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一冊の本

4月号作家・KDDI総合研究所リサーチフェロー 小林雅一 Kobayashi Masakazu病気を治すため「遺伝子を手術する時代」が間近に
4月号作家・KDDI総合研究所リサーチフェロー 小林雅一 Kobayashi Masakazu病気を治すため「遺伝子を手術する時代」が間近に 今、生命科学の分野で史上空前の技術革命が起きようとしています。それは「ゲノム編集」と呼ばれる超先端バイオ技術です。この技術を使うと、私達人類を含む、あらゆる動植物の「ゲノム(全遺伝子)」を自由自在に書き換えられます。
4月号ノンフィクション作家・探検家 角幡唯介 Kakuhata Yusukeドキュメンタリストとしての矜持、あるいは誠実さ
4月号ノンフィクション作家・探検家 角幡唯介 Kakuhata Yusukeドキュメンタリストとしての矜持、あるいは誠実さ 仕事柄、ノンフィクションとは何なのかと考えることが多い。ノンフィクションとはフィクションではない物語、一言でいえば創作ではなく事実にもとづいた物語だ。映像の世界ではドキュメンタリーという言葉がよくつかわれる。そのノンフィクション作家やドキュメンタリストが依拠している事実なるものだが、はたして真のまぎれもなき事実、誰にとっても間違いのない事実というのは一体どこに存在するのだろう。この問題を考え出すと、ノンフィクションとは何かという問いは哲学的な深みに沈み、答えの出ない禅問答のごとき輪廻をくりかえす。
3月号精神科医 名越康文 Nakoshi Yasufumi人生を支えてくれる言葉
3月号精神科医 名越康文 Nakoshi Yasufumi人生を支えてくれる言葉 この本は古今東西、歴史的に著名な作家や思想家、政治家たち、いわゆる偉人と呼ばれる天才たちが遺した13の「名言」を取り上げたものです。ただし、金科玉条の言葉をセレクトして紹介する本の一般的なイメージからすると、ずいぶん変わった趣向だな、と思われる一冊かもしれません。というのも、この世の本質や真実を極めてシンプルに突いた「名言」に対し、おせっかいにもこの私が、いろんな解釈や思いつき、インスパイアされた余談などを、あれこれと重ねていった。つまりはフリーズドライのように凝縮された言葉を、いまの等身大の日常生活で使えるように湯戻ししていった。そうしてどんどん新たな言葉が膨らんでいく過程を書きとめたのが、この本というわけです。
2月号下町ボブスレーネットワークプロジェクト ゼネラルマネージャー 細貝淳一 Hosogai Junichi全力で夢を追いかける
2月号下町ボブスレーネットワークプロジェクト ゼネラルマネージャー 細貝淳一 Hosogai Junichi全力で夢を追いかける 下町ボブスレーは、大田区の町工場が力を合わせてボブスレー競技のソリを開発・製作し、五輪出場を目指すプロジェクトだ。6年間に10台ものソリを作り、日本ボブスレー連盟から2回の不採用通告を食らっても、夢をあきらめず世界に行動範囲を広げ、映画「クール・ランニング」で有名なジャマイカボブスレーチームに採用された。本書『下町ボブスレーの挑戦』を11月末に脱稿した時、私たち下町プロジェクトはジャマイカチームとともに五輪参戦に王手をかけていた。

この人と一緒に考える

1月号京都精華大学国際マンガ研究センター教授 吉村和真 Yoshimura Kazuma漫画の歴史をより豊かにする方法
1月号京都精華大学国際マンガ研究センター教授 吉村和真 Yoshimura Kazuma漫画の歴史をより豊かにする方法 「鳥獣人物戯画」略して「鳥獣戯画」は、平安時代末期の鳥羽僧正覚猷(かくゆう)作と目される、全四巻の墨画絵巻である。京都は高山寺(こうざんじ)に伝わり、現在は国宝として京都と東京の国立博物館に寄託保管されている。テレビや学校教科書などで紹介されてきたこともあり、兎と蛙の相撲や猿が袈裟を着て読経するあたりの場面は広く知られている。
12月号エッセイスト 小島慶子 Kojima Keiko“母娘問題の総集編”
12月号エッセイスト 小島慶子 Kojima Keiko“母娘問題の総集編” 信田さん自ら“母娘問題の総集編”と銘打つ一冊。母娘関係に悩む人、興味がある人は他の何よりもまずこの本を読むことをお勧めします。臨床心理士として、早くからこの問題に取り組んできた信田さん。本書では母娘問題の歴史を繙き、詳細な事例とともに、何が問題かを丁寧に分析し、新たな課題を提示しています。
11月号朝日新聞記者 鯨岡仁 Kujiraoka Hitoshiデフレ全史――日銀と政治の水面下の攻防
11月号朝日新聞記者 鯨岡仁 Kujiraoka Hitoshiデフレ全史――日銀と政治の水面下の攻防 「デフレ世代」という言葉がある。1980年代後半以降に生まれ、物心がついたときには、物価や賃金が上がらず、むしろ下がっていく状況が日常だったという、いま30代前半までの世代である。各種調査によれば、この世代は、見栄のために高価なものを買ったりすることはなく、必要かつ自分が納得したものだけにお金を使う。安定志向が強く、終身雇用を好む傾向にあるという。  デフレーション(デフレ)とは、物価が持続的に下がり続け、一国の経済規模を示す「名目国内総生産(GDP)」が増えないか、あるいは縮んでいく現象を指す。

特集special feature

    10月号竹山博英 Takeyama Hirohideプリーモ・レーヴィの祖先の地
    10月号竹山博英 Takeyama Hirohideプリーモ・レーヴィの祖先の地 プリーモ・レーヴィはトリーノで生まれ、死ぬまでトリーノで暮らした。そして父のチェーザレも子供の時からトリーノで暮らしていたので、レーヴィはトリーノの作家というイメージがあった。そのため彼の祖先の地がベーネ・ヴァジエンナであることは知っていたが、そこを訪ねるのは何となく後回しになっていた。この町はピエモンテ州の南部にあり、人口は3千ほどだが、鉄道が通っていなくて、交通の便が良くないという点もあった。
    10月号尾藤誠司 Bito Seiji他者と社会につながる「感じ考える身体」
    10月号尾藤誠司 Bito Seiji他者と社会につながる「感じ考える身体」 医療(ここでは西洋医学に基づいた医療を指します)という職業を一言でと問われたら、「科学(医学)という道具を使って、人間が持っている壊れた部分を見つけ出して、それを修復すること」だと答えています。私も含めた医師たちは卒前の医学部教育から卒後専門家としての生涯にわたる成長の過程で、ずっと「科学(医学)という道具を使って、人間が持っている壊れた部分を見つけ出して、それを修復する」ための能力を磨き続けることに邁進していきます。そして、患者が持っている問題を最速で見つけ出し、最適な解をそこに提示することができる人間が「名医」と呼ばれます。そのプロセスにおいて重要になるのは、「逸脱していることは悪いことである」という前提や、「すべての病気はメカニズムの破たんに基づく因果モデルで説明することができる」という前提、さらには、「問題は解決されなければならない」という前提であったりします。このような前提をもとに、私たち医師は日々のトレーニングを続けています。いうなれば、医師は、問題を特定し、評価し、因果モデルに基づいてその問題を迅速に解決するエキスパートとしての訓練を受け続けている職種であるといえます。それは、一方向性で、絶対で最適な解を導き出す思考を表しています。
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