小学校教員採用ランキング(1~10位)/データは大学通信調べ(2016年実績)
小学校教員採用ランキング(1~10位)/データは大学通信調べ(2016年実績)

 小学校教員に採用されるためには、厳しい競争を勝ち抜かなければならない。全国で教員採用に強い大学はどこか。「大学ランキング2018」(朝日新聞出版)から、上位大学の顔ぶれと、その特色を紹介する。

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 教員採用数を全体でみると、小学校教員は、愛知教育大、北海道教育大、大阪教育大など、国立の教員養成系単科大学が強い。

 小学校教員は、全国各地の国立大学教員養成系学部出身が多いようにみえるが、そうでもない。地域単位で比べると、私立大学が優位に立つところがいくつかある。(以下、カッコ内は全国順位)

埼玉県=文教大(4位)>埼玉大(12位)
静岡県=常葉大(20位)>静岡大(23位)
神奈川県=鎌倉女子大(27位)>横浜国立大(39位)
岐阜県=岐阜聖徳学園大(5位)>岐阜大(23位)
兵庫県=武庫川女子大(10位)>兵庫教育大(25位)

 多くの場合、私立大学のほうが学生数は多いのだが、理由はそればかりではない。ランキング上位の私立大学は、早期から教員養成に力を入れている。これらの地域では、私立大学出身者がしっかり教員ネットワークを築いている、つまり、“でかい顔”ができる、ということだ。

 岐阜聖徳学園大では、「学校ふれあい体験」(1年)、「教育実践観察」(2年)、「教育実習」(3年)、「学校インターンシップ」(3、4年)と、全ての学年において現場で学んでいる。「私立大学では10年連続1位」と謳う文教大では、2年生が地元・越谷市内の小学校で「先生の助手」を体験する。

 鎌倉女子大の公立小学校教員採用試験の結果(現役)は、神奈川県25人、横浜市18人、川崎市2人、相模原市3人など(2017年春採用)。相模原市教育委員会の内定者(2017年)は、大学の授業について次のように話す。

「『国語科教育法』の授業では、物語の読解の指導にはいろいろなアプローチの仕方があること、『算数的活動』のゼミナールでは折り紙で図形を学ぶ方法などを学び、今まで経験したことのない新しい指導法に私はすっかり魅了されました」(大学ウェブサイトより)

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