11月号朝日新聞記者 鯨岡仁 Kujiraoka Hitoshiデフレ全史――日銀と政治の水面下の攻防
「デフレ世代」という言葉がある。1980年代後半以降に生まれ、物心がついたときには、物価や賃金が上がらず、むしろ下がっていく状況が日常だったという、いま30代前半までの世代である。各種調査によれば、この世代は、見栄のために高価なものを買ったりすることはなく、必要かつ自分が納得したものだけにお金を使う。安定志向が強く、終身雇用を好む傾向にあるという。 デフレーション(デフレ)とは、物価が持続的に下がり続け、一国の経済規模を示す「名目国内総生産(GDP)」が増えないか、あるいは縮んでいく現象を指す。
著者から
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