天龍源一郎(てんりゅう・げんいちろう)/1950年、福井県生まれ(撮影/写真部・掛祥葉子)
天龍源一郎(てんりゅう・げんいちろう)/1950年、福井県生まれ(撮影/写真部・掛祥葉子)
日光浴のお供は?/天龍源一郎公式インスタグラム(@tenryu_genichiro)より
日光浴のお供は?/天龍源一郎公式インスタグラム(@tenryu_genichiro)より

 50年に及ぶ格闘人生を終え、ようやく手にした「何もしない毎日」に喜んでいたのも束の間、突然患った大病を乗り越えてカムバックした天龍源一郎さん。2月2日に迎えた70歳という節目の年に、いま天龍さんが伝えたいことは? 今回のテーマは「鍋料理」。鍋だけは自ら家族に振る舞うという天龍さんの秘伝の3レシピを大公開!

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 今回、紹介するのは「湯豆腐」「油鍋」「鯛そうめん」の3つだ。どれも嶋田家の定番鍋で、普段は料理をしない俺が、唯一家族に振舞うのが鍋なんだ。作り方も簡単だから、みんなにもぜひやってもらいたいね。

 まずは湯豆腐。これは、タレがポイントだ。

■湯豆腐
・だし:水、昆布、鶏皮
・具材:豆腐(木綿、絹どちらでも可。嶋田家は絹)、くずきり(白滝でも可)、野菜は白菜、春菊など好みで
・タレ:卵黄3~4個(白味は鍋の具材にする)、青のり、焼き海苔、鰹節、醤油

 嶋田家では昆布ダシに鶏皮を加えてちょっとこってりしただしにして、そこに豆腐を入れる。豆腐のつけだれは小鍋(※豆腐とは別の鍋)に卵黄を3~4個分割入れて、ごく弱火で焦がさないようにかき混ぜて、そこにたっぷりの青のり加える。瓶詰の青のりを結構な分量使うな。そこに焼き海苔をあぶって香りが立ったら揉んで細かくしたもの、鰹節を入れる。青のりに対して海苔と鰹節はそれぞれ半分くらいが目安。そこに醤油を入れて伸ばしてタレにする。醤油を入れ過ぎて味が濃かったらだしで薄めるといいけど、このタレはあまり水っぽくならないようにするのがコツ。タレというよりも固形物といった方がいいだろう。すくったときに、ボトっと塊が落ちるくらいの硬さがちょうどいいね。

 このタレはポン酢で食べる湯豆腐とは違ってマイルドでコクがあってウマいんだ。嶋田家でタレを作るときはボウルにたっぷり作る。たくさん作れば作るほどウマくなるし、食べていると意外とすぐに無くなるからね。濃い目のタレに豆腐や野菜、だしが入るとまろやかになって、そこに鶏皮の脂も絡まるから豆腐も野菜もぐんとウマくなる。タレを作るときに余った卵の白身も鍋の具材にしてほしい。卵白はかき混ぜて、鍋にゆっくり流し入れるだけ。これがまたウマいんだよ! 締めにうどんを入れて、このタレで食うのもおすすめだ。うちの代表(※娘の嶋田紋奈さん)は締めにマロニーを入れるのが好きだよ。

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天龍源一郎

天龍源一郎

天龍源一郎(てんりゅう・げんいちろう)/1950年、福井県生まれ。「ミスター・プロレス」の異名をとる。63年、13歳で大相撲の二所ノ関部屋入門後、天龍の四股名で16場所在位。76年10月にプロレスに転向、全日本プロレスに入団。90年に新団体SWSに移籍、92年にはWARを旗揚げ。2010年に「天龍プロジェクト」を発足。2015年11月15日、両国国技館での引退試合をもってマット生活に幕を下ろす。

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ハンパないごま油を投入する油鍋とは?