治療後にメインテナンスの案内をしてくれて、その場で予約をしてください、という歯科医院は信頼できます。ハガキや電話、メールなどで案内をしてくれるところもいいでしょう。

 また、受付のスタッフが、他の患者さんたちに「次の定期検診はどうしましょうか?」などと頻繁に聞いている様子がうかがえれば、安心ですね。

 次に、「歯だけでなく全身の健康指導をしてくれること」。特に歯周病の治療では病気を進行させないために禁煙をすすめたり、関連する病気である糖尿病などの状態を確認してくれる歯科医師がのぞましいです。

■腕がよくなければ患者さんには紹介しない

「自信のない治療は他の歯科医師に紹介できる」こともポイントです。

 先日、堀ちえみさんの公表で話題になった舌がん、うちの歯科医院でも疑いのある患者さんがときどきいらっしゃいますが、万が一の場合を考え、近くにある総合病院の口腔外科を紹介しています。実際、紹介したうちの何人かは舌がんと診断されました。

「親知らず」も抜歯が難しいものは無理に抜くと大出血につながりかねないので、「この先生なら」という親知らず専門のベテラン歯科医師や、抜歯に精通した先生方がおられる総合病院や歯科大学の口腔外科に紹介しています。

 また、転勤などで遠方に行く患者さんから、「引っ越し先でかかれる歯科医院を教えてください」と相談されることがありますが、その際は私の知り合いの歯科医師がその地域にいればその中から、「この歯科医師なら大丈夫」という人を紹介しています。知り合いがいない地域はその近くで開業している歯科医師から、紹介してもらいます。

 実は歯科医師の世界は意外と狭く、互いの腕はよくわかるものです。どんなに気が合う友人でも、腕がよくなければ患者さんには紹介しないことは、断言しておきます(遊びと仕事はわけています)。

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