ポスティングで移籍の際はレイズ以外にも、ブルージェイズ、ホワイトソックス、レンジャーズなど複数球団が興味を示した。

「各球団とも長年、興味を示していたのでNPB時代のデータなどは豊富に持っている。本来の実力は分かっているから、2年契約終了となる今年次第では、大型契約を勝ち取ることも可能。野球人生のターニングポイントだろう」(ア・リーグ球団アジア担当スカウト)

 昨年7月24日、ブルージェイズ戦でのメジャー初本塁打も“らしい”1発となった。3-2のフルカウントから、MLBで実績十分の韓国人左腕・柳賢振の直球を逆らわず打ち返し、低めの弾道で本拠地トロピカーナ・フィールドの左中間スタンドに飛び込む、素晴らしい当たりだった。

 だがメジャー1年目の昨季は、実力の片鱗は見せたものの、51試合に出場して、打率.197、8本塁打、24打点と物足りない数字となった。昨季はレギュラーシーズンが通常の162試合から60試合に短縮された影響もあり、まだまだ慣れるのに時間は必要だろうが、今年は2年契約の2年目。すぐに結果が必要となる勝負の年を迎えている。日本よりはるかにシビアなメジャーでは、シーズン途中の解雇すら可能性としてはあり得る。

 一方で米国でも期待をされていないわけではない。米CBSスポーツは、今季のブレーク候補として筒香を選出するなど、現地でも活躍を予想する声も多い。

 同時に国内では「NPB復帰可能性は?」と言う声も聞こえる。昨年の数字だけで判断すれば、レギュラーとしては不十分だ。加えて、コロナ禍の中でヤンキースからFAとなった田中将大が楽天に復帰したことでキャンプから盛り上がっている。 DeNAファンからすれば、生え抜きのスター選手の復帰を期待するのも無理はない。

「DeNAもコロナ禍での損失が大きく、緊縮財政が続く。多額の資金を注ぎ込んでの獲得競争はできない。近年のFA市場動向などをみても、マネーゲームはしない方針。若手育成ができるようにもなっている。国内復帰なら他球団もあり得る」(DeNA担当記者)

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物議を醸す発言もネックに?