ブレークしてロッテの柱になることが期待される藤原恭大 (c)朝日新聞社
ブレークしてロッテの柱になることが期待される藤原恭大 (c)朝日新聞社

 今オフ、ストーブリーグの“主役”になったチームと言えば、千葉ロッテマリーンズだろう。主将も務めた生え抜きの鈴木大地がFA、存在感抜群だった涌井秀章が金銭でともに楽天に移籍。戦力ダウンが避けられないマイナス材料となったが、それ以上の朗報がメディアを躍った。

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 計算の立つ先発投手・美馬学を楽天から、三拍子揃った外野手・福田秀平をソフトバンクからともにFAで獲得。ブルペンも元広島のジェイ・ジャクソン、楽天のフランク・ハーマンなど適材適所の補強を行った。ドラフトでは4球団競合した163キロ右腕・佐々木朗希(岩手・大船渡高)を獲得するなど、新シーズンに向けて大きな上積みを見せた。

 もっとも、既存戦力の中にも期待を集める有望株がいる。

 平沢大河。安田尚憲。藤原恭大。

 かつて甲子園を騒がせたドラフト1位トリオで、将来のロッテを背負うべき左打者のスター候補たちだ。

「3人とも素晴らしい才能の持ち主。プロ入りする選手は誰もが素晴らしい才能を持っている。でも、この3人に関してはかなり高いレベルにあると思う」と自らもロッテでプレー経験のある野球解説者・本西厚博氏は語る。

 平沢は宮城・仙台育英高時代から大型内野手として注目され、高3で出場したU-18W杯では遊撃手でベストナインに選出される。15年秋ドラフトでは生まれ故郷であり、小学生時代にスクールにも在籍した楽天との重複指名となったが、ロッテが指名権を獲得。プロ入り後は一軍定着に向けて外野手にも挑戦している。

 大阪出身の安田は阪神ジュニアに選出され、中学時代は阪神OB・赤星憲広氏が主宰のレッドスターベースボールクラブにも在籍した。大阪・履正社高時代は1年秋から主軸に定着し、高校通算65本塁打。早実・清宮幸太郎(日本ハム)とともに話題になり、17年秋ドラフトでは3球団が競合。U-18、23の各世代で日本代表にも選ばれている素材で、昨年は2軍ながら19本塁打82打点を挙げた。

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ロッテにはかつてブレークが期待された逸材がいたが…