独占インタビューが実現したのです。その内容を福岡ソフトバンクホークスのオーナーである孫正義さんが読んで下さって、お声がけ頂きました。大学教員と兼務して10年間、福岡に住み、球団経営に携わりました。 前半の5年はチケット拡販、スポンサー獲得、スタジアムの改修などビジネス部門を担当しました。パ・リーグの共同事業会社、パシフィックリーグマーケティング(PLM)という会社の設立にも携わりました。PLMは、わたしの後任の方々が頑張って、今や年間売上50億円規模に成長しました。後半の5年間は、王貞治会長のもとで、チーム編成の責任者を担当しました。当時、チームがやや低迷していたことから、球団組織の構造改革に取り組みました。人事や年俸のしくみにも手を付けたので、かなりの逆風にさらされましたが、球界初の3軍制を導入するなど、人材発掘と育成を通して、常に優勝を争える組織にする一助にはなったと思います。千賀滉大選手(投手)に甲斐拓也選手(捕手)など、埋もれていた逸材を発掘することができたのは、スカウトをはじめ、優秀な人材がいたからこそですが、組織の活性化はできたと思います。 授業でも教科書として使用している著書『スポーツの経済学』(PHP研究所)。世界の事例を紹介しながらスポーツビジネスの潮流を追い、今後の可能性を展望する 何事も物をいうのは総合力 果敢に踏み出せ 畑山:一つひとつのご経験が積み重なって、今の小林先生に繋がるのですね。桜美林での教育についてはどんな展望を? 小林:桜美林の良いところはリベラルアーツ教育。社会に出る時に、また、社会に出てから学生たちに求められるのは総合力です。私の講義でもそうですが、引き出しをたくさん持てる学生を育てたいと思います。私はこれまで、野球一筋の人たち、世界中から集まった秀才、経営のトップなど、多様な人が集まる集団に属してきましたが、どこでも問われるのは総合力です。引き出しと経験、判断力を身につけてほしいですね。 畑山:最後に、座右の銘を教えてください。 小林:「やってみなければわからない」。例えばプロ野球で実績十分な外国人選手を連れてきても、実際にチームに当てはめてみなきゃわからない。結局は適応力の有無が問われるんです。だから、学生にもどんどん踏み出してほしいですね。 畑山:小林先生のお話を聞くと、抜群の説得力があります。ひとの何倍も濃い人生を歩む先生から、学生たちが学ぶ点はいっぱいあると思います。   小林 至(いたる) 桜美林大学 健康福祉学群 教授 博士(スポーツ科学)、学校法人桜美林学園常務理事。1968年生まれ。神奈川県出身。ロッテオリオンズ練習生を経て92年、千葉ロッテマリーンズにドラフト8位で入団。93年退団。翌94年から7年間、アメリカに在住。その間、コロンビア大学で経営学修士号(MBA)を取得。2002年より江戸川大学助教授(06年から20年まで教授)。05年から14年まで福岡ソフトバンクホークス取締役を兼任。テンプル大学、立命館大学、サイバー大学で客員教授。スポーツ庁スタジアム・アリーナ推進官民連携協議会幹事、一般社団法人大学スポーツ協会(UNIVAS)理事。近著『スポーツの経済学』(PHP研究所)など著書、論文多数。家族は妻と2男1女 文:加賀直樹 写真:今村拓馬 桜美林大学について詳しくはこちら このページは桜美林大学が提供するAERA dot.のスポンサードコンテンツです。
「え、なぜ」と逮捕時に紀州のドン・ファン元妻 札幌出身の自称モデルの素顔
「え、なぜ」と逮捕時に紀州のドン・ファン元妻 札幌出身の自称モデルの素顔 逮捕された須藤早貴容疑者 須藤早貴容疑者が住んでいた都内のタワーマンション(撮影・岩下明日香) 「紀州のドン・ファン」と呼ばれた和歌山県田辺市の資産家、野崎幸助さん(当時77)の怪死事件で4月28日、殺人と覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕された元妻、須藤早貴(さき)容疑者(25)。和歌山県警の捜査員らが早朝、東京・品川の自宅を訪れ、逮捕状を見せた時、こう語ったという。 「え、なぜ?」  早貴容疑者はひどく狼狽したという。早貴容疑者が住んでいたのはJR山手線大崎駅と品川駅の中間にそびえ立つ40階建てのタワーマンション。1階にいるマンションのコンシェルジュはこう話す。 「朝8時から受付に立っていますが、(逮捕は)その前のことだったようです」  ワゴン車に乗せられた須藤容疑者はそのまま羽田空港に向かい、空路で和歌山県に移送された。 「逮捕後はずっとうなだれ、ガッカリしている様子だった」(捜査関係者)  早貴容疑者は北海道札幌市出身で地元の高校卒業後、ファッション専門学校に通った後、上京。都内でモデル(自称)や成人向け映画などの仕事をしていた2017年末に野崎さんと知り合ったとされる。  早貴容疑者は2018年6月に放映されたテレビのインタビューで野崎さんとの出会いについて、「友達の紹介。紹介してくれた男性の名前は知らず、電話とLINEのみしかやりとりしていない」とぶっちゃけトーク。  出会った日に野崎さんからプロポーズされ、早貴容疑者から幾つか条件をつけて承諾したと語っていた。 「(野崎さんは)ずっと結婚願望が強い人だった。はいはいと流していたが、私の『はい』に社長が『はいと言ってくれたのは、君がはじめて』『先が短いから若い女の子と一緒にいたい』と反応。月々100万円をくれる、和歌山には月に何回か行けばいい、とも言われたのでそれらを条件に結婚しました」 「結構、変わった人で元々の気性が荒いというか。私は怒られたことはないんですけど、結構怒りやすい人だった」  そして早貴容疑者は愛犬イブちゃんが5月6日に急死して以降、野崎氏が「死にたい」と頻繁に口走るようになったと説明していた。 「ペットロスでずっと泣いて、結構前からなんですけど、すぐ死にたいって言う。冗談半分だと誰も本気で捉えていなかった。イブちゃんが死んでからはそれが毎日。(野崎氏が亡くなった5月)24日の日も、いつもならイブちゃんがご飯を食べて足元にいるんですけど、『足元にいないね』って寂しがっていた。社長の席からイブちゃんのお墓が見えるんですけど、そこを見てビールを飲みながら『私も早く死にたい』と言っていた。でも、そんな気ないでしょう、といつも流していたが、本当に死んでしまったので、それもあったのかなって思ってしまう」  野崎さんの死についてはこう語っていた。 「自殺はなくはないと思う。ただ、他殺と考えるなら社長は結構、恨みを買っているので。過去に刺されたりとか金融業関係でもめたりもしていた。そして家に誰でも出入りできる。私がいない時、社長の他の女の人が何人も出入りしていて、私が東京から帰ってきた時に『今日から家政婦です』と知らない女の人がいたりとかあった」  須藤容疑者は毎月100万円のお手当をもらい、野崎さんの死後、野崎さんが経営する会社から約4千万円を受け取っていた。捜査が続く中、東京都内のタワーマンションを転々とする生活を繰り返していたとされる。  野崎氏が経営する会社の従業員がこう話す。 「やはり早貴さんが逮捕されたか。ずっと怪しいと思っていた。50歳以上、年齢が離れてもともと結婚に無理があった。社長の話といえば、女か金儲けか、戦争時代に自分はくず鉄を拾い、裸一貫からのし上がったとかの自慢話。そして安倍政権、北朝鮮問題ですね。早貴容疑者はまったくそういう話に興味がなく、和歌山に来たばかりの時は社長の前で『それググってみるね』とスマホでやっていた。社長はググるの意味がわからずポカンとしていた。そのうち、社長と一緒に複数の人がいると話が呑み込めないのでLINEでその場にいる人に『社長、何を言っているんですか』と聞くこともあった。こりゃ長く続かないと思った」  従業員によると、2018年3月に早貴容疑者の反対で結婚式が中止され、野崎さんは不信感を募らせていたという。早貴容疑者は自分の両親に結婚したことを話していなかった。 「社長自身は奥さんにぞっこんで結婚したものの、彼女の過去について何も知らなかった。だが、様々なことが耳に入るようになり、不信感を募らせていた。社長は『家の事、なんもしない。あの女はあかん』と言うようになっていました。早貴さんが逮捕されたので社長のお墓に行って線香の上げて報告したい」(前出の従業員)  3月には野崎さんに離婚を迫られていた早貴容疑者。 知人によると、近くドバイへの移住を計画していたという。ドン・ファン怪死事件の謎が解ける日は来るのか。(AERAdot.取材班)
紀州のドン・ファンの25歳元妻を逮捕 親族が激白「おむつで垂れ流しの果てに殺された」
紀州のドン・ファンの25歳元妻を逮捕 親族が激白「おむつで垂れ流しの果てに殺された」   「紀州のドン・ファン」と呼ばれた和歌山県田辺市の資産家、野崎幸助さん=当時(77)=が2018年5月、急性覚醒剤中毒で死亡した怪死事件が大きく動いた。  和歌山県警は4月28日朝、殺人と覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕した野崎さんの元妻、須藤早貴(さき)容疑者(25)の身柄を飛行機で東京から同県へ移送。これから本格的な取り調べが始まる。  南紀白浜空港には朝から報道陣が集まった。到着後、須藤容疑者は捜査員とともに捜査車両に乗り替え、捜査本部の置かれる田辺署へ入った。  資産総額、50億円のうち30億円を費やし、4000人の美女を抱いたと豪語した野崎さん。親族がこう語る。 「やっぱりあの女やった。幸助が亡くなったときもツンとして、まともにわしらに顔を合わせようともせず、横を向いていた。後ろめたいからそうするしかなかったんよ。幸助は確かに年だったが、オムツしたり、小便など垂れ流しになったのは、あの女と一緒に暮らすようになってからや。急におかしくなったように聞いている。財産目当てで少しづつ覚せい剤を盛っていたのか?幸助は放蕩もんでひどい男や。けど身内でもある。覚せい剤を飲まされて殺されるなんてかわいそすぎる。あの女とは財産のことで、争い中や。殺しておいて、よくもカネくれ、自分のものなんて言うわ。とりあえず逮捕といことでお線香上げに行きたいわ」  最大の謎とされるのは、野崎さんの遺体から検出された覚せい剤がどのような形で体内に入ったのか、という“トリック”だ。  野崎さんの死因は覚せい剤による「急性循環不全」と特定されたが、妻だった早貴容疑者は当時、どのように飲ませたのか。捜査関係者がこう明かす。 「解剖した結果、かなりの分量の覚せい剤を摂取していたことが判明した。通常、覚せい剤の中毒者が注射するのは0.5グラム程度。だが、解剖所見からおそらく数グラムを摂取していたようだ。早貴容疑者は携帯で売人らしき人物と接触したり、何度も覚せい剤と検索していた履歴が残されていた」(和歌山県警関係者)  だが、野崎さんの解剖結果から、注射痕、吸引した痕跡のようなものは見つからなかった。数グラムというかなりの分量の覚せい剤を摂取するには、口から体内に取り込むしかないという。 「胃など内臓からも覚せい剤の反応がありました。数グラムだから、鼻から取り込むのは無理。口から飲まされたのだろう。遺体の解剖から、一気に数グラムの覚せい剤を、飲んで急性的に症状がおかしくなり、死に至ったとみられる。もし少しずつ覚せい剤を飲んでいたら、肝臓などで分解され、死に至るほどの中毒症状はなかったはずだ。覚せい剤は非常に苦く、とてもそのまま口にできるものではない。野崎さんの好きなビールに入れて飲ませるようなことも無理だ」(前出の捜査関係者)  取材班が周辺を取材したところ、和歌山県警は野崎さんの親族や家政婦、従業員らに、「幸助さんがどんな食べ物が好きか、嫌いかとか、醤油をよくかけるか」など、細かく嗜好を聞いていたことがわかった。  その中で注目されるのが、野崎さんが日頃、健康のために愛飲していた栄養ドリンクの存在だ。  50歳代で脳梗塞を発症して以降、定期的に東京の有名病院で検査を受けていた野崎さんは健康のためと毎日、栄養ドリンクを飲んでいたという。 「野崎さんは高齢ですから、一気に食べたり、飲んだりしない。唯一、一気に飲むのが栄養ドリンク。味が濃い栄養ドリンクなら、一気に飲んだ可能性がある」(前出の捜査関係者)  野崎さんの前出の親族はこう話す。 「幸助の寝室の捜索は、徹底的にやっていた。小さなゴミや紙くずまで、何時間も調べていた。県警は幸助の親族に何度も覚せい剤のことを聞いていった」  早貴容疑者の逮捕で事件の全貌が明かされる日は近い。 (AERAdot.取材班)
「パパがやりたいこと」と「ママがやってほしいこと」にギャップ 産後ストレスを減らすには?
「パパがやりたいこと」と「ママがやってほしいこと」にギャップ 産後ストレスを減らすには? 夫婦でよく話してストレスをため込まないことが産後うつの防止にも大事(写真/gettyimages)  女性の12人に1人が一生に一度は 発症すると言われるうつ病。特に、出産後の女性でその割合が高くなっています。アエラムック「AERA with Baby 解決!子育ての基本の悩み」では、産後うつからどう身を守ればいいか考えました。 *  *  *  元々、うつ病になりやすいと言われる女性。その割合は実に男性の2倍というデータもあるほどです。産褥期の女性は、睡眠が授乳などでぶつ切れになるため、まとまった睡眠がとれません。睡眠不足で心が不安定になりやすい上、妊娠や出産によるホルモンの変化は、脳のストレスに耐える抵抗力を低下させてしまうため、よりうつ病を発症しやすくなるのです。  また、最近では父親のうつ病も見られるようになってきました。母親、父親ともに「良い親でなければ」という思いの強さが、時として、自分を苦しめる結果を招いてしまうのです。  うつ傾向になりだすと、何事も悪く捉えがちになります。変だな?と感じた時に、参考になるのがイギリスで作られた「エジンバラ産後うつ病質問票」です。産後うつの問題は、日本だけのものではなく、世界中に見られます。  この質問票では、直近7日間について「物事を楽しみにして待てた」や、「はっきりした理由もないのに、不安になったり、心配したりした」など、10項目の質問が並びます。答えを点数化することで、うつ症状があるかをスクリーニングすることができます。いつもよりもネガティブな発言が多くなりはじめたら、夫婦でこの質問票を使い、お互いを見つめ直してみてください。  産後うつの予防には、ストレスをため込まないことが大切です。新しい命の存在は、時に親を不自由にします。特に母親は、24時間態勢で命を守ることを続けますから、緊張の糸を緩めることが難しく、自覚のないままストレスをため込むことも。また、育児や子育てに対する悩みもつきません。しかし、「完璧な育児」などというものはありませんから、自分たちらしい子育てができるよう、夫婦でストレスをためないような工夫ができたらいいですね。 「パパが関わりたいと思うことと、ママがやってほしいことにギャップがあることが多いです」  そう話してくれたのは、パパ団体「Hiタッチ!!」の中西信介さんです。同団体で子育て中のママたちにヒアリングを実施すると、いろいろな声が聞こえてきました。「夜中に赤ちゃんが泣いていても、夫は寝ている」や、「夫は自由に飲みに行っている」など、ママたちのストレス要因となり得るコメントが集まったのです。そこで、同団体が行っている東京都立川市でのプレパパ向けの講座で「妻が産前/産後に夫にしてほしいこと、夫が産前/産後にやりたいと思うこと」について話し合いの時間を持つことにしたと言います。  ディスカッションには先輩ママやパパも参加し、産後育児のリアルな様子を伝えていきました。 「いきなり話し合ってみてくださいと言っても、夫婦二人では、お互いに変な遠慮があることもあり、うまく話せないことが多いのですが、子どもの年齢が近い家族と一緒に話すと、意外と自然にわかり合えることがあります。妻から直接言われると素直に受け止められないことも、先輩ママやパパから言われると、受け入れやすいのかなと思いました」(中西さん) 「Hiタッチ!!」のように、地域の子育て世代を対象にした講座は各地で開かれています。核家族化が進み、頼れる親族が近くにいない世帯が多い今、地域コミュニティーで子育てを支え合う動きが活発になっています。遠くの親戚よりも近くの他人。自分たちが壊れる前に、相談できる相手を探しておくことは、赤ちゃんと家族を守ることに繋がります。 (フリーランス記者・宮本さおり) ※アエラムック「AERA with Baby 解決!子育ての基本の悩み」より
小室さん親子のズレた金銭感覚 母は婚約者にメールで「トイレットペーパー買って」
小室さん親子のズレた金銭感覚 母は婚約者にメールで「トイレットペーパー買って」 眞子さまと婚約が内定している小室圭さん(c)朝日新聞社 「おつきあいは、遠慮したい」  宮内庁に長くいた人物によれば、旧皇族、そして旧華族があつまる霞会館からは、そうした声がささやかれ続けているという。声は、小室圭さんとその母親に対して向けられたものだ。  秋篠宮家の長女、眞子さまと婚約が内定している小室さんは、母の佳代さんの元婚約者と小室家との金銭トラブルについて28枚に及ぶ「反論文書」を出した。だが、小室家のためにお金を出した元婚約者に対する誠意や感謝の見られない内容に対して、世間の批判はより一層強くなっている。  ふたりが結婚すれば、小室さんは「内親王の夫」に加え、将来の天皇の義兄になる。  皇室と元・旧皇族でつくる菊栄親睦会。上皇ご夫妻と天皇、皇后両陛下と愛子さまら名誉会員、皇族や元皇族から成る会員、その家族や親族ら準会員で構成される組織だ。眞子さまと小室さんは会員、母の佳代さんも準会員として交流の輪に加わることになる。   先の人物がこう話す。 「皆さまが、おつきあいは……と口にするのは、家柄や資産の優劣ではないことは、十分におわかりでしょう」  世論も同じだろう。国の象徴であり、国民統合の象徴である天皇。その天皇の縁戚となるにふさわしい常識と感覚、品位を備えたご家族なのか、という点に国民が納得しないからだろう。  元婚約者との金銭問題だけではない。母の佳代さんが元婚約者に、メールで「指南」した「遺族年金」の問題や、元婚約者と他のやり取りからも、違和感はにじむ。  小室さんは、「文書」のなかで、高級志向の元婚約者の要求に負担を感じるようになった小室家というストーリーを書いている。当時のやり取りはどうだったのか。  小室さんの母、佳代さんと男性が婚約をしたのは、2010年9月だ。  小室さんが文書で訴えたのは、元婚約者は、お互いの友人を呼んでクルージング婚約パーティーを提案したが、母の佳代さんは、豪華なパーティーを開くことよりも他の使い道を考えた方がよい、と提案した、という内容だ。これだけを目にすれば、贅沢を好む元婚約者に、堅実な人生設計を望む小室家というイメージが浮かぶ。  一方、記者が元婚約者に取材した当時の資料を読み返すと、また違うストーリーが浮かびあがる。  このとき、佳代さんが元婚約者に送ったのは、次のメールだった。 <クルージングパーティ調べて頂き有難うございます。50万円とは‥大金ですね。友人達へのお披露目に使うか、私達onlyのアニバーサリーに使うか悩むところですが‥ふたりでフランスでひっそりあげるのもいいかもです>  また、小室さんは文書で、元婚約者が食事に連れて行く店は金額が高く、応分の負担を求められる母は、困難を感じ始めた、と書いてあった。    果たして、元婚約者の男性は、経済的に余裕のない親子を高級店に連れ回していたのだろうか。  婚約の翌10月は、小室さんの誕生日というイベントがあった。佳代さんは、元婚約者にこんなメールを送っている。 <さて、圭は明日19歳のバースデーを迎えます 今年は圭の大好きな恵比寿ウェスティンH○○○(※)でお祝いdinnerしたく思いますが如何でしょうか? 少しリッチな誕生日会食となると思われ、ご負担をお掛けしスミマセン><パピーのご都合次第で早速予約を入れるつもりです>    この高級中華料理店のメニューを見ると、最も安いコースで一人1万2千円から、とある。息子の誕生日を祝うために、息子が大好きな高級レストランでのお祝いを提案する母親。小室さんに対する、佳代さんの愛情が伝わる内容だ。  そして、小室さんが、大学の学費は、すべて自分の貯金と奨学金で賄ったと説明している通り、小室家の家計管理は、堅実だ。          婚約前の8月。すでに、家族のような親しさがにじむメールを、元婚約者の男性へ送っている。 <‥又又面目ないですが  トイレットペーパーがキレてしまいました。もし購入して頂けたら幸いです>  そして2か月後、クリスマスを一週間後にひかえた夜、元婚約者男性は、佳代さんからこんなメールを受け取った。 <仕事帰りに食料品を買い込み、薬局でトイレットペーパー等も買ったら凄い荷物になってしまいました タクシーで帰宅したのですが‥次回そのような時は、(車マーク)助けて頂いてよいですか?><図々しいでしょうか?でも700円が勿体なくて 10回利用したら7000円 一緒にフレンチ頂けます>  もちろん、4月8日に小室さんが公表したのは、小室家から見た真実だ。双方それぞれ主張があり、どちらか一方が正義とは限らない。  だが、小室さんの文書を読んで、「理解した」と口を開いたのは、眞子さまと宮内庁長官らと、あと誰であったのだろうか。(AERAdot.編集部 永井貴子)
自民党が4・25選挙で4連敗 決定的になった「菅おろし」
自民党が4・25選挙で4連敗 決定的になった「菅おろし」 当選確実になり、笑顔の野党候補・宮口治子氏(C)朝日新聞社 当選が確実となり、受け取った花束を掲げる羽田次郎氏(C)朝日新聞社 衆院選北海道2区補選で当選した松木謙公氏(C)朝日新聞社 「とんでもないことになってきた」    こう頭を抱えるのは菅義偉首相の側近議員だ。  4月25日に北海道、長野、広島で3つの国政選挙の投開票が行われた。菅政権発足後、初の国政選挙となったが、自民党は3連敗となった。  新型コロナウイルス感染拡大で3度目の緊急事態宣言、東京五輪・パラリンピック問題を控え、菅政権の失速が顕著になってきた。  とりわけ、注目されたのが、接戦となった参院広島選挙区の再選挙だ。 2019年の参院選で、元法相の河井克行被告と妻、案里氏が2900万円の現金をバラまいて、公職選挙法違反で逮捕。案里氏は議員辞職に追い込まれた。案里氏に代わる候補として、自民党は元官僚の西田英範氏を擁立し、必勝を期した。  選挙直前に野党統一候補として出馬表明した元アナウンサーの宮口治子氏と実質的な一騎打ち。広島は総理総裁候補とされる宏池会会長、岸田文雄衆院議員の地元だ。 「広島だけは何とか勝てるだろうと、菅首相も『1勝2敗か』と口にするほどでした」(前出・側近議員)  しかし、結果は宮口氏の勝利で全敗となった。  争点は河井夫妻の現金バラまきを受けての再選挙だけに「政治とカネ」。選挙戦の前半は出馬表明が早く、自民党、公明党の組織票で勝る西田氏が優位かと思われた。  だが、宮口氏が猛追。西田氏は中盤から河井夫妻の問題に触れ、「河井夫妻は逮捕されても歳費をもらっていた。もらえない仕組みが必要。コロナで多くのお店の方々、多くの生活者、みなさんの生活が厳しい。なぜ国会議員だけ特別なのか?」と訴え始めた。  河井夫妻への風当たりが強く、票が伸びないと西田陣営で判断したという。岸田氏も連日、西田氏と街頭演説。広島市内の繁華街でマイクを持つと、「広島ではおかしなことたくさんあった。おかしな人がいたから、再選挙になった」と話し始めた。  地元市民の反応は厳しく、「おかしな人を応援していたのは、自民党でしょう。無責任や」とその場を離れた。  応援演説に駆けつけていた元自民党幹事長、石原伸晃衆院議員は「ひどいことをやった人がいました。まず謝らなきゃいけない。広島を歩かせていただき、そう思った」とフォローせざるを得ない様子だった。  また、自民党は河井夫妻から買収として、カネをもらった地方議員が まったく動けず、集票につながらなかったことも敗因の一つだ。カネをもらった地方議員は今後、「被買収」として起訴される可能性が大きいためだ。そして、自民党は河井夫妻に1億5千万円という巨額な選挙資金を投じ、まだ収支報告書すら提出できていない。「政治とカネ」の問題が最後まで重くのしかかった。 「西田陣営にテコ入れといっても、カネはダメでしょう。コロナ禍で大臣や知名度ある議員の応援も限られる。地元で頑張ってもらうしかなかった」(自民党の幹部)  西田陣営は自民党と公明党の連立与党が軸だ。宮口氏のスキャンダルが雑誌で報じられ、選挙戦終盤の情勢が宮口氏に有利との情報が流れた。 「公明党の地方議員たちは『だいたい河井夫妻のせいで、自民党の再選挙になった』と文句を言い、自民党の支援者と口論。陣営は険悪になり内部分裂でしたよ」と自民党の広島市議は打ち明ける。自民党幹部はこう語った。 「負けるべくして、負けたのだ」  衆院北海道2区の補欠選挙は、元農相の吉川貴盛被告が鶏卵汚職で議員辞職に追い込まれてのものだった。野党統一候補、前職の松木謙公氏が保守系無所属の候補らに圧勝、5回目の当選を果たした。 世論調査でもダブルスコア以上の数字で、優位に立っていた松木氏。 「10月までに解散があるから、もう一度、選挙をやらなきゃいけない」(松木氏)  保守系無所属として立候補した元アナウンサーの鶴羽佳子氏や弁護士の長友隆典氏に自民党の国会議員が応援に入った。 「補欠選挙で勝つというより、そこそこの得票をあげて、次の解散総選挙で、自民党候補になりたい。そんな選挙戦でしたね」と自民党の北海道議は苦笑する。だが、今回の松木氏の圧勝で、解散総選挙で2人が自民党候補となれるかは微妙だという。 「吉川被告が、自分の息子を次期衆院選では出馬させたい意向があるそうだ。吉川被告が菅首相と近い関係だったのは間違いない。しかし、大臣室で現金もらったと捜査された人の息子が、候補だなんて、さすがに菅首相もそんなことは認めないでしょう」(前出の道議)  そして新型コロナウイルスに感染した立憲民主党の羽田雄一郎元国土交通相の死去に伴う参院長野選挙区補欠選挙では25日午後8時過ぎ、羽田氏の弟で立民新人の羽田次郎氏=共産、国民、社民推薦=が、自民党新人の小松裕氏=公明推薦=ら2人を破り、初当選を確実にした。  野党共闘で「弔い合戦」を制し、自民は「羽田王国」の壁を破ることはできなかった。  さらに同じ行われた名古屋市長選挙でも、現職の河村たかし市長が、自民党を離党して「反河村」の統一候補となった横井利明氏に競い勝った。 「現実として、国政選挙3連敗に、政令指定都市の名古屋市長選挙でも敗北。4連敗となった。やはり、どの選挙を見ても、東京五輪開催にこだわり、後手に回るコロナ対応が響いているようだ。そこに3回目の緊急事態宣言で党内でも菅おろしの声が高まっている」(前出の自民党幹部) (今西憲之)
「もっと点滴を」枯れるような死を前に家族は葛藤 専門医は「ベッドで“溺死”」のリスクに警鐘
「もっと点滴を」枯れるような死を前に家族は葛藤 専門医は「ベッドで“溺死”」のリスクに警鐘 写真はイメージです(Getty Images)  新型コロナウイルスの流行で病床がひっ迫する中、家での看取りを選択するがん患者らの家族が増えている。だが、家に帰ったはいいが、どうすれば患者が安らかに旅立てるのかの予備知識がなく、末期の患者を苦しめかねない多量の点滴を安易に求めてくる例が後を絶たないという。終末期医療に従事する在宅医は、いまだ続く無理解に警鐘を鳴らす。 *  *  * 「栄養をちゃんと取らせてあげないと母の身体が持ちません。点滴をもっとお願いできませんか」  今年2月、都内の訪問看護ステーションの女性看護師は、自宅でがん末期の母に付きそう50代の女性から、焦った様子でこう頼まれた。  女性も健康面で問題を抱えており、母を自宅で看取るという選択肢はもともとなかった。だが、コロナ禍で病院では面会が許されず、「ひとりぼっちの母がかわいそうだ」と、家で看取ろうと考えを変えた。  がん末期の患者への必要以上の点滴は、患者を苦しめてしまうことは、担当医師がすでに説明していた。母には1日、200ミリリットルの点滴が行われていたが、日に日に痩せていく姿に、慌ててしまったようだ。訪問看護師も改めてリスクを伝えたが、強く言い返された。 「そんな話は聞いていません、母がかわいそうじゃないですか」「あなたは自分の親に同じことをするんですか?」  暴言に近い言葉まで浴びながら、やりとりを繰り返したという。  最終的には女性は落ち着きを取り戻して点滴のリスクを理解し、翌月に母を看取った。最後の数日間は、医師のすすめもあり点滴を外した。  最初から在宅での看取りを決め、こうした知識を得たり心の準備をしてきたりした家族でも、弱っていく患者の変化に耐えきれず、点滴の増量や、どうにかして栄養をつけてあげてほしい、などと突然お願いしてくることは、よくあることだという。 「この女性は、そうした心の準備がなかったうえに、母を家に帰すということだけで精いっぱいになってしまっていました。医師が行った点滴のリスクなどの事前説明は、ほとんど頭に入っていなかったようでした」  訪問看護師は振り返る。 「がん患者などの終末期は、脱水状態にして身体をある意味『枯れさせる』ことが、患者さんをもっとも楽に過ごさせてあげる方法なのです。ところが、この『常識』が何年たっても、医療者や患者側に浸透せず、何かあるとすぐに点滴に頼ろうとする。かねて指摘されてきた問題ですが、コロナ禍の今、在宅医療の現場では一層、問題が深刻化しています」  そう危機感をあらわにするのは、兵庫県尼崎市で在宅医療を行い、多くの患者の旅立ちを看取ってきた長尾クリニック院長の長尾和宏医師だ。  すべての病気の終末期に当てはまるわけではないが、長尾医師によると、末期がん患者に多量の点滴をし続けた場合、肺や腹部に水分がたまったり、身体がむくんだりして患者を苦しませてしまう。また、高カロリーの点滴をすると、ブドウ糖が、がん細胞だけに栄養を送ってしまう形になり、死期を早めてしまう可能性がある。 「心不全と肺水腫で呼吸が苦しい状態が続き、もがき苦しみながら最期を迎える。まさに、ベッドの上で『溺死』してしまうのです」(長尾医師)  病院から在宅での看取りに切り替える患者家族が増える中、長尾医師のクリニックでも、新型コロナ流行以前より患者は3割増え、受け入れの限界に達した。  長尾医師は、 「病院から帰ってきた患者さんのご家族は、ほぼみなさん、何か不安を感じると『点滴を』とお願いしてきます。それはなぜなのか。入院していた病院の医師に、終末期は『枯らせた方がいい』という知識が欠落しているからに他なりません。終末期の人に安易に点滴をすることの害を知らないから、患者側もそれがいいことだと妄信してしまうのです。もはや、点滴はいかなる時も『善』であるという、不治の『点滴病』に冒されていると言っていい状況です。患者数が増えて負担が増す中、うちの医師たちは毎日、何組もの患者家族への点滴の説明に追われています」  として、こう続ける。 「ここ最近、『枯れることが緩和ケアである』という常識すら知らない『にわか在宅医』が散見されます。患者さん側が知識をつけなければ、本人と大切なご家族の心を苦しませてしまい、一生の悔いが残る看取りになりかねません」  筆者も昨年、自宅でがんだった妻を看取った。介護生活に入ってひと月ほどたったころから、食事の量が日に日に減っていき、ある日の朝を境に、スプーンで食べ物を運んでも、口をまったく開いてくれなくなった。  もともと家で看取ろうと決めていたため、事前にいろいろな情報に接し、点滴のリスクを知ってはいた。「いつかご飯を食べられなくなる。それはご飯を食べるのがつらくなったということ。その時は少量の点滴だけにして、少し枯らせてあげた方が、患者さんは身体が楽なんです」と在宅医からも説明は受けており、理解していたつもりではあった。  だが、食べることが大好きで、つい数カ月前まで焼き肉でもラーメンでもスイーツでもバクバク食べていたその当人が、毎日、寝たきりのままほんのわずかな量の点滴だけで過ごし、みるみる痩せていく。そうそう受け入れられる現実ではなかった。「本当は腹が減ってるのにうまく喋れないだけなんじゃないか」「栄養がなくてつらくないんだろうか」。さまざまな迷いが浮かんでは、かき消す日々。  厳しい現実でしかないが、プロである医師の言葉を信じ耐えるしかなかった。  不思議なことに、死を迎える前の一カ月ほどは状態が良くなった。目が覚めている時間はごくわずかだったが、表情が豊かになり、話しかけると反応できたり、自分から何か言葉を発する機会が増えた。好きな歌のワンフレーズを口ずさんだこともあった。「枯れた」から調子が良くなったという証明はできない。それでも、できることが増え、健康な人たちのそれとはもちろん質は異なるが、コミュニケーションが取れたのは事実だと感じている。  終末期に寄り添う家族は、様々な患者の変化に直面し、どうしようか思い悩む。どれだけ考え抜いたとしても、100パーセント正しいと思える選択などないのかもしれない。  ただ、家での看取りを選ぶ人が増えている今、点滴という、一見して害がなさそうな医療行為に大きなリスクが伴うという事実だけは、しっかりと知っておく必要がありそうだ(AERAdot.編集部・國府田英之)
今日が命日の紀伊国屋文左衛門 謎多きその人生とは
今日が命日の紀伊国屋文左衛門 謎多きその人生とは 今も寛永寺根本中堂にかかる「瑠璃殿」の勅額(天皇の自筆の額) 江東区・成等院に戦後再建された文左衛門の石碑 文左衛門の屋敷に勧請された「紀文稲荷神社」  有名人の割に詳しいことがよくわからない歴史人というのは数多いが、中でも今日4月24日(旧暦)が命日の紀伊国屋文左衛門ほど実際が不明な人も珍しい。文左衛門伝説で随一である「みかん船伝説」でさえ創作であるとする研究者もいるくらいなのだ。これは、文左衛門自身が自叙伝的なものを残すことを嫌ったためとも、当時他人のプライバーシーを侵害するような書物を禁止する触れ書きが出されていたこととも関係しているようだ。加えて、幕末に出された「黄金水大尽盃」(文左衛門を主人公に12年間も続いた長編小説)も大いに影響を与えてしまっている。のちに出版された「大日本人名辞書」にさえ、この小説による虚構が史実として引用がされているのだ。 ●お大尽の最期は生活困窮者?  このため、紀伊国屋文左衛門の実際については、今でも正確なことは不明なままだ。分かっていることは、八丁堀の材木商で大金持ち、吉原での豪遊が江戸中の噂となり、謡や狂言、俳句などに読まれ、やがては歌舞伎や浄瑠璃の演目に取り上げられるまでになった。時代は、5代将軍・徳川綱吉の治世。江戸の町には元禄文化が花開き、空前のバブルを迎えていたのである。  この後、綱吉と老中・柳沢吉保に代わり、新井白石が登場した6代将軍・家宣の代にバブルは弾けた。文左衛門は引退を決め、深川八幡宮(現・富岡八幡宮)そばに隠棲、俳句を詠むなどして余生を過ごし、66歳で亡くなったとある。とある研究者によれば、「最後は生活に苦しみ、むかしの使用人から生活費の援助をうけたという」とも紹介されている。 ●将軍交代が文左衛門の引退に  家宣の将軍就任は、宝永6(1709)年、翌年には文左衛門は店を閉じている。まだ40歳の頃で、引退には早過ぎたろうが、彼の商売の根幹である、人脈と広告という2つの手法が封じられた以上、諦めが肝心と踏んだのだろうか。文左衛門は、吉原などでの振る舞いが世に知れ渡ることで知名度を上げていき、加えて柳沢吉保をはじめとした幕閣要人とのコネにより成功の階段を登っていった人物である。商人との親密な関係を断ち質素倹約を旨とした次代の政権内では立ち回れないことは火を見るより明らかだった。なお、研究者によれば、数年前に妻を亡くしたこと、息子の疱瘡罹患が引退の遠因のひとつとも考えられている。 ●他人の逸話がゴチャ混ぜに  徳川綱吉は、「生類憐れみの令」という悪法を堅持したことで評価の低い将軍であるが、この時代、神社仏閣の整備を数多く行っている。大型の公共事業は、江戸の町に仕事を増やし大いに人々は潤った。加えて、火事が多いことで知られる江戸は常に建築がいたるところで行われている。これに目をつけた文左衛門は、材木商への道を歩むことになる。江戸に出てきた当初、河村瑞賢と関わりがあったこととも関係があっただろう。材木商として立身し、航路の開拓などで幕閣ともつきあいのあった瑞賢のエピソードが、のちの時代、文左衛門の話として世に広められたことも、混乱と不確実さを増幅させたに違いない。 ●豪商への始まりは寛永寺根本中堂の造営  さて、文左衛門の最期はほんとうに生活に困窮していたのだろうか。文左衛門28歳の時、綱吉が行った寛永寺の根本中堂の造営事業に要する材木の入札が行われた。この入札に知恵で勝った文左衛門は50万両ほどの利益を上げたとも言われている。これについては、実際に静岡の山から材木を切り出したという記録が残り、こののちにも香取神宮などにも用材を納め利益をあげたとも記されていることから、寛永寺以後も湯水のように使う以上に儲けを出していたと考えられる。  ちなみに、寛永寺は、翌年の完成直後に大火に見舞われた(「勅額火事」と呼ばれる由縁は「瑠璃殿」の勅額が京都から届いた日に出火したため)。完成したばかりの根本中堂と文殊堂はかろうじて類焼を免れたが、本坊や仁王門、4代将軍・家綱の霊廟も焼け落ちた。南町奉行所、老中・柳沢吉保の屋敷も焼失、326町が焼かれた。 ●引退後の生活は俳諧三昧  これほどの儲けを生涯かけても使いきれるだろうか。貨幣改鋳事業に手を出し失敗したとか、保有していた木材を火事ですべて失ったといった逸話も残り、全財産を失っていた可能性もないではない。一方で、引退後の享保5(1720)年、回向院から出火した火事が霊巌寺・深川八幡宮を焼くほどの被害を出した折、復興にと文左衛門は深川八幡宮に三体の神輿を寄進している。また、松尾芭蕉の弟子であった其角などとも交流し、隠居時代に多くの俳句を残していたり、質素な姿にもかかわらず自分を見分け親切を受けた際には、礼として1両を与えたりもしている。(文・写真:『東京のパワースポットを歩く』・鈴子)  伝説の紀伊国屋文左衛門だが、東京にはいくつかの名残が残る。江東区にある清澄庭園は文左衛門の屋敷跡と言われているが、その南、永代一丁目に「紀文稲荷神社」があり、ここも屋敷跡とされている。つまり、大名屋敷なみに広い家だったということなのだろう。現在、紀伊国屋文左衛門は清澄庭園の東側に位置する成等院のお墓に眠っている。もちろん、紀伊国である和歌山には像や碑がいくつも建てられているが、生年とともに故郷の地ははっきりしない。(文・写真:『東京のパワースポットを歩く』・鈴子)
菅総理側近の菅原前経産相に東京地検が事情聴取 立件を検討 政権へ大打撃
菅総理側近の菅原前経産相に東京地検が事情聴取 立件を検討 政権へ大打撃 東京地検に事情聴取された菅原一秀前経産相(C)朝日新聞社 菅総理と二階幹事長(C)朝日新聞社  側近への捜査で菅政権に激震が走っている。    秘書が選挙区内の有権者に香典を渡したなどとして公職選挙法(寄付の禁止)違反容疑で不起訴処分(起訴猶予)となり、検察審査会から「起訴相当」と議決された前経済産業相の菅原一秀衆院議員(59)に対し、東京地検特捜部が任意で事情聴取を開始した。  再捜査の過程で菅原氏の事務所が選挙区内の祭りなどで住民らに現金を配った疑いも浮上し、立件を検討しているという。  菅原氏は買収事件で公判中の河井克行元法相と同じく菅義偉総理の側近だ。昨年の自民党総裁選で無派閥の会の取りまとめなどをしていただけに立件されれば、菅政権にとって打撃となる。  菅原氏は2017~19年、選挙区内の有権者延べ27人の親族の葬儀に、枕花名目で生花18台(計約17万5000円相当)を贈り、秘書らを参列させて自己名義の香典(計12万5000円分)を渡していたという。  公職選挙法では、地元の有権者への寄付や食事提供など一切を禁じている。菅原氏の地元の支援者は捜査をこう恐れる。 「菅原氏は、地元の祭りやイベント、町内会にはこまめに顔を出していた。そして祭りなどには1万円などの寄付を出していた。イベントも本人が参加ないが、参加料だと秘書が数千円を置いて帰ることもあった。菅原氏自身から祭りで寄付1万円を貰ったこともあります。現金なのでいいのかとは不安になりましたが、地元の大臣になる先生が違法なことはしないと思っていた」  菅原氏の地元への捜査は水面下で進んでいたようだ。 「検察審査会では香典など約33万円が問題視された。さらに捜査をすると、幅広くカネをばら撒いていた疑惑が出てきた。これまでの捜査でもばらまきの証言もある。そこで菅原氏の選挙区、練馬区を中心に捜査を進めている」(捜査関係者)  菅原氏が経済産業相に在任中だった2019年10月に週刊文春の報道で明らかになった疑惑。しかし、2009年8月に週刊朝日も、安倍晋三前首相ら自民党有力政治家に06年~07年の間に菅原氏がメロン、カニ、ロイヤルゼリーなどを配った贈答リストを特報していた。  検察審査会申立代理人、郷原信郎弁護士がこう語る。 「菅原氏は祭りへの寄付は自身で持参するか、できない時は秘書に立て替えさせていた。後日、菅原氏が秘書に現金を渡して精算。検察審査会で申立が受理され、起訴相当になったのは、菅原氏のもとにいた秘書の証言が大きかった。広島の河井夫妻事件と同様に不都合があると秘書に責任を取らせようとする菅原氏の言動が許せなかったそうです」  ある秘書は東京地検特捜部から何度も事情を聞かれ、2020年6月の取り調べでは、祭りなどの小口のカネのばらまき手口も具体的に証言したという。AERAdot.が入手した秘書の陳述書にはこう記されていた。 <秘書が通夜に代理で出席したり、香典を先渡ししておくことは菅原事務所のルール。菅原代議士からも『基本通夜には出席』と言われた> <香典を立替え分は、毎月、まとめて菅原代議士から支払われた> そして、通夜や葬儀の日程の情報収集が秘書たちの大事な役目となっていたという。 <会合や葬儀の情報収集を怠るなどした場合、取りこぼし罰金という制度があった。菅原代議士から『罰金』と言われたら、秘書がその金額のお伺いを立てて払っていた>  そして週刊文春で報じられたように菅原氏が経産相在任中の2019年10月5日にも、練馬区の支援者が亡くなり香典5万円、枕花大1万円を秘書が渡したことがリストに記載されていた。検察審査会への申立の証拠には次のように生々しいやりとり会話が詳細に記されていた。 <2019/10/05 菅原にお伺いを立てる。菅原から「5万円」と連絡が入る>  事情聴取を受けた秘書は先の陳述書で菅原氏にこう強く反発していた。 <秘書が私の指示を誤解したと菅原代議士はマスコミに説明した> <秘書が文春と組んで、香典を差し出す写真を撮らせ経産大臣から引きずり落としたと、菅原代議士が地元で言っていると聞いた> <代議士から『裏切り者』の濡れ衣を着せられました>  すでに検察審査会で「起訴相当」の議決が出ている菅原氏。同じ結論が2度、出ると「強制起訴」となる。 「東京地検特捜部は強制起訴という格好悪いことは避けたいでしょう。いま、捜査を本格化させているのは自分たちで起訴するためではないか」(前出の郷原弁護士)  公職選挙法違反で有罪になると、公民権停止となる可能性が大きく、菅原氏は辞職を余儀なくされる。4月25日の3つの国政選挙での苦戦、緊急事態宣言の再発出、危ぶまれる東京五輪開催と苦境が続く菅政権。 「菅原さんは議員辞職したほうがいい」(自民党幹部)  菅政権がいよいよ正念場を迎えている。(今西憲之)
地震続くトカラ列島に近年人口増の島 海賊「3億ドル?」の財宝隠し伝説残る宝島とは
地震続くトカラ列島に近年人口増の島 海賊「3億ドル?」の財宝隠し伝説残る宝島とは ※写真はイメージです(gettyimages)  7つの有人島と5つの無人島の計12の島々がある鹿児島県・トカラ列島(十島村)。その近海で今月9日から260回を超える有感地震が続いている。21日朝7時45分にも悪石島で震度4を観測した。  実は、十島村はここ10年ほど、若い人をはじめ人口が増えていることで知られる。なかでも、有人島のうちのひとつ、宝島(人口131人)はその昔、イギリスの海賊キャプテン・キッドが財宝を隠したという伝説が残る。その財宝は1億ドルとも3億ドルともいわれる。この伝説は未確認だが、宝島では、明治10年前後まで旧島津藩が金鉱採掘をしていたことも、伝えられている。  その宝島からの出身者が一時約300人を超えていた「宝島村」が、東京都文京区にある。この宝島村については、公益財団法人日本離島センターの季刊「しま」の連載「島の精神文化誌」で、筆者の順天堂大学講師・土屋久さんが詳細に触れていた。  文京区小石川に住む杉田ハルコさん(83)も、その一人。地震があった12日、宝島に住む友人らに電話をかけた。 「あまり揺れなかったみたい。地盤がしっかりしてるから。台風の方が怖いのよ」  前述のとおり、悪石島ではこれまで震度4を数回観測するなど不安が広がっていたが、およそ50キロメートル離れた宝島は、それほど大きな揺れではなかったという。 ■東京都心の「宝島村」  ハルコさんが上京したのは昭和31(1956)年、19歳の時だった。長兄の故・大久保清さんが社長になって製本会社「清光社」を設立。以降、宝島から同社に知り合いを呼び寄せて、社業を拡大。ハルコさんは夫の杉田稔さんと同38年「栄進堂」を独立させるなど、一時は製本工場を4カ所に拡張した。「週刊朝日」や「AERA」の製本も引き受けていたという。  ハルコさんは今でも毎日のように、宝島や周囲の島々の友人に電話をする。最近、電話した一人が、宝島在住の前田明子(めいこ)さん(69)。以前に受け入れた経験がある「山海留学生」の里親をもう一度やりたいな、という雑談をしたばかり。  ハルコさんが寝る間もなく働いていた高度成長時代には、故郷の島から働き手がやってきたが、日本全体が人口減少に突入した2015年の国勢調査で、十島村は人口が756人と5年間に15.1%増え、増加率は全国の市町村で第2位だった。今年4月15日現在686人と減少に転じているが、島には若い人が目立つという。なかでも、各島の小中学校への山海留学生が、今年は42人とこれまでの最高を記録し、村内では話題になっている。  前田さんは、20年余り前に山海留学制度の「里親」をやったことがある。先日亡くなった夫も当時は元気で、鹿児島市内の小学4年と5年の兄弟を預かった。1学期間「わが子と同様に暮らした」が、夫が体調を崩したため、夏には中止した。 「でも、その子たちは20年経ってから、タイムカプセルを掘り返すために小学校に戻った時に、うちに寄ってくれたんですよ。うれしかったあ。自分の3人の子たちより、一回り下。子育てにいろんな反省があったけれど。きちんと怒れる里親じゃなくっちゃ、と思ってる。もう主人もいないし」 ■転入者と転出者  島北部の集落にある、「イギリス坂」を上ったところにある一軒家は「広いから、2,3人は預かれる」と話す前田さんだが、周囲には「里親」がたくさんいる。「地域のみんなで育てるんです。みんながきてくれる。うちの兄夫婦と、主人のいとこの妻とその姉も里親。中学の修学旅行以来つきあっている小宝島と諏訪之瀬島の同級生も3人ずつ預かってるわよ」  今年、最高の42人となった「山海留学生」は、1991年に始まって以来述べ419人がやってきた。2002年に初めて二けたの10人となり、一昨年で初の30人、昨年33人。宝島小中学校(全校23人=小学生18、中学生5)には、4年目と3年目が一人、2年目が3人いて、今年2人が加わった。「新入生にどんな子が来たか、島のみんなが知っているわよ」と前田さんは言う。  ただ、留学生は「人口増」の要因にはなるが、高校に進学するときは、島を離れる。同村の定住対策室の担当者によると、最近3年間では転入者の定住率が約7割だという。  せっかく移住した人たちにはできるだけ長くいてもらおうと、同対策室は2年前に、定住サポート推進委員会を各島の住民で組織。農業や漁業、畜産などの独立した職業に就けるよう支援に力を入れている。また、Iターンばかりでなく、島で生まれた人たちの「Uターン」にも積極的な財政支援を、という声も少なくない。島の「これから」がかかっている。(ジャーナリスト・菅沼栄一郎) ※AERAオンライン限定記事
軍と“デジタルで闘う”在日ミャンマー人たち 祖国の未来のために奮闘
軍と“デジタルで闘う”在日ミャンマー人たち 祖国の未来のために奮闘 3本指のポーズをするウィンチョさん (撮影/鮎川哲也) 高田馬場のミャンマー料理店に掲げられているポスター (撮影/鮎川哲也)  クーデターを起こしたミャンマー国軍が、抵抗する国民に武力で対抗している。ミャンマーの国民だけでなく、世界が軍にノーをつきつけている。日本に住むミャンマー人たちも例外ではない。彼らの闘いと、祖国への思いを聞いた。 *  *  * 「絶対に許せない!」  そう語気を強めて話すのは、在日ミャンマー人のウィンチョさん(56)だ。怒りの矛先はクーデターを起こしたミャンマー国軍に対してである。  2月1日、ミャンマー国軍はウィンミン大統領、アウンサンスーチー国家顧問らを拘束し、政権を掌握したと宣言した。  ミャンマー国民は、軍の横暴を許してはいけないと声をあげ、拳を振り上げた。国民の声は次第に大きくなり、デモは少しずつ拡大している。  9日、国軍はついに国民に対し実弾で攻撃を開始、その場にいた3人が銃弾に倒れた。 「撃たれた女の子は頑丈なヘルメットを被っていました。でも弾はヘルメットを撃ち抜き、頭にまで届いていました。軍はマシンガンを使ったんです」  怒りをこめてウィンチョさんは話す。  3月3日には歌やダンスの動画をSNSにあげて運動の機運を盛り上げていたチェーシンさん(19)、ニックネーム「エンジェル」が後頭部を撃たれて死亡、エスカレートする軍の暴力により、現地の人権団体は3月29日までに、500人以上が死亡したと発表した。 「軍は撃っていないと、嘘をつきます。あのときも嘘をついた。嘘を許さないために、しっかり証拠を残さないといけない。以前は軍に対して何もできなかったけど、今は闘える道具があるのです」  そしてスマホを強く握りしめた。 「あのとき」とは、「1988年」のことである。  88年、学生と政府の有力者の子どものいざこざを機に学生と治安部隊の対立に発展し、民主化運動にまで拡大した。それに対し軍は無差別攻撃で鎮圧を図る。その結果、多くの命が失われた。 「このままでは殺される。国外に出たほうがよい、と母にお願いされました」  母の言葉に従いミャンマーを後にした。ウィンチョさん同様、多くの若者が外国へ去った。以来32年間、平和な日本で暮らしている。祖国のことは片時も忘れたことはない。もう、あんなことは起きてほしくない。だが、心配が現実になった。  ウィンチョさんはクーデターが起きてから証拠を残すため、インターネットやSNSであらゆる情報を集め、記録している。もっと活動を大きくしなければと考え、日本に住むミャンマー人の若者たちに声をかけた。 「私一人でやるには限界がありました。若者はITスキルもあるし、フットワークも軽い。私にはミャンマーとのネットワークも、経験もある」  じつはウィンチョさんは飲食店で働きながら、妻のマティダ・ウィンチョさんと、日本に来たミャンマーの若者の世話を長年続けている。日本の社会の制度について、生活についてなど、困ったことがあると相談に乗る。 「私たちミャンマーの若者にとってウィンチョさん夫妻は日本のお父さん、お母さんです」  と日本の建設会社に勤めるコンセットさん(28)。  写真家として活動するオガ ミン アウン タンさん(34)は「政治についてはウィンチョさんに厳しく指導されました」と話す。二人ともウィンチョさんとデジタルツールで軍と闘っているという。  ウィンチョさんらの闘い方はこうだ。  ミャンマー軍が国民を攻撃する映像や写真をできるだけ多く入手する。軍の暴力行為を一方向だけでなく、あらゆる角度や方向から撮影した映像を手に入れ、そして狙撃者、指揮官の衣服の色、軍の肩章から階級を特定する。5~6人のグループで調査し、時折、ミーティングを開く。そして得られた映像を世界中に発信していく。同時に日時・場所などをデータベース化している。後に裁判を起こして罰するためだと強く語る。  ウィンチョさんの若者への思いは強い。2010年、ミャンマーで総選挙が行われたのを機に、祖国の未来のためミャンマーに住む若者たちのネットワークづくりをはじめた。会ったこともない、見たこともないミャンマーに住む若者を探し、メールやSNSでコンタクトを取った。 「ミャンマーの未来は、あなたたち若者がつくるんです、みんなで団結することが大事ですと伝えました。その気持ちに応えてくれて、ミャンマーの未来を考える若者のネットワークができました。その中から国会議員も出ました」と話し、スマホの写真を見せてくれた。クーデターによりミャンマー軍が設立した連邦行政評議会に対抗して組織した臨時政府(CRPH)の議員たちが軟禁されたときのものだ。  ウィンチョさんは日本の政治にも関心が高い。 「私たちの国はずっと政治が不安定でした。でも、日本は平和。だから政治に無関心になるのかもしれない。日本も安保や学生運動など政治に若者が意見を言い、活動した歴史があります。当時若者だった人は、何を考え行動したかを覚えているはずです。大人たちが若者に教えていかなければならないことがあるはずです」  日本の現況を少し憂えている。日本は60年代、70年代に安保闘争、学園紛争が起こった。今のミャンマーと重なる。 「社会を変えていくのは若者の力です。若者は国の宝なのです」  そう力説する。 「若者は純粋です。そして正しいことは正しいと言うし、自分のことより、社会のこと、国のことを優先します。そんな若者が私は大好きです」  コンセットさんとオガさんがウィンチョさんに話すと、子どもの話を聞くようにうなずく。 「もうひどい歴史を繰り返してはならないのです」  祖国のことになると、声が大きく熱がこもる。 「私は今56歳。でも私の気持ちは当時と同じ。若者のままです」 (本誌・鮎川哲也) ※週刊朝日  2021年4月30日号
眞子さまの「あの人」にも不穏な空気? それでも惹かれる“ヤバめの男”
眞子さまの「あの人」にも不穏な空気? それでも惹かれる“ヤバめの男” 眞子さまの結婚への強い意思は変わらないという (c)朝日新聞社  遠くからは光り輝いて見えたけれど、近づいたら身も心もボロボロに。「やめたほうがいい」と言われるほど、自分だけが知る魅力があると感じてしまう。これほどまでに人の心が波立つのは、「あの人」がまとう空気に、そんな不穏さを感じるからなのかもしれない。(フリーライター 亀山早苗) *  *  *  眞子内親王と小室圭さんの結婚問題がこれほど大きな話題となるとは。  当初は小室さんの母親の元婚約者に対して、訝(いぶか)しく見る向きもあったようだが、いまや小室バッシングばかりが目立つ状況だ。  コロナ疲れの格好のはけ口となっている感も否めないものの、義父になるはずの人から「(一連の騒動に)納得いく説明を」と求められた答えがA4用紙計28枚、4万字。長さもすごいが、概要をつけるというビジネスライクさも不思議だ。  執拗(しつよう)ともいえる自己主張と、繰り広げられる正義。しかも4日後には「解決金」を払うかもと言いだす手のひら返し。眞子さまと同世代の女性たちに聞くと、「なんだかわからないけど怖い。めんどくさい男という感じ」(26)、「自信たっぷりに主張したのに、すぐに態度を変えるなんて、外面がよくて家でDVする人みたい」(32)と、さんざんな言われようだった。  そもそも、眞子さまはなぜ、この男性に惹(ひ)かれたのだろう。もう少し掘り下げると、バッシングとは少し違った視点で騒動を見つめる人たちの声も聞こえてきた。 「なんだかわかるんですよね、こういう恋が成立してしまうことが」  しみじみと振り返るのはアツコさん(38)だ。20代前半の大学生時代に恋に落ちた男性は、大学院卒の研究者だった。屈託のない笑顔が素敵で、こつこつと努力するタイプ。決して人を上から見るようなことはなかった。夢中になった。  だが、3年ほど付き合ったころ、こんなことがあった。 「彼の友人たちと会っているとき、それぞれの職場の話になり、そのうちの一人が『上司のパワハラがひどい』と言ったんです。そうしたら隣にいた彼が『チッ』と舌打ちをしたんですよ。他の人には聞こえなかったと思うけど。あれ、こんなことする人だっけと気になりました」  あとから彼に確認すると、「舌打ちなんてしていない」の一点張り。「だいたい、パワハラなんて仕事ができない言い訳だよ」と言いだした。以前なら「彼が言っているんだから正しい」と思ったかもしれないが、そのときすでに社会人経験を積んだ彼女には違和感を覚えた出来事だった。後に、彼が父親から強いプレッシャーを受けて育ち、父を超える大学院に進めなかったコンプレックスを抱いていることを知る。父親とは何年も交流が途絶えていた。 「でも彼はそれを絶対に認めない。だったらお父さんに会いに行けば?と言ったら『父に会うメリットがどこにある』と言い放つんです。家族間の感情まで損得で考えるのかと複雑な気持ちでしたね」  アツコさんの熱は、それがきっかけで次第に冷めていった。自分を正当化する彼の性格がだんだん怖くなったという。  優秀な人ほど、整然とした独自の行動理論を持っているものだ。それは美点になりうる。ただ、何度か苦い恋を経験した人なら、まして親世代なら、眞子さまが選ぼうとしている「あの人」に、不穏な空気を感じる人も少なくない。そういう人の一部に流れる、独特の“ヤバさ”を感じてしまうから。 「うちの娘が結婚したいと連れてきた男が、そういうタイプでした」  そう話すのは50代後半のサトシさんだ。当時大学3年だった娘が、「中退して結婚する」と連れてきた相手は、IT関連の会社の代表だと名乗り、年収2千万円と豪語した。 「『高校に行かなくてもここまでになれる、そもそも学校教育とは……』と演説を始めたんです。娘はうっとりと聞いている。彼には彼の考えがあるのはわかる。だが、それが世間一般の常識からどう見えるかの客観的視点は一切なかった」  娘には冷静に、自分が抱いた感想を告げ、それでもいいなら結婚すればいい、だが大学だけは卒業しろと突き放した。自身も若いころは恋愛で痛手を負ったこともある。だから、頭ごなしに娘を否定することはできない。この世代の親たちが抱えがちなジレンマだ。 ■周囲巻き込んで“悪い人”に…  それから数カ月後、娘の恋は破局を迎えた。サトシさんは理由を聞かなかったが、娘はぽつりと、「彼の理屈で世の中が動いているわけじゃないよね」とつぶやいたそうだ。 「結婚してだめだと思ったら離婚したっていいと思いますよ。今はそれができる時代なんですから。だけど娘がみすみす不幸になっていくのを見たくないのが親というもの。うちの娘は翻意してくれてよかったけど、秋篠宮ご夫妻の胸中は察するに余りあります」(サトシさん)  小室さんが多くの人の心をざわつかせる存在なのがわかる。だが一連の言動は、彼の中では整合性が取れているのではないだろうか。  世間が手のひら返しとみる「解決金」だって、小室さんにとっては事態に対処する「柔軟性」に置き換えられているのかもしれない。  一方、過去に“ヤバい系”の男性と結婚していたというユミさん(58)は言う。 「若いときは相手の本質を見抜けないし、見抜いたとしても自分が何とかしてあげたいと思ってしまうんですよね」  元夫は結婚前から「優秀だけどちょっと変わり者」とは見られていた。だが、結婚してみると、その変わりっぷりは異様だった。  被害妄想が強く、相手が自分の邪魔をする人間と思い込むと徹底的に潰しにかかる。 「周りの人まで巻き込んで“悪い人”に仕立ててしまう。その目的のためには、しれっとウソもつく。ついたウソは自分の中で正当化されていく。それは怖かったですね」  離婚したのは、マンションの住人同士のトラブルに端を発して、彼が理屈を述べ立てて片方を援護し、仲良しだった他の住人たちまで二分されるような結果になったから。皆は彼が原因だとは気づいていないが、彼女は自分の夫の怖さを知ってしまった。 「もうここにはいられないし、結婚生活は続けられない。そう思いました」  ただ、と彼女は最後に話した。 「今思い出しても、彼はやっぱり強烈な魅力を放っていました」 (文中カタカナ名は仮名) ※週刊朝日  2021年4月30日号
小室さん問題で“サーヤ”黒田清子さん「皇女」復帰の待望論 有識者会議メンバー漏らした名前
小室さん問題で“サーヤ”黒田清子さん「皇女」復帰の待望論 有識者会議メンバー漏らした名前 婚約内定の会見を開いた眞子さまと小室圭さん(c)朝日新聞社 「たとえば、皇女制度を考えたとき、黒田さんが対象となる可能性はあるのだろうか」  4月、首相官邸に集まった有識者会議のメンバーの口から、そんな言葉が飛び出した。「黒田さん」とは、上皇ご夫妻の長女、黒田清子さん(紀宮さま)のことだ。サーヤの愛称で知られた紀宮さまは、2005年に都庁職員の黒田慶樹さんと結婚した。 結婚式を終え、披露宴に先立って記者会見する黒田慶樹さんと質問に答える清子さん (c)朝日新聞社  菅政権は、この3月に安定的な皇位継承のあり方を議論する政府の有識者会議を設置した。座長となった清家篤・前慶應義塾長のもと、女性・女系天皇の議論のほか、結婚した女性皇族の立場も議論の焦点だ。  ひとつは、女性皇族を当主とする宮家を創設して皇室にとどまる「女性宮家」。二つ目は、皇籍は離脱したのちも「皇女」の尊称を贈り、民間の立場から公務の仕事を委嘱する「皇女」案だ。  その「皇女」候補として、有識者会議のメンバーの口から清子さんの名前が出たのだ。実は、清子さんの名前が出たのは、初めてではない。野田内閣で「女性宮家」の議論がなされた際にも、民間から公務を手伝っていただきたい、という声があがっていた。 結婚披露宴で乾杯する黒田慶樹さんと清子さん (c)朝日新聞社  15年も前に皇籍から離脱した元内親王。いまだに復帰を期待する声は消えない。  深い知性と教養を兼ね備えながらも、ひかえめな人柄と、誠実に公務に取り組み続けた姿勢を国民が忘れていないからだ。  そしてこのタイミングで、始まった有識者会議の議論だ。「女性宮家」や「皇女制度」が語られるとき、第1号として念頭に置かれていたのは、秋篠宮家の長女で現役の内親王であった眞子さまだ。上皇后さまにも、「さすがは内親王ね」と期待をかけられながら、公務に熱心に取り組む生真面目さと、一方でおっとりした性格は、周囲に愛された。 笑顔が眩しい眞子さま(c)朝日新聞社  眞子さまには、こんなエピソードがある。2012年に埼玉県にある宮内庁の鴨場で、眞子さまは外国大使の接待役を務めた。大使夫妻らの前で、鴨を放鳥したはずが、鴨は地面を走って逃げだしてしまった。慌てて追いかける愛らしい姿に、その場は和んだという。  国民からも愛された眞子さま。だが、婚約内定者である小室圭さんの金銭問題で世間の空気は一変した。 「元婚約者への対応については、眞子さまの方針も影響していた、と皇嗣職大夫が会見で口にしてからは、国民の批判の矛先も向けられた。国民に愛され、期待されていた眞子さまへの敬愛の声は、小さくなりつつある」(元宮内庁職員) 眞子さまと小室圭さん(c)朝日新聞社  上皇ご夫妻の平成の皇室を懐かしむ声とともに、才女の誉れ高い清子さんを懐かしむ声が湧き出してきたのだ。  05年5月、清子さんは内親王として最後の36歳の誕生日を迎え、ご両親である上皇夫妻への感謝などをつづった誕生日の文書を出した。  改めて読み返すと、迷い悩みながら誠実に公務に取り組んできた、清子さんの人柄が浮かび上がる。 <国内外の務めや宮中の行事を果たす中には、失敗も後悔もあり、未熟なために力が尽くせなかったと思ったことも多々ありました。また、以前にも述べましたが、目に見える「成果」という形ではかることのできない皇族の仕事においては、自分に課するノルマやその標準をいくらでも下げてしまえる怖さも実感され、いつも行事に出席することだけに終始してしまわないよう自分に言い聞かせてきたように思います。どの公務も、それぞれを通してさまざまな世界に触れ、そこにかかわる人々の努力や願いを知る機会を得たことは新鮮な喜びと学びの時でした> 2005年、春季雅楽演奏会を鑑賞に訪れ、開演前に話す紀子さまと紀宮さま (c)朝日新聞社  紀宮さま以前の内親王は、宮中行事などをのぞいては、日常の公務に携わることは、ほぼなかった。公務を担う内親王という型を定着させたのが清子さんだった。  外国訪問でも相手国の歴史や文化、自然風土について念入りに学んで臨んでいた清子さんは、外国の王室との親交も深かった。20歳を迎えた夏には、上皇夫妻と親しいベルギー王夫妻から招待を受け、王妃の出身地であるスペインの別荘に滞在した。93年にボードワン国王が急死すると、悲しみに暮れたファビオラ元王妃は、スペインの別荘にこもる。悲しみに寄り添うように、元王妃のそばで過ごしたのは、清子さんだった。  皇籍から離れたのちも、国賓を歓待する晩餐会に夫の黒田慶樹さんと何度も出席している。オバマ米大統領、ベルギーのフィリップ国王夫妻、トランプ米大統領夫妻などをもてなしてきた。いずれも、内親王時代の訪問や交流が縁となり招待が実現したものだ。 1991年 岐阜県に向かうためJR名古屋駅を経由する紀宮さま (c)朝日新聞社  皇室ジャーナリストのひとりは、こう話す。 「清子さんは、日本舞踊花柳流の踊り手として知られ、千代田区の国立劇場の舞台にも出演したご経験もあります。外国の賓客の接遇で着物をお召しの際も、姿勢がよく裾さばきなどの所作の美しい方でした」  内親王として公務をこなすかたわら、父の上皇さま譲りの学者でもある。山階鳥類研究所の研究員として、鳥類の研究に没頭。結婚後も、客員研究員として地道に研究を続け、「山階鳥類学雑誌」(第49巻1号137号2017)に論文を掲載した。  さらに、玉川大学教育博物館で外来研究員としても勤務。19年には、東京芸術劇場(東京都豊島区)で開催された特別展「石に描かれた鳥たち-ジョン・グールドの鳥類図譜」を企画した。会期中のパネルディスカッションでは、パネリストとして参加し、独自の見解を述べた。また、上皇ご夫妻を案内するほほえましい場面もあった。 特別展「ジョン・グールドの鳥類図譜―19世紀 描かれた世界の鳥とその時代」を鑑賞する上皇ご夫妻。右は長女で、鳥類学者の黒田清子さん(c)朝日新聞社(代表撮影)  だが、多忙な清子さんが、「皇女」として再び、公務を担う可能性はあるのか。 「ご研究を続けてゆけるかという点もそうですが問題は、伊勢神宮の祭主の務めとの兼ね合いでしょう」(先の皇室ジャーナリスト)  清子さんは2017年に、三重県伊勢市にある伊勢神宮の祭主に、天皇陛下の長女・黒田清子に就任した。祭主は天皇に代わり、伊勢神宮の祭事をつかさどる。皇族か元皇族が務めるのが習わしで、昭和天皇の四女、池田厚子さんより引き継いだ。祭主は、毎年5つの祭に奉仕する。五穀豊穣を祈る2月の「祈年祭」(きねんさい)、6月と12月の「月次祭(つきなみさい)」、10月の10月の神嘗祭(かんなめさい)、11月の新嘗祭(にいなめさい)だ。 祭主就任を報告した黒田清子さん。伊勢神宮に参拝する様子(c)朝日新聞社  祭主の務めは、想像以上に過酷だ。前日から、禊(みそぎ)のために泊まりこみ、食事も牛や豚などの肉を避けて祭典に備える。当日は、浅沓(あさぐつ)を履き、白衣と緋袴(ひばかま)・小袿(こうちぎ)といった古式装束で臨む。装束で奉仕を務めるだけでも大変だが、6月と12月の月次祭は、3日間も続く。  祭主として東京との往復生活に研究活動、さらに公務を手伝うとなれば、多忙な生活に拍車がかかる。宮内庁のOBは、こうつぶやく。 「いまのご生活を考えると、難しいかもしれません。でも、あの『紀宮さま』の、公務をもういちど、拝見したいと、期待してしまいますよね」 自家用車を運転し、皇居へ入る黒田清子さん(c)朝日新聞社  果たして、「皇女」として皇室を支えるのは、黒田清子さんか、それとも眞子さまなのか。(AERAdot.編集部 永井貴子)
「YouTuberになりたい」11歳の息子が心配な親へ 「論語」からの子育てアドバイス
「YouTuberになりたい」11歳の息子が心配な親へ 「論語」からの子育てアドバイス 「論語パパ」山口謠司先生 ※写真はイメージです(写真/Getty Images)  NHK大河ドラマ「青天を衝け」の主役である実業家・渋沢栄一が信奉していたことで、いまふたたび「論語」が注目されている。論語は、2500年前の思想家・孔子の教えをまとめた書物で、生き方の指針となる言葉の宝庫だ。「仁(=思いやり)」を理想の道徳とし、企業経営だけでなく、迷える現代の子育てにも役立つ言葉がたくさんちりばめられている。現代の親の悩みに対する処方箋として、「論語パパ」こと中国文献学者の山口謠司先生が、孔子の格言を選んで答える本連載。今回は、「YouTuberになりたい」という息子を心配する父親へアドバイスを送る。 *  *  * 【相談者:11歳の息子を持つ40代の父親】  11歳の息子を持つ会社員の父親です。小学5年生になる息子の将来の夢は「YouTuberになること」。親世代にはなかった職業のために戸惑っています。スマホ漬けにならないか、個人情報が特定されないか、再生回数を増やしたいがために、悪ふざけの延長でモラルに反する行為に走らないか……など、リスクばかりを心配してしまいます。動画制作は創造性を高めるという見方もあるし、今後はそうしたスキルも必要とは思いますが、できれば我が子には「警察官」「医者」などの安定した職業をめざしてほしいというのが本音です。息子の夢をどのように受け入れ、応援してあげればいいでしょうか。 【論語パパが選んだ言葉は?】 ・「書に云わく、孝なる乎(かな)惟(こ)れ孝(こう)、兄弟(けいてい)に友(ゆう)なり、政(まつりごと)有るに施(ほどこ)すと」(為政第二) ・「惜しいかな。吾(わ)れ其(そ)の進むを見るなり。未だ其の止(とど)まるを見ざるなり」(子罕第九) ・「故(ふる)きを温(たず)ねて、新しきを知る」(為政第二) 【現代語訳】 ・「(書経の言葉を引用しながら)私はげんにこうして親に孝であり、きょうだいに友である。それこそが政治への寄与である。わざわざ政治家になる必要はない」 ・「顔淵(がんえん)の死は残念だ。彼が、日に日にたゆみなく進歩するのを、私はこの目で見た。その進歩が止まるのを見ることはなかった」 ・「歴史や古典による知恵によって、新しい事柄や現実の問題を深く認識する」 【解説】  お答えします。  安定した職業に就いてほしいと思う親の気持ちは、よく分かります。私自身、大学4年生になる息子を持っていますが、将来、どうやって口に糊するかと考えると「公務員採用試験でも受けてみたら」と言いたくなります。採用試験の勉強なんかしていないので、十分な点数がとれるはずもないのですが。  ところで、孔子は、「或(あるひと)」から、「子奚(なん)ぞ政を為さざる(先生はなぜ、政治に関与されないのですか?)」と質問を受けます。  孔子は、人が生きる上で最も重要な本質を突いて答えます。 「書に云わく、孝なる乎、惟れ孝、兄弟に友なり、政有るに施すと」(為政第二) 「書」とは、現在『書経』とか『尚書』と呼ばれる古代中国の歴史書で、孔子によって編纂されたものといわれています。理想の国家がなぜ崩壊していくのか、再び理想の国家をつくるためにはどうすればいいのかが書かれている本なのですが、その中に、この言葉が書かれています。 「親に孝であること、きょうだいに友であること」  これは「自分の父母にあたる世代の人への労いと感謝の気持ちを抱いて接すること、また自分と同世代の人々と互いに助け合うようにすること、これこそが政治への寄与である。わざわざ政治家になる必要なんかない」という意味です。  まず、どんな職業に就くとしても、この基本を忘れてはいけないでしょう。人は一人では生きていけません。生きるためには「孝」と「友」を忘れないようにすることが大事なのです。    さて、親の世代にはなかった「YouTuber」という職業について考えてみます。相談者さんの11歳のお子さんが仕事をする年齢になった時に、それが「職業」として残っているかどうか……それさえも分からないほど、今の世の中は大きく変化しています。大切なのは、「変化の波にさらわれすぎず、かつその波に乗れなくなってしまうこともない」ということではないかと思います。そのためには、「常に学び続けること」が必要になります。    孔子は、30歳くらいの若さで亡くなった最愛の弟子・顔淵の人となりについて次のように述べています。 「惜しいかな。吾れ其の進むを見るなり。未だ其の止まるを見ざるなり」(子罕第九)  顔淵は、名誉栄達を求めることなく、ひたすら孔子の教えを信じて、突き進んでいった人でした。とにかく「進む」、どんどん「進む」、そして決して「止まらない」。顔淵にかかわるこの「進」とは、人格を磨くための学びの進歩をさします。  それは、安定した職業、たとえば「警察官」「医者」などに就く場合も同じことが言えます。どんな職業に就くとしても、大きな時代の変化の波に乗り遅れないために学び続けることが大切ではないでしょうか。そのためには「故きを温ねて、新しきを知る」(為政第二)ことも必要です。先行きが不透明な時代だからこそ、歴史や先人の知恵にヒントを求めることもあるでしょう。  そう考えると「孝なる乎惟れ孝、兄弟に友なり(父母に孝であり、きょうだいに友である)」という基本を外しては、どのような職業に就いてもうまくいかないということになるのではないでしょうか。  ご子息が職業を選ぶ年齢になるまでには、まだ10年ほどありますね。それまでに、ぜひ、人生の基本を『論語』から学んでいただければと思うのです。  お父さん、息子さんの将来は、息子さんに任せましょう! それよりも親も時代の波に取り残されないよう、日々「進み」、「止まらない」ように自己研鑽を続けませんか。「親の背を見て子は育つ」と言うではありませんか! 【まとめ】 どんな職業に就いたとしても、「親世代へ感謝すること、同世代の友と助け合うこと」が大事。時代に取り残されないように己を磨き続けよう 山口謠司(やまぐち・ようじ)/中国文献学者。大東文化大学教授。1963年、長崎県生まれ。同大学大学院、英ケンブリッジ大学東洋学部共同研究員などを経て、現職。NHK番組「チコちゃんに叱られる!」やラジオ番組での簡潔かつユーモラスな解説が人気を集める。2017年、著書『日本語を作った男 上田万年とその時代』で第29回和辻哲郎文化賞受賞。著書や監修に『ステップアップ  0歳音読』(さくら舎)『眠れなくなるほど面白い 図解論語』(日本文芸社)など多数。母親向けの論語講座も。フランス人の妻と、大学生の息子の3人家族。
「眞子さまが小室さんとの結婚を強行すれば、秋篠宮家への不信感が増す」皇室緊急アンケート2万8641件の声
「眞子さまが小室さんとの結婚を強行すれば、秋篠宮家への不信感が増す」皇室緊急アンケート2万8641件の声 婚約内定の会見時の眞子さまと小室圭さん(c)朝日新聞社  秋篠宮家の長女、眞子さまと婚約が内定している小室圭さんが、8日に自身の母親と元婚約者との間の金銭トラブルをめぐる文書を公表したことを受け、ニュースサイトAERAdot.では、緊急アンケートを実施した。計2万8641件の回答が寄せられた。小室さん側は文書公表によって説明を尽くしたともいえるが、アンケートには批判的な回答が殺到。その後報じられた「解決金」や眞子さまのコメントについてもさまざまな意見が寄せられた。抜粋して、「上」「下」2回に分けて紹介する。「下」は小室さんの「解決金」報道と眞子さまのコメントについて。 >>【上:「小室さんの対応は眞子さまへの愛情が感じられない」皇室緊急アンケートに2万8641件の声】より続く *    *  *  アンケートは9日深夜から12日まで実施。回答者を無作為に抽出した調査ではなく、インターネット上で意見を募るという方法だった。期間中は何度でも回答できた。  回答者の内訳は女性23949人(83%)、男性4692人(16%)。年齢層は、40代8815人(30%)と50代8384人(29%)が占めた。続いて、60代4539人(15%)、30代4205人(14%)。皇室への関心については、「ある」と答えた人が78%。「どちらでもない」は18%、「ない」は3%だった。 アンケートの回答の内訳  アンケートの質問は大きくわけると3つ。眞子さまと小室圭さんの結婚について、8日に公表された小室さんの文書について、そして文書公表に対する眞子さまのコメントについてだ。ところがアンケートの期間中、新たな情報が飛び込んできた。12日夕方、小室さん側が元婚約者に「解決金」の支払いを検討しているというニュースが流れたのだ。  アンケートは同日24時で締め切ったが、この「解決金」に言及した回答が多数見受けられた。まず、質問にはないその回答から紹介していく。 ■    「二転三転して説得力がない」 解決金の財源が焦点に  回答者は、文書公表からわずか4日で、解決金の方針を出したことに対して不信感がぬぐえないようだ。そして、そのお金の出所についても関心が集まっている。 「解決金を支払うという報道があったが、28枚の文書はなんだったのか。自分が苦しい時に助けてくれた元婚約者に対して、文書では上から目線で追い込み、感謝の気持ちすら表わさなかったと感じていました。それが世論の反応をみて、今度は返済しますとなったように思えます。どこからお金は出るのか。宮内庁には、良識を持って断固たる処置をとってもらいたい」(60代・男性) 「文書は超大作で贈与だと言い張ったように読めた。解決金報道は、その後すぐに『返す』と前言撤回したようで、呆れた。身を引いた元婚約者をまた引っ張り出す気なのだろうか。自分の事しか考えられないのだなと思った」(40代・女性) 「解決金を支払う意思があるようだが、小室さんの言うことが二転三転して説得力がない。収入もないのに、いくら元婚約者へ返済するのだろうか。眞子さまか宮家が支払うのではないだろうかと疑ってしまう。お金の出どころをきっちり発表して欲しい」(50代・女性) 小室圭さん(c)朝日新聞社  小室さんは現在、米ニューヨーク州の弁護士資格を取得するために留学中。学生の身分でまとまったお金をどうやって用意するのか。国民の疑問がついて回るのは当然だ。  このまま解決金を支払ってお2人が結婚に踏み切った場合、皇室にどのような影響を及ぼしうるのだろうか。象徴天皇制に詳しい河西秀哉・名古屋大学大学院准教授(歴史学)は次のように指摘する。 「まずは解決金の財源を明確に説明しないと、皇室が払ったのではないかと捉えられる恐れがあります。もし皇室が金で解決させたという認識が広まれば、人々の支持を失う可能性は大きい。さらに、きちんと国民に説明することなく、金で解決したという見方がされれば、これまでの皇室との断絶を感じる人もいるしょう。このような解決の仕方では、秋篠宮家に皇位が移ることへの懸念も出てくるのではないでしょうか」 小室さんの文書についての意見のアンケート結果 ■    「情けないとしか…」眞子さまへの厳しい視線  さて、アンケートの質問と回答に戻ろう。今回、国民が驚いたのは、小室さんの文書の内容だけでなない。文書発表をうけて、眞子さまは宮内庁を通じて「今回発表された文書を読まれて、いろいろな経緯があったことを理解してくださる方がいらっしゃれば有り難い」とのコメントを寄せた。さらに、眞子さまは金銭トラブルの報道が出た直後から小室さんの相談にのり、これまでの対応も眞子さまの意向が大きかったとことも明らかになった。  アンケートではこうした眞子さまの対応やコメントについて、どのように感じたかを尋ねた。アンケートの回答者には偏りはあるものの、総じて厳しい反応が大勢を占めた。 笑顔が眩しい眞子さま(c)朝日新聞社 「民間人同士の金銭トラブルに皇族が介入し、一方の肩を持つような行動は、皇室の品位を著しく落とし、皇室の存在意義を揺るがした」(40代・女性) 「眞子さまが一般人を責めているともとれる文書に加担されているとは、情けないとしか言いようがない。人の信頼や尊敬の気持ちを踏みにじるような態度が、皇室のふるまいなのかと疑問に思います」(50代・女性) 「文書発表に眞子さまが同調しているのかと思うと、非常な失望を覚えた。これは、皇族である眞子さまが、小室さんと一緒に一国民である元婚約者の方を追い詰めているような図式になっているのに、ご本人は全く気がついていないのだろうか。眞子さまには幸せになって頂きたいとは思っていたが、ここまで盲目的になってしまったのなら、もう勝手にすればと匙を投げたい気持ちです」(40代・女性) 皇室への関心を尋ねたアンケート結果  アンケートの回答者は皇族のふるまいとして眞子さまのコメントに落胆しただけでなく、一般人との金銭感覚の乖離を強く意識してしまったようだ。 「眞子さまの生活や教育に税金が使われてきたと思うと腹立たしくなります。どの親だって自分の子供に充分な生活や教育を与えたいと思っています。でもそれが叶わない人もいる。それでも納税しています。ご自身に与えられている環境を当たり前のものだと思わないでほしいです」(40代・女性) 「小室さん親子だけでなく、相談に乗られた眞子さまにも、元婚約者の方に対する配慮がないことが残念でなりません。(眞子さまと婚約が内定している小室さんは)今や純粋に一般人とは言えない立場であり、一方的な内容の文章を公開されても、元婚約者の方には対抗する手段は少ないでしょう。何年にも渡って弁護士を雇う金銭的な負担がどのくらいになるか、眞子さまは理解してらっしゃるのでしょうか」(50代・女性) 眞子さまと佳子さま(c)朝日新聞社 ■   「あまりよい予感がしない」 秋篠宮家の今後  結婚は当事者二人の「合意」が大前提ではあるが、現実社会では家族の問題となることが多い。報道によれば秋篠宮ご夫妻は今回の文書について、「小室家側が、この問題を解決するために行ってきたいろいろな対応が、見える形になるよう努力したもの」と受け止めているという。秋篠宮家についての意見も紹介しよう。 「秋篠宮ご夫妻がはたしてきちんと『そもそもの問題』に気が付いているのか心配です。私は、小室さんは助けてくれた人に対し誠実な行動をとろうとしていないと感じた。そもそも、そう感じさせる小室さんの考え方や態度の問題であり、皇族に関わる可能性のある人間のふるまいとしてふさわしくないと多くの国民が感じているのです」(50代・女性) 「小室さんの文書は『見える形になるよう努力したもの』であることは間違いない。しかし、秋篠宮ご夫妻は、その内容・主張を全て正しいとお認めになったとはおっしゃっていない。お立場上ギリギリのご回答と思った。万一、白紙の場合でも、民間人の小室さん親子を貶めて終わる事はできないだろう」(70代・女性) 「『見える形』。この言葉の真意によると思います。良い形という意味ならば、国民の感覚とはずれているなと思います」(30代・女性) 「眞子さまがお育ちになる過程で、皇室の役割や責務を親として説くのも秋篠宮ご夫婦の責任と思います。こんな状態になる前に、もっと話し合いの場を持つなど、積極的に動かれるべきだったと思いますし、今からでもご対応いただきたいです」(40代・女性) 「多くの国民が『納得し喜ぶ状況』とはあまりにもかけ離れている。ご結婚を強行なされば、秋篠宮家への不信感が増し、国民からの敬愛を失うと思う」(60代・女性) 秋篠宮家(c)朝日新聞社 「毅然としたところが感じられない。公人なのだから、ときには私情を捨てなければならない。それが出来なければ皇室とはいえないのではないか」(70代・女性)  夫婦・家族問題の専門家は一連の問題をどうみているのか。4万組近くの夫婦のあり方を見てきた夫婦・家族問題評論家の池内ひろ美氏は懸念を口にする。 「将来、秋篠宮家の長男、悠仁さまが天皇陛下になる可能性が高い。もし眞子さまと小室さんが結婚した場合、小室さんは将来の陛下の義理の兄になるわけです。そのことも含めて、大丈夫かなと心配になります。本当の問題は、元婚約者から受けとったお金が借金か否かではなく、小室さんと彼の母親の考え方やふるまい、個人としての姿勢の問題だとみています。とても悲しいことですが、4万人近くのご夫婦を見てきた経験から、あまり良い予感がしません。ご結婚後の方が問題山積になると危惧します」  10月23日に30歳を迎える眞子さま。このまま結婚に突き進むのか。国民は不安と期待の入り混じる目で推移を見守っている。 (AERAdot.編集部/岩下明日香、飯塚大和)
「小室さんの対応は眞子さまへの愛情が感じられない」皇室緊急アンケートに2万8641件の声
「小室さんの対応は眞子さまへの愛情が感じられない」皇室緊急アンケートに2万8641件の声 婚約内定会見時の眞子さまと小室圭さん(c)朝日新聞社  秋篠宮家の長女、眞子さまと婚約が内定している小室圭さんが、8日に自身の母親と元婚約者との間の金銭トラブルをめぐる文書を公表したことを受け、ニュースサイトAERAdot.では、緊急アンケートを実施した。計2万8641件の回答が寄せられた。小室さん側は文書公表によって説明を尽くしたともいえるが、アンケートには批判的な回答が殺到。その後報じられた「解決金」や眞子さまのコメントについてもさまざまな意見が寄せられた。「上」「下」、2回に分けて紹介する。「上」はお2人の結婚と小室さんの文書について。 *    *  * アンケートは9日深夜から12日まで実施。回答者を無作為に抽出した調査ではなく、インターネット上で意見を募るという方法だった。期間中は何度でも回答できた。 回答者の内訳は女性23949人(83%)、男性4692人(16%)。年齢層は、40代8815人(30%)と50代8384人(29%)が占めた。続いて、60代4539人(15%)、30代4205人(14%)。皇室への関心については、「ある」と答えた人が78%。「どちらでもない」は18%、「ない」は3%だった。 アンケートの回答の内訳  早速、質問と回答の詳細をみていこう。まずは眞子さまと小室圭さんの結婚に対し、「どう思うか」とたずねた質問について。回答は「いいと思う」1%(336件)、「よくないと思う」97%(27920件)、「どちらとも言えない」1%(358件)。回答者に偏りはあるものの、お2人への結婚についての世間の厳しい声を反映した結果だった。  併せてその理由もたずねた。抜粋して紹介していく。 ■    眞子さまへの愛情・責任・勇気を感じられない まずは、「よくないと思う」の理由について。これまでの小室さんの一連の対応には納得できないからという内容が多かった。 「10月に結婚という報道があるが、それまでに小室さんが国民からの信頼やイメージを回復できるとは思わない」(30代・女性) 「(小室さんが8日に発表した文書は)相手の言葉尻をとって自分を正当化しようとしているようで、品性に欠けると感じました」(40代・女性) また、小室さんの対応からは眞子さまへの愛情を感じられないという声も目立った。  「眞子さまを本当に思うのであれば、小室さんは留学する前に『人として』の対応をするべきだった。批判の矢面に立つのは眞子さまや皇室。愛情・責任・勇気を感じることができませんでした」(50代・女性) 「結婚はしっかり自分の足で立ち、生活基盤を固めてから。なぜ焦るのか。長い文書を発表するよりは、『幸せにします』と言える時期まで静かに育んだらと思います」(60代・女性) 「小室さんは永続的な金銭と社会的地位に固執しているとしか思えない。眞子内親王をお守りしようとする愛情や誠意が全く見られない」(40代・女性) 小室圭さん(c)朝日新聞社  一方で、「いいと思う」という回答者の理由はどうか。その多くは、結婚をして、皇籍を離脱すれば、「一般人」になるのだから自由にすべきだという意見だ。 「皇族のご成婚も自由化されているのですから、小室さんが文書を発表し、眞子さまも同意され、ご両親も納得されているのであれば、これ以上何も言う必要はないのでは」(60代・女性) 「元皇族の女性とその家族を、あたかも『準皇族』として扱う在り方がこの事態の根本にあると思います。皇室と国民の間にグレーゾーンのように『元女性皇族』が存在する事が、眞子さまの結婚をグレーにするのだと思います」(50代・女性)  「どちらともいえない」と回答した人の理由については、以下のように賛成はできないとも読める内容が多かった。 「結婚は2人の意思によるものだと思う。ただ、『割れ鍋に綴じ蓋』は否めないのかと」(30代・女性) 「結婚は自由だと思うし、応援したい気持ちはある。しかし、一度こじれてしまったものを戻すのは簡単なものではない。小室さんだけがつらいわけではなく、眞子さまは自分の両親と夫の間に挟まれ苦労する事になる。一度婚約を解消し冷却期間を置いた方がいいように思う」(40代・女性)  このように、今回のアンケートで批判的な回答が多いことについて、夫婦・家族問題評論家の池内ひろ美氏は、「予想通りです」。批判的になってしまう理由については、「眞子さまを思うがゆえ」だと指摘する。 「多くの国民が心配しています。眞子さまには幸せになってほしいと願っているからこそ、小室さんで大丈夫なのだろうかと不安になるのです。眞子さまご自身は、これまで後ろ暗いことは何一つなかった。それだけに、小室さんの件で幸せな結婚が危ぶまれていることが、とても残念なのです」 皇室への関心についての質問のアンケート結果 ■    小室さんの28ページの文書は「筋が通らない」 今回、小室さんが8日に公開した文書についての「受け止め」や「解釈」もたずねた。「小室さんは秋篠宮さまや宮内庁長官が求めた金銭問題の説明を果たしたと思うか」と質問し、「十分に果たしている」という回答は1%(412件)、「十分とはいえない」が 94%(27121件)、「どちらとも言えない」は4%(1108件)だった。 ほとんどが納得できていないという回答。その理由や文書をどのように解釈したのか、回答の詳細をみていこう。  まず、内容以前に28ページという分量、言い回しや体裁、文書発表に至るまでの経緯から不信感が募ったという回答は以下の通り。 「文書を出す前に援助してもらった方と和解し、文書の内容に同意してもらってから出すべき。一方的な主張では解決したとは言えない」(50代・女性) 「28ページもいるのか」(30代・女性) 「あんな分かりにくい長ったらしい文書は嫌がらせでしょうか!?」(60代・女性) 「自分を正当化することに固執する姿勢、眞子さまとの結婚より母親と自分の名誉を優先する言動、そして国民を難しい表現でねじふせようとする傲慢さを感じました」(50代・女性) 「A4用紙1枚にまとめられる内容を28枚もの長文で、自己弁護のみに終始した的外れな内容。眞子様に対する愛情は全く伝わってこない。長期にわたって状況が膠着し、天皇陛下、秋篠宮ご夫妻、国民に対して心配をかけていることに対してのお詫びの言葉は一言もない」(50代・女性) 笑顔が眩しい眞子さま(c)朝日新聞社  小室さんは文書の中で<早期解決と引き換えに借金でなかったものが借金であったことにされてしまう事態を受け入れることはできないと考えたからです><一般的に金銭トラブルと呼ばれていますが、切実に名誉の問題でもありました>などと金銭トラブルについての考え方を説明。また、元婚約者の男性とのやりとりの録音の一部も記載されている。  アンケートの回答で文書の内容については、一般の常識からかけ離れているという意見が多かった 「『借金』という言葉にこだわっているように読めたが、眞子さまと結婚したいということが第一ではないのか。そのためにはどうすればいいのかと考えないのか。名誉にかかわるって云うけれど、小室さんの金銭感覚ってどうなっているんだろう? お金は簡単に湧いてくるとでも思っているのか?」(60代・女性) 「言い訳に終始した論文。借金じゃないというならば、元婚約者への感謝をシンプルに宣言すればいいだけなのに相手を責めて、『俺は悪くない、おかんも悪くない、相手が嘘つきだ』に終始している印象です」(40代・女性) 「(元婚約者側が小室さん側に渡したとされる金額の)約400万円は働く人の平均年収。1年間真面目に働かないと手にできない大金を、困っている自分のために快く用立ててくれた人を、世間では恩人と言うのではないでしょうか。その恩人に対して、感謝するどころか、被害者面で(やりとりを)録音するだの、こんなバカな話がありますか」(40代・女性) 「『返してもらうつもりはなかった』という録音を証拠アリのように書いていたが、自分の都合の良い部分だけ切り取った録音は証拠能力が乏しいと思う。そもそも援助してくれた方への態度なのでしょうか。人間性を疑いたくなりました」(40代・女性) 小室さんの文書について意見の結果  また、そもそも文書でというかたちでの説明に疑問の声も。 「突っ込みどころを突っ込もうにも『会見』ではなく『文書』では直接突っ込めない。一方的に文書だけ出して『説明責任を果たした』というのは筋が通らない」(30代・女性)  このような反応について、象徴天皇制に詳しい河西秀哉・名古屋大学大学院准教授(歴史学)は「まずは顔を見せて会見することが重要です。『分かってもらえるように』丁寧に説明をするべきです」と指摘する。 「初めはちょっとした疑問だったものが、小室さんが説明責任を避けてきたことで、だんだんと強い疑念として固まっていった。そして、今回の文書で火に油を注いでしまった印象です。平成以降、現在の天皇陛下や上皇陛下は積極的に自らの顔を出し、姿を見せて、国民に語りかける姿勢を重視してきました。文書で済ませようとする小室さんの対応からは、皇室がこれまで大切にしてきた姿勢が見えてこないのです」 ■ 小室さんは「一般人」だけど…複雑な胸中  もちろん、批判的な意見ばかりではなく、「十分に果たしている」と小室さん側に理解を示す回答もあった。このように回答した人は、小室さんの文書を丁寧に読み込んでその主張に納得しているようだ。また、これまでの報道が一方的だったと疑問視する声もあった。 「今までメディアは元婚約者の言い分を一方的にタレ流してきた。今回の文書では元婚約者が『返してもらうつもりはなかった』と語った音声データが存在し、当初から贈与のつもりであったことが分かった。この内容が誤りだというのなら、元婚約者側は反論すべきでしょう。ボールは元婚約者に投げ返されたのです」(50代・男性)  また、「どちらとも言えない」と回答では、小室さんが「一般人」であることが評価を保留する大きな理由として挙げられていた。 「そもそも小室さんだけが説明する必要があるのか疑問に思います。小室さんはあくまで私人で公人は皇族である眞子内親王です。私人である小室さんが説明した以上、公人である眞子内親王及び親である秋篠宮さまが会見等で説明する機会を設けるべきだと思います」(20代・女性) 眞子さまと小室圭さん(c)朝日新聞社  立場を理解しつつも、複雑な気持ちを抱いているのも確か。 「皇族であれば公人なので説明しなければならないが、一般人ならば金銭トラブルを世間に公表する義務はない。つまり、金銭問題の説明は、皇族としてやっていくのであれば必要。だが、お2人を私は皇族としては認めたくない気持ちがある」(50代・女性)  このように、小室さんの文書は多くの人には理解しがたく、受け入れられてはいないようにみえる。河西氏も「説明責任を果たしているとは思えない」と話す。 「文書はとても事細かく書かれていますが、『あなたたちが勝手に誤解した』『自分は悪くない』といった思いが透けて見えます。あれは自己弁護の書であって、国民の納得を得られないのも当然です」    文書は「おわりに」として、<いろいろな事情があったのだということを理解してくださる方が1人でもいらっしゃいましたら幸いです>と小室さんが国民に理解を求める言葉で締めくくっていた。これを受けた回答を最後に紹介しておこう。 「『一人でも理解して…』と結んでいたが、国民のほとんどの祝福が得られないことだろう。結婚云々より、まず、就職して、自立せよ。一般人でも、当たり前。まして、お相手は皇室だぞ」(70代・男性)  2人を祝福できる日はいつになるのか。   >>【下:「眞子さまが小室さんとの結婚を強行すれば、秋篠宮家への不信感が増す」 皇室緊急アンケート2万8641件の声】に続く (AERAdot.編集部/岩下明日香、飯塚大和)

カテゴリから探す