一方、2021年のオフに二軍監督への就任が決まったのが小久保氏。当時は一軍監督への抜擢も予想されていたが、先述の通り実現せずに終わった。

「球団は(小久保氏の一軍監督就任については)かなり慎重になっていた。黄金時代を牽引した中心選手もベテランの域に差し掛かり、千賀滉大のメジャー挑戦も確実視されていた。抜本的なチーム改革に取り組むことになり、“小久保監督の誕生”のタイミングではないと判断されたのでしょう」(ソフトバンク担当記者)

「(小久保二軍監督は)侍ジャパンの監督を務めたとはいえ、プロ野球の指導者としては新人だった。監督就任を見据え、(2021年シーズンからは)一軍ヘッドコーチとして攻撃面における指揮を大々的に任されたが結果に繋がらなかった。世代交代の真っ最中でもあり、早急な監督就任は本人のためにもならないと思われた」(九州地区テレビ局スポーツ担当)

 状況的に“小久保監督”の誕生は見送られたが、二軍監督への就任は“来るべき日”に向け妥当な判断とも考えられる。

「短期決戦の侍ジャパンと、140試合以上あるプロ野球では全く違う。技術や作戦面のみでなく、選手の肉体的、精神的な面でのコンディションの管理も重要になる。この辺は指導者としての経験がものを言う部分です。二軍監督となったのは、指導者として大きなプラスになるはず」(ソフトバンク担当記者)

「(小久保二軍監督は)現役時代から自らの道を突き進む孤高の男。頑固な部分がプラスに働き選手としては超一流となった。しかし指導者は個々の選手に合った方法を見つけ出して対応しないといけない。二軍監督になり、選手に歩み寄っている姿が目立つのは本当に良いこと」(ソフトバンクOB)

 昨オフには大型補強の傍ら、これまでチーム主軸として活躍した松田宣浩が戦力外となり、エースの千賀はメジャーに移籍して退団。また、デスパイネ、グラシアルというキューバの大砲2人もチームを去った。世代交代が必要とされる中で、小久保二軍監督も自身で若手を育て“良きタイミング”で一軍監督のバトンを受け取るというのが球団にとって最高のシナリオだろう。

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