外斜位とプリズムレンズ
外斜位とプリズムレンズ

 最近は「外斜位」という眼位の異常で眼精疲労を引き起こしているケースも増えている。このような人にはプリズムレンズが有効だ。

「外斜位の人は目が外を向いていて、スマホなど近くを見る場合、寄り目になるために、目が疲れるのです。近視のある外斜位の人が通常のレンズで視力矯正をすると、度が強くなりやすく、眼精疲労を悪化させていることもあります」(同)

 プリズムレンズは鼻側と耳側でレンズの厚みが異なり、三角になっているレンズだ。レンズを通る光は厚いほうに曲がるため、外斜位の人は鼻側を厚くすると、目を寄せる力が少なくなる。

 加齢によって眼球を支える組織が弱ることで起こる「サギングアイ症候群」という眼位の異常にも、このレンズが有効だ。物が二重に見える症状が改善される。なお、よりよい視力矯正のためには屈折異常に詳しい眼科医を受診すること、目が元気な午前中に目の検査をしてもらうことがポイントだという。

 目を守る涙は内側から涙を目の表面に均一に広げる「ムチン層」、角膜や結膜に栄養を送る「液層」、水分の蒸発を防ぐ「油層」の三層構造になっている。ドライアイは涙の分泌量が減るなどでこの層が薄くなり、発症する。目のゴロゴロ感など不快な症状が続くと、眼精疲労の原因になる。

 小沢眼科内科病院理事長の小沢忠彦医師によれば、シェーグレン症候群(免疫の異常によって自分自身を攻撃してしまう、自己免疫疾患の一種。主に涙腺、唾液腺が壊される)など病的なものもあるが、多くは生活習慣が引き金で発症している。

■ドライアイにはセルフケアが有効

 日中に症状が重くなる人はパソコン作業が影響していることが多く、セルフケアで改善を試みてほしいという。

「パソコンのモニター画面を見上げる姿勢になっていると、まばたきの回数が減ってドライアイが悪化します。画面を見下ろす姿勢になるよう調整しましょう。まぶたがかぶるようになり、目にうるおいが戻ってきます」(小沢医師)

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