W杯王手も…ハリルJ、イラクに苦戦した本当の“要因” (1/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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W杯王手も…ハリルJ、イラクに苦戦した本当の“要因”

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清水英斗dot.
後半はサイドの守備に積極的に参加するようになった本田圭佑(撮影・六川則夫)

後半はサイドの守備に積極的に参加するようになった本田圭佑(撮影・六川則夫)

 気温37度のピッチで出来ることは限られる。イラクは賢く“遅攻”した。

 6月13日にイラン・テヘランで行われた2018年ロシアワールドカップ・アジア最終予選の日本対イラク戦。システムは[4―4―2]だが、動きは変則的。両サイドバックを高い位置に上げ、左サイドハーフの19番マフディ・カミルが入れ替わって中盤の底に下りてくる。センターバック2枚と、センターMF2枚、それに19番を加えた5枚により、イラクは攻撃を組み立てた。

 ボールを奪っても、すぐには縦に入れない。攻め急がず、ジョギングしてボールを回しながら、再び“遅攻”の形を作り直す。もしも詰まったら、サイドにロングボールを蹴ればいい。そのためにフィジカル自慢のサイドバック、6番のアリ・アドナンを高い位置へ送り込んでいる。整理された遅攻だった。

 そして、イラクの変形システムの中心である19番カミルの流動的な動きは、応対する右サイドバックの酒井宏樹を惑わせた。引く動きについて行くと、大外をオーバーラップしてくる6番アドナンに寄せられない。また、中央から2トップの10番アラー・アブドゥザフラも流れてくるので、酒井宏は3人が代わる代わる自分のスペースへ走り込んでくる難しい状況だった。

 ダブルボランチの右に入った遠藤航に中央を任せ、酒井宏は早めに6番アドナンにアプローチする。そんな連係がうまく行けば、前半に6番アドナンのクロスからチャンスを作られることもなかったが、如何せん、怪我人続きで急造の布陣。なおかつ、この暑さの中では前線もプレッシャーをかけ切れず、相手の選択肢を絞りきれないシーンが多く、難しかった。

 後半は状況が少し変わり、右サイドハーフの本田圭佑が、酒井宏と連係してサイドの守備に積極的に参加するようになった。前半は相手DFへのプレッシャーと、中央側へのカバー意識が強かったが、後半はサイドをケアした。ハーフタイムの修正だろう。6番アドナンにフリーでクロスを入れられる場面は減った。

 ところが、イラクは後半14分に「イラクのメッシ」と呼ばれる左利き、11番フマム・タリクを投入し、攻撃の目先を変えてきた。19番カミルと似たテクニシャンが、もう1人ピッチに立ち、中央での細かいコンビネーションとスピードが増した。


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