甲子園のレジェンドが明かす忘れられない名シーンとは
左から植草貞夫さん、京都フローラ小西美加選手、太田幸司さん
花鈴のマウンド 1(ソノラマ+コミックス)/紫々丸著、イラスト:きみどり
いよいよ開幕した第99回全国高校野球選手権。阪神甲子園球場では、今年も地方大会を勝ち抜いた高校球児による熱戦が繰り広げられている。これまで数々の名勝負、伝説のシーンを作り上げてきた甲子園で、今年はどんなドラマが生まれるのだろうか。甲子園大会の歴史に名を残すレジェントからも熱い思いが寄せられている。
元朝日放送アナウンサーの植草貞夫氏は、長いアナウンサー生活の中でも、とくに印象深い仕事が高校野球だという。
「1960年から1988年の28年間は、夏の大会の決勝戦をすべて実況できたことがなによりも自慢です。高校野球ファンは熱心で、あのとき、こんな実況をしましたね、と言われるのはうれしいものです」(植草氏)
なかでも植草氏の記憶に残るのは、延長18回と翌日の再試合を投げ抜いて、日本中に感動を与えた名シーン。その主役は元プロ野球選手で現在は野球解説や日本女子プロ野球機構スーパーバイザーを務める太田幸司氏だ。
「実際にマウンドに立った本人としては、いつまでも言われるのが若い頃は嫌でしたね。でも、この歳になって考えると、やっぱりいろいろな影響力があったのかなと思います」(太田氏)と、当時を振り返る。
誕生から8年を迎える女子プロ野球で活躍中の京都フローラ・小西美加投手も大歓声に包み込まれるような独特の雰囲気を持つ甲子園球場には、特別な思いがあるという。
「高校球児だった兄が惜しくも甲子園出場を逃したときに『あの1試合に勝ったか負けたかで人生ががらりと変わった』と言っていたのが印象に残っています。甲子園に行くことを夢見ていた兄をそばで見ながら、自分も憧れを抱いて、プロになりました」(小西選手)
それほど、甲子園は野球を愛する人にとって大きな存在なのだ。
「いずれは、各都道府県の代表校が甲子園で戦うという日が訪れるのではないでしょうか。そんな時代が来るのを楽しみにしています」(太田氏)
小西選手には、いつか甲子園で試合をしてみたいという願いが今もあるという。
「野球を頑張る女子高生たちが甲子園のマウンドに立てることが夢ではなく、目標にできれば、野球を頑張りたい。続けたい。そんな子たちがもっと多くなり、女の子だって野球をすることが当たり前になる日も遠くはないと思います」(小西選手)
そんな思いを描いた、女子硬式野球部所属のヒロインが、幾多の困難に立ち向かいながら、夢の舞台「甲子園」を目指す物語──。「朝日ソノラマコミックス 花鈴のマウンド1」は朝日新聞出版から発売中だ。
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2017/08/10 07:00