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...者数がここまで増えた理由とは? 2022中学受験
写真はイメージです/GettyImages
コロナ感染が急拡大するなかで実施された今年の中学入試ですが、受験者数・受験率ともに8年連続での上昇となりました。安全志向が働き、中堅上位から下位校のボリュームゾーンで受験者数が増加しましたが、「御三家」と呼ばれる難関校や、人気の大学付属校はどうだったのでしょうか。※本文中の志願者数はのべ志願者数(応募者数)
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森上教育研究所代表の森上展安さんは、「難関校は通常、広域から志願者が集まるのですが、コロナ禍で遠距離移動を回避するような状況下では、中堅校に比べて志願者数が伸びにくい」と話す。また難関校には、1年おきに増減を繰り返す、隔年減少が見られるという。
今年の男子難関校の注目は武蔵(東京都練馬区)だ。584人から640人と増やしている。サピックス教育情報センター本部長の広野雅明さんは、その理由をこう話す。
「2019年に就任した杉山剛士校長は、埼玉のトップ公立校・県立浦和高校の校長を務めた経験があり、大学進学に良い結果を出してくれるのではないかと期待されています。また武蔵学園の広報が力を入れ、中高の魅力の発信に努めている。さらに田中愛治・早稲田総長、五神真・前東大総長など、OBがアカデミックの世界で活躍している影響も大きいと思います」
開成(東京都荒川区)は1243人から1206人と微減。昨年減少した麻布(東京都港区)は、881人から934人と増加に転じた。逆に昨年増加した駒場東邦(東京都世田谷区)が、645人から565人に減らした。昨年新理科館が完成した海城(東京都新宿区)は1998人から2060人に伸長した。
今年、男子御三家のなかで、開成の入試当日の欠席者が他校に比べてやや多かったという。その理由を広野さんは「御三家のなかで、唯一開成だけがコロナ感染者や濃厚接触者のための追試を設けていたことも理由の一つ」として、こう説明する。
■追試のために開成にダブル出願する人も
「開成以外の難関校を第1志望とする受験生が、万が一試験日前にコロナに感染するなどして第1志望を受けられなかった場合には開成を追試で受験しようと、第1志望と開成にダブル出願するケースもあったようです」
女子御三家は、桜蔭(東京都文京区)が581人から557人、雙葉(東京都千代田区)が385人から381人と微減。女子学院(東京都千代田区)が723人から769人と増加した。豊島岡女子学園(東京都豊島区)は今年から高校募集を停止するが、影響はなく例年並みだった。昨年増加した鴎友学園女子(東京都世田谷区)は1327人から1317人へと微減、逆に吉祥女子(東京都武蔵野市)は1482人から1583人に増加した。
栄光学園(神奈川県鎌倉市)は811人から750人と減少し、逆に聖光学院(横浜市)が1390人から1431人と増加した。フェリス女学院(横浜市)は435人から464人と増加。千葉のトップ校・渋谷教育学園幕張(千葉市)は昨年減少したが、2380人から2568人と復調した。渋谷教育学園渋谷(東京都渋谷区)は2100人から2277人に増加。近年、特に男子の志願者が増えているという。
「渋谷教育学園渋谷は2月2日にも入試を行う学校ですが、男子受験生が2月1日に併願するのが一番多いのは開成なんです。受験者層のレベルが上がって、厳しい入試になっています」(広野さん)
■日大系の付属校は失速
大学付属校でも、難関校は隔年減少が見られた。また、早稲田大、慶應義塾大、MARCH(明治大・青山学院大・立教大・中央大・法政大)よりも、日本大や東洋大、東海大などの中堅校の付属校の志願者が増える傾向が続いている。
昨年多くの受験生を集めた日本大学系の付属校は、今年も志願者を集めたものの、勢いが落ちている。日本大学系唯一の男子校として人気の日本大豊山(東京都文京区)は、昨年の3012人から2678人へと減少した。
「模試では毎回のように志望者数が上昇していましたが、入試本番ではその勢いが低下しました。日大のアメフト問題の時は影響しなかったのですが、今回は前理事長の脱税事件で、私学助成金が交付されなくなったことが響いたのでは」(安田さん)
午後入試の導入をきっかけに大幅に志願者を増やした獨協(東京都文京区)は、獨協医科大学が系列校に合計10人の推薦枠を設けたことで、昨年の1858人から2208人と増加した。
■注目は理系大学の付属校
東京農業大学第一(東京都世田谷区)も、2178人から2274人に増加している。
「大学がすぐ近くにあり、理系志向の受験生に人気です。近所には鴎友学園女子、恵泉女学園もあるので女子は併願しやすい」(広野さん)
神奈川県は志願者減となった学校が多かったが、神奈川大附属(横浜市)は1778人から2200人へ、関東学院(横浜市)も1401人から1905人へ増加した。
「理工系大学出身者の就職状況が好調なことから、理工系大学付属の志願者も増えています」(安田さん)
工学院大附属(東京都八王子市)は506人から777人へ、東京電機大(東京都小金井市)は1318人から1374人へ、東京都市大付属(東京都世田谷区)は3534人から3966人へ増加した。社会や経済のDX(デジタル改革)が急激に進むなか、今後もこうした理工系大学付属校の志願者は増えそうだ。
(文/柿崎明子)




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