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数年後のドラフト候補に…プロに進まなかった“根尾世代”の現在地

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西尾典文dot.
現在は早稲田大学でプレーする中川卓也 (c)朝日新聞社

現在は早稲田大学でプレーする中川卓也 (c)朝日新聞社

 東京六大学では根尾、藤原らとともに甲子園春夏連覇を達成したメンバーがこの春から存在感を示している。キャプテンを務めた中川卓也(早稲田大)は春のリーグ戦全試合に出場。打率は1割台前半と大学野球の壁に苦しんだが、それでも起用され続けたところに小宮山悟新監督の期待の大きさがうかがえる。その一方で見事な結果を残したのが山田健太(立教大)だ。開幕こそベンチスタートだったものの代打で結果を残すと第2週からはスタメンに定着。後半戦からは4番に座り、リーグ4位の打率.375をマークし2本塁打を放つ長打力も見せつけた。高校3年時は不振で下位を打つことも多かったが、打者としてのスケールの大きさは魅力だ。山田と大学でもチームメイトになった宮崎仁斗(立教大)も1番を任せられるなど規定打席をクリアして打率.257をマーク。全国の経験豊富なこの二人が今後も立教大を引っ張ることになりそうだ。

 春のリーグ戦の後に行われた全日本大学野球選手権では地方リーグの選手の活躍も目立った。1年春から主戦として活躍を見せたのが立石健(大体大浪商→福井工大)、林虹太(佐久長聖→東農大北海道オホーツク)、村上幸人(九産大九州→福岡大)の三人。中でもスケールを感じさせたのが立石だ。高校時代からフォームの良さは目立ったが、力強さが明らかにアップした。大学選手権でも強豪の上武大を相手に7回を2失点と好投。全国デビューで初勝利を記録している。

 一方、社会人に進んだ選手ではさすがにまだ主力となっている選手は見当たらないが、今後が楽しみな選手はもちろん存在している。投手では高校時代に関東屈指の本格派と評判だった米倉貫太(埼玉栄→Honda)が3月のスポニチ大会で早くも公式戦デビュー。都市対抗の予選でも短いイニングではあるが2試合に登板しており、将来のエース候補として期待は大きい。野手では大谷拓海(中央学院→セガサミー)が筆頭株。高校時代は4番、エースとして春夏連続で甲子園に出場したが、社会人では外野手に専念。全身を使ったフルスイングは迫力十分で、既に公式戦でもスタメン出場を果たしている。元打点王の初芝清監督のもとで、どのような打者に成長していくかが楽しみだ。

 “松坂世代”という言葉が広まったのも、和田毅、村田修一、木佐貫洋、杉内俊哉といった高校から直接プロ入りせずに、大学や社会人で成長した選手の存在が大きかったことは間違いない。そういう意味でも、ここで紹介した選手が秋以降にも更なる成長を見せて大学、社会人球界を盛り上げ、根尾、小園、藤原、吉田といった世代のトップランナーに追いつき、追い越していくことも十分に考えられるだろう。(文・西尾典文)

●プロフィール
西尾典文
1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。


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