チェックインから搭乗口まで50分…やたらに広い空港が生まれる理由 <下川裕治のどこへと訊かれて>
連載「どこへと訊かれて」
スマランからの飛行機は30分ほど遅れてジャカルタに到着した。ターミナル2である。訊くとスカイトレインという無料電車でターミナル3に行けという。乗り継ぎ時間はそう長くない。息せき切ってターミナル3に着き、チェックインをすませた。
「急いでください。搭乗口はだいぶ遠いですから」
ターミナル3は正式にはターミナル3アルティメットという。2016年に部分的に開港。2017年5月には国際線も乗り入れるようになった。半年ほど前、このターミナルを利用していた。搭乗口が遠かったという記憶はない。
しかし遠かった。行けども、行けども搭乗口に近づかない。空港見取り図を見て納得した。ターミナル3は、閉鎖されていたLCC専用の旧ターミナル3とつながり、とんでもなく広い空港になっていたのだ。ジャカルタの空港は、日本では考えられない速度で膨張していた。空港も経済成長のただなかにいた。
やっと搭乗口に着いた。時計を見るとチェックインカウンターから50分。すでに搭乗がはじまっていた。
ジャカルタのスカルノ・ハッタ国際空港では、乗り継ぎのために足腰を鍛えなくてはいけない。
下川裕治(しもかわ・ゆうじ)/1954年生まれ。アジアや沖縄を中心に著書多数。ネット配信の連載は「クリックディープ旅」(隔週)、「たそがれ色のオデッセイ」(毎週)、「東南アジア全鉄道走破の旅」(隔週)、「タビノート」(毎月)など
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