【関節痛の対策・その2】「冷え」を招く邪気を発散

 邪気は身体に不調をもたらす自然の要因で、風・寒・暑・湿・燥・火の六邪があります。中でも冬に気をつけたいのは、風邪(ふうじゃ)、寒邪(かんじゃ)、湿邪(しつじゃ)。冷たい北風や雪の影響でこれらの邪気が侵入すると、身体が冷えて「お血」を招いてしまいます。その結果、関節痛を発症したり、痛みの症状が悪化したりするのです。

 身体が冷えた時に感じる痛みは初期症状の場合が多いので、早めに邪気を発散して長期化させないことが大切。また、免疫力が落ちると邪気の侵入を受けやすくなるため、日頃から疲れを溜めず、栄養をしっかり取って、体力を十分保つこともポイントです。

<気になる症状>
初期の痛みやしびれ(膝痛、腰痛、神経痛、筋肉痛など)、朝の関節のこわばり、温めると痛みが緩和する、疲労倦怠感、舌苔が白い

<食の養生>
邪気を発散させ、身体を温める食材で、湿を取り除きましょう。
葛、シナモン、小茴香、八角、山椒の実、しょうが、ねぎ、はと麦、うど、へちまなど

■暮らしの養生

・十分な栄養と睡眠を心がけ、邪気を寄せ付けない強い体質に。
・冷えは痛みの大敵。日頃の飲食は温かいものを心がけて。
・毎日の入浴習慣で、身体を芯から温め血行を良く。
・同じ姿勢を長時間続けない。膝や腰に負担がかかります。
・ストレッチで関節を柔軟に保ち、筋肉の強化を。
※膝や腰に負担のかからないトレーニングを。

■腎に効くツボ

湧泉(ゆうせん)
足のうらの第2指と第3指の骨の間で、少し窪んだところを指の腹などでやさしくツボを刺激しましょう。

腎に効くツボ「湧泉(ゆうせん)」
腎に効くツボ「湧泉(ゆうせん)」

監修:菅沼 栄先生(中医学講師)

監修:菅沼 栄先生(中医学講師) 1975年、中国北京中医薬大学卒業。同大学附属病院に勤務。1979年、来日。 1980年、神奈川県衛生部勤務。中医学に関する翻訳・通訳を担当。 1982年から、中医学講師として活動。各地の中医薬研究会などで薬局・薬店を対象とした講義を担当し、中医学の普及に務めている。 主な著書に『いかに弁証論治するか』『いかに弁証論治するか・続篇』『漢方方剤ハンドブック』(東洋学術出版)、『東洋医学がやさしく教える食養生』(PHP出版)、『入門・実践 温病学』(源草社)など。
監修:菅沼 栄先生(中医学講師) 1975年、中国北京中医薬大学卒業。同大学附属病院に勤務。1979年、来日。 1980年、神奈川県衛生部勤務。中医学に関する翻訳・通訳を担当。 1982年から、中医学講師として活動。各地の中医薬研究会などで薬局・薬店を対象とした講義を担当し、中医学の普及に務めている。 主な著書に『いかに弁証論治するか』『いかに弁証論治するか・続篇』『漢方方剤ハンドブック』(東洋学術出版)、『東洋医学がやさしく教える食養生』(PHP出版)、『入門・実践 温病学』(源草社)など。

本記事は、イスクラ産業株式会社が発行する情報誌『チャイナビュー』より、一部改変して転載しました。同誌は日本中医薬研究会の会員店で配布しています