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美容師は知っている! “不倫”“毒嫁”時代で変わる女の悩み

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美容室は、女性にとって美しくなるための場所であると同時に、家族や友人には言えない秘密もつい打ち明けてしまうところ(撮影/岡田晃奈)

美容室は、女性にとって美しくなるための場所であると同時に、家族や友人には言えない秘密もつい打ち明けてしまうところ(撮影/岡田晃奈)

 女性にとって美容室は、美しくなるための場所であると同時に、家族や友人には言えない秘密もつい打ち明けてしまうところ。そこには人生のドラマが凝縮されている。女性向け健康・ライフスタイル誌『ゆとりら 夏号』の特集「女の人生は美容室が知っている」で、女性たちの「悩みの駆け込み寺」となっている美容室を密着ルポ。

*  *  *
 私鉄沿線の閑静な街。レトロモダンな商店街に、8坪の小さな美容室がある。経営者は71歳の高橋ヒロコさん(仮名)。華やかな雰囲気の美容師だ。ヒロコさんは赤坂や麻布の美容室勤務を経て、24年前にこの街で店を持った。「以前は海外大使のヘアも担当した」というヒロコさんの元には、20代から80代まで大勢の女性客が訪れる。“気さくなベテラン先生”は、最高の話し相手でもあるようだ。そんなヒロコさんは最近「お客様の話の内容が変化した」と感じている。例えば嫁と姑の関係だ。

「昔から嫁との確執を話す方は多いですが、以前は『嫁をとっちめた』と、強気の発言ばかりでした。それが近年は『嫁にいびられる』と泣きごとが多い」

 2駅先から電車で通う80代の女性は、10年前に夫を亡くして一人暮らし。都内に40代の長男家族(孫2人)が住むが、嫁との折り合いが年々悪化しているという。

「年末やお盆には泊まりで孫に会いにいくそうですが、数年前に、自分用の布団がなくなったと。それで腰が曲がっているのに、重たい布団一組をわざわざタクシーに積んでいくそうです」

 学校の先生をしている嫁は、「家にあげてもらえるだけいいと思え」と言い放ち、息子は嫁に何も言えない。

「負けないでと思いながら、いつも精一杯綺麗にさせていただくんです」

 ヒロコさんがもうひとつ、変化を感じるのは不倫だ。「昔は伏し目がちに漏らす方が多かったのに、今は聞いて聞いてと自慢げで、ハラハラする」。

 ある50代後半のお客さんは、「この店に来る時にたまたま乗ったタクシー運転手が初恋の人の声にそっくりで、連絡先を交換した」と興奮気味だった。その1カ月後に来店した際、「例の彼と付き合っている、年下よ」と目を輝かせ、2カ月後のクリスマス前には、「プレゼントは何が欲しい? と聞いたら、リボンをつけたキミだって」と笑い、携帯電話で撮ったツーショット写真を見せてくれたという。

「奔放な恋をする“孫あり不倫”が増えています。美容院は密室だし、話しやすいのでしょうね」

 もちろん泥沼のドラマばかりではない。ヒロコさんは、7歳の時から20年間店に通う女性の髪を切り続けているが、“わが子”のように愛しいという。

「七五三の着付をしてあげた子が、成人式に来て、『次は結婚式の時によろしく、誰か相手いない?』と慕ってくれる。いつか、その子の子どもの髪も切りたい」

 悩みなら何でも聞くわ、とヒロコさんは笑った。(文/藤村かおり)


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