現在は早稲田大学でプレーする中川卓也 (c)朝日新聞社
現在は早稲田大学でプレーする中川卓也 (c)朝日新聞社

 今月11日に行われたフレッシュオールスター。昨年のドラフトで1位競合した根尾昂(中日)、小園海斗(広島)、藤原恭大(ロッテ)の3人が揃って出場を果たすと、小園は先頭打者ホームランを放つなどの活躍を見せてMVPを獲得。また吉田輝星(日本ハム)もイースタンリーグの先発としてマウンドに上がり、小園に一発は浴びたものの根尾から三振を奪うなど自慢のストレートで観衆を魅了した。根尾以外は既に一軍デビューを果たしており、周囲からの期待は高まる一方だが、プロに進まなかった同世代の選手も3年後、4年後のドラフト指名を目指して奮闘している。今回はそんな大学、社会人の有力ルーキーたちを紹介したい。

【写真】フレッシュオールスターでMVPを獲得した小園海斗

 大学球界でいち早く頭角を現しているのが森下翔太(東海大相模→中央大)だ。高校時代から超高校級スラッガーとして注目されていたが、中央大へ進学すると春のリーグ戦でもいきなり2本塁打、3割を超える打率を残してベストナインに選ばれたのだ。その打撃が高く評価されて今月行われる日米大学野球の大学日本代表にも選出。大会前の練習試合では広島で一軍の実績もある飯田哲矢、中田廉から2打席連続ホームランを放ち、早くも大学ジャパンの中軸として期待される存在となっている。均整のとれた体格からのフルスイングは迫力十分で、攻守ともにプレーにキレがあるのが持ち味。順調にパワーアップすれば、井口資仁の持つ東都大学一部記録の通算24本塁打も十分狙えるだけの素材である。

 森下とともに1年生ながら大学日本代表に選出された田中幹也(東海大菅生→亜細亜大)は2年夏に出場した甲子園でも活躍した内野手。166cmと小柄ながら脚力と体の強さがあり、その守備範囲の広さは群を抜いている。しぶとい打撃とパンチ力も魅力で、菊池涼介(広島)のようなタイプの選手に成長する可能性は十分にあるだろう。

 森下、田中とともに東都大学一部で光ったのが松本渉(龍谷大平安→東洋大)だ。小柄ながらスピードは大学球界でも上位で、常に全力疾走を怠らない姿勢が素晴らしい。リーグ戦全14試合に出場して15安打、3盗塁とその持ち味を存分に発揮し、新人賞も受賞した。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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